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目が届かないぶん、把握しきれていないのが自分の背中のこと。

しかし、背中はお手入れがしづらいのとは裏腹に、人目につきやすいパーツです。

背中といえば、気になるのがポツポツと存在するニキビ跡ですが、この跡はどのような原因によってできるのでしょうか?

ニキビ跡を知るにはまずその発端から!ということで、背中ニキビについてのところから見ていきましょう。

まず、その吹き出物って……本当にニキビ?

大きなクエスチョンマークの写真

意外と多いのが、ニキビだと思ってニキビ治療をしていたら、実は疾患がニキビではなかったために、使用をしていた治療で症状を悪化させてしまったという例。

対処法を間違えないよう、ニキビと似た皮膚炎とを見分けられるように知識を深めておくことが大切です。

ニキビに似ている皮膚炎1.マラセチア毛包炎

あとでくわしく説明しますが、ニキビにはアクネ菌などの細菌によるものと、「マラセチア菌」などの真菌によるものとがあります。

マラセチア毛包炎は真菌のニキビと原因菌が同じで、見た目もとても似ているので素人が判断することは難しいですが、下記のような症状が見られる場合は、マラセチア毛包炎である可能性が高いといえます。

<マラセチア毛包炎が疑われる症状>

  • 体幹部(背中、胸、首)の皮脂の分泌量が多い部分にできる
  • 一気に広がる(1度に多くのニキビができる)
  • 市販のニキビ薬を使っても良くならない
  • そのほかのニキビ治療をしてもなかなか快方に向かわない

マラセチア毛包炎は、睡眠不足や疲れなどによる肌のバリア機能や、ホルモンバランスの乱れにより、菌にとって増殖しやすい条件がそろってしまうとできやすくなります。そして、自然治癒することがほとんどありません

医療機関で処方される抗真菌薬(カビを殺菌する薬)の外用や内服により、1〜2か月ほどで軽快することが多いようです。

マラセチア菌を完全に駆除することは現実的には不可能なので、薬を併用しながら菌が増殖しない環境づくりをすることが先決となります。

最近では抗真菌薬が配合された全身に使用することができる石鹸が市販されているので、試してみると良いかもしれません。

ニキビに似ている皮膚炎2.脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

脂漏性皮膚炎は、マラセチア毛包炎と同様にマラセチア菌が原因となって起こる皮膚炎です。

症状としては、はカサカサしてているのに脂っぽい皮膚のかたまりがこびりついていたり、赤みを帯びていたりします。

初期の頃はポツポツと赤みのある湿疹ができるため、あせもやニキビと間違えてしまう人も多く、普段よりもしっかりとシャワーを浴びるなどして対策をしますが、なかなか赤みが引かない、カサカサしてくるなどの症状が出てきて気がつく人が多いようです。

こちらもマラセチア毛包炎同様、自然治癒は難しいため医療機関を受診して治療を受けましょう。

脂漏性皮膚炎はマラセチア毛包炎と比べ患部の面積が広くなる傾向があり、シミになってしまった場合に目立ちやすいのが特徴です。

ニキビに似ている皮膚炎3.毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、毛孔性角化症(もうこうせいかくかしょう)とも言われ、腕の外側に細かい赤みを持つ湿疹ができることがおもな症状で、小児期に発症して思春期に増加する傾向があります。

原因は肌表面にある角質が、皮膚のターンオーバーとともに剥がれ落ち、その過程でなにかしらの異常が生じ、毛穴周囲に古い角質層が溜まって毛穴をふさいでしまうことで、ざらざらやぶつぶつとした肌状態をつくることとされていますが、詳細な原因は明らかになっていません

年齢とともに症状が改善される傾向がありますが、なかには30代以降になっても改善しないケースがあります。

毛孔性角化症は、遺伝傾向が強い疾患であるとも言われていますが、細菌などが関係しているというわけでもなく、健康面で影響を与えたりすることもないため、皮膚科専門医を受診すると「放置しても問題ない」と言われることも少なくないようです。

しかし、腕の露出が増える夏場などでは見た目的に良くないと悩む人も多いのも事実です。

そこで、最近では美容皮膚科領域での治療が考案されています。

治療はサリチル酸配合クリームや、ケミカルピーリング、レーザー照射などが中心で、サリチル酸配合クリームによる治療は保険が適用されます。

ニキビに似ている皮膚炎4.癜風(でんぷう)

癜風(でんぷう)は、あまりなじみのない皮膚炎ですが、実はありふれた病気です。

癜風もマラセチア菌が原因菌となって発生する皮膚炎で、胸や背中に茶色や白色のシミ(斑)ができます

かゆみを伴うことが少ないので、気がつかずにそのまま放置してしまうことが多いため、色素沈着が長期化してしまうことも。また、原因菌が同じため、マラセチア毛包炎を併発することもあります。

癜風はマラセチア毛包炎とは違い、広範囲にわたることが多い皮膚炎のため、癜風によりできたシミは結果的に目立ってしまいます。色素沈着を防ぐためには、早期の治療が肝心です。

背中ニキビは顔より複雑?!



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