手のひらやワキ汗が他の人よりも多く、汗っかきだと気になってしまう悩み......。
それはもしかしたら「多汗症」が原因かもしれません。
多汗症は精神的なものが原因な場合と、特に原因はわからないけれど、とにかく汗がたくさん出る場合とがあります。
どちらの場合も医療機関で診てもらうことができ、多汗症と診断されると治療を行うことができます。
今回は薬剤師の私が、実際に多汗症の薬として効果がしっかり認められているものを4つ厳選して紹介します。
1. 塗り薬「塩化アルミニウム液」
多汗症でまず一番最初に処方されるのが、塩化アルミニウムという成分が入っている塗り薬。
10〜20%程度の塩化アルミニウムを溶かした水溶液で「医薬部外品」に分類される成分が入っています。
医療用医薬品として承認されている薬ではありませんが、日本皮膚科学会の多汗症治療のガイドラインで多汗症の治療で最初に使用されることが示されています。
保険適応がないので、皮膚科で自由診療で購入したり、通販で取り寄せたりしましょう。
2. 飲み薬「プロ・バンサイン」
飲み薬の「プロ・バンサイン」は、医療用医薬品で、医師の処方箋が必要な薬に分類されています。厚生労働省から多汗症の薬として認可されている飲み薬です。
「プロ・バンサイン」は、抗コリン作用といわれる、神経に作用して汗を止める働きもつ薬。胃や十二指腸の薬としても使われているんです。
「プロ・バンサイン」は飲み薬なので、成分が全身に巡ります。そのため、副作用に注意が必要です。
抗コリン作用には、尿が出にくくなる、口が渇く等の副作用があります。
3. 飲み薬「グランダキシン」
「グランダキシン」は、自律神経失調症や更年期による多汗症に対して効果が認められている医療用医薬品です。手に入れるには、医師の処方箋が必要になります。
自律神経の調整をする薬なので、前術の「プロ・バンサイン」とは作用システムの違う系統の薬です。
自律神経を調整する薬なので、汗だけではなく自律神経の乱れによる頭痛、だるさなどにも使われます。
副作用には眠気、めまい、ふらつきなどが報告されています。
4. 漢方薬「防已黄耆湯」
漢方薬でも厚生労働省から効果が認められて保険診療で服用できるものがあります。
漢方薬は、漢方医が患者の症状を書いた「証」と呼ばれる診断書にもとづいて、処方されます。
「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」は色白で疲れやすく、汗のかきやすい傾向のある肥満症に使われます。
漢方でも副作用が出る可能性があるので、服用する際は、医師、薬剤師に相談してください。
皮膚科を受診してみましょう
多汗症の専門科は皮膚科です。コンプレックスに感じる汗の量は多汗症として診断され、治療ができるケースも少なくありません。
多汗症の治療は薬だけで治療を行うわけではありません。まずは皮膚科を受診して汗が出る原因を診てもらいましょう。
多汗症の原因に合わせた最適な治療法を行えばコンプレックス解消になるかもしれません。