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「おい!テンパ!」天然パーマでいじめられてきた私はプログラミングに生きる道を見出した
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「おい!テンパ!」天然パーマでいじめられてきた私はプログラミングに生きる道を見出した

2015-12-05 18:00
    天然パーマ。
    皆さんはこれを聞いてどう思いますか?「醜い」といった中傷する声や、人工的にパーマかけずに済むから羨ましいなどといった声も上がります。
    でも当の本人からすると絶対直毛に生まれたかった、と思う人が大半なのではないでしょうか。
    大人になればある程度は気にならなくなります。ただ幼い頃はからかわれ、天然パーマが原因でいじめられることもあります。小さい頃の苦労を知っているから皆さん口を揃えて直毛が羨ましいと嘆くのです。

    天然パーマが原因でいじられた小学生時代

    「おいっ!テンパ」
    小学校に入学したばかりの私が突然天然パーマを皆にいじられ始めた。幼稚園で仲の良かった友達もこぞって僕の頭を馬鹿にするのだ。
    原因はクラスの中で天然パーマなのは僕だけだから。。
    小さい子供たちは人と違う所を見つけると興味本位で馬鹿にする。人種差別にも似た、このいじめに私は母親に「なんで僕だけこんな頭なの?」と言ったが母親は直毛。父親の遺伝である私の気持ちは分からないのだ。
    父親に相談すればいいのだが私の父親はとても怖く、そんな事一切言えなかった。
    低学年の時はずっとみんなにいじられてとても嫌な思いをしたが、3年生からサッカーを始めた僕は、みんなよりも上達が早く選抜にも選ばれる程であった。
    そうなるとみんな頭のことなど気にせず普通に接してくれるようになったのだ。テンパよりもサッカーが私の印象に強く根付いたからだ。

    中学に入りいじめがエスカレートする

    しかし、中学に入った途端またいじめが始まった。しかも今度は暴力だ。
    原因は私のサッカーにあった。
    サッカー部に入部した僕は同じ部活に入ったA君よりも上手で、それをよく思わないA君はクラスのみんなに「こいつの頭変だ!きもい」と大声で叫ぶようになった。
     
    A君は体格も良く、クラスのリーダー的存在でだれも逆らえなかった。皆A君が言うままに頭を引っ張り、「くりくり坊主」とあだ名までつけ始めた。
    そんなある日A君は僕にこう言った「サッカーやめろ。お前がいるときもくてやる気が出ないとみんな言っている。そしたらいじめをやめてやるよ」。
    思春期の僕はとても傷つき、こんな生活するくらいならもう大好きなサッカーなんてやめてやる、と部活へ行かなくなった。
    しかしA君はクラスのみんなに「もうこいつ殴るの禁止!シカトな!」と暴力はやめたが、誰も僕のいう事を聞いてくれなくなった。
    なんで天然パーマってだけでここまでいじられなきゃないんだろう。本気で私は悩んでいた。
    気にするあまり髪の毛を毎日髪の毛をアイロンでまっすぐにしてジェルを付けてスプレーで固め、少しでも直毛に近いヘアーにセットするようになった。
    ただこれには問題があり、梅雨の時期になるとうねってしまい、余計気持ちが悪くなるのだ。そして皆がさらに僕をバカにする。僕はこんな生活はもういやだと地元から離れた高校に進学した。

    地元から離れた高校へ進学することに

    僕は天然パーマであることがバレるのが怖くて、高校入学前に母親の勧めで縮毛矯正を始めた。
    今の技術は凄くだれがどう見ても直毛に生まれた人と何ら変わりない頭にしてくれたのだ。
    この技術のおかげで3年間僕誰にも天然パーマだとばれることなく生活を送ることができ、彼女まで作ることができた。

    みんながパーマをかけ始めた大学時代

    高校を卒業し、そのままエスカレータ式で大学へ進学した私は周り変化にとても驚いた。
     
    なんと人工的にみんなうねった人工的なパーマをかけ始めたのだ。
    そう。当時キムタクブームの真っ最中でみんなが「うねうねがかっこいい」と言い出したのだ。
    この時何を思ったのか僕は縮毛をやめて天然パーマのまま学校へ行くことにした。
    すると高校時代からのエスカレータ式の学校なのでみんな周りは幼い頃の僕を知らない為、「おっ!パーマかけたの!かっこいいじゃん」と、もてはやしてくるのだ。
    今までこの頭で悩んでいた僕に次はかっこいいといい始めたのだ。なんか矛盾を感じる・・小さい頃からいじられてきたこの頭が今度はかっこいい!?なんでだろう。
    思い切って友達に「実は俺天然パーマなんだよね。」と告白した。するとかっこいいと言っていたはずの友達は「やっぱり!だって不自然だし、なんか変だもん」と次は罵倒し始めたのだ。
    いったい何なんだ。人工的なパーマなら格好良くて、天然パーマなら格好が悪い。意味が分からない。
    そう思った僕はまた縮毛を始めた。しかし元々天然パーマだと知った友達は縮毛かけたの?女じゃないんだからやめろよ!気持ち悪い。と言い始めた。
    高校生の時は何も言ってこなかったのに天然と分かった途端この態度の変わりようだ。
    僕はどうしていいか分からなくなり、いろんな美容室に通いどうにか天然パーマを直してほしいと頼んでまわった。そんなことを言われても美容師にはどうすることもできない。
    そんな気にすることないですよ。このままクセを生かしてカットしましょう、といってくる。当時はひねくれていた僕は「こいつも俺のことを心の中で笑っている」と思い。一切いう事は聞かなかった。
    絶対僕が帰った後に美容師の仲間の間で馬鹿にしているに違いないと思っていた。
    ここまで悲観的になるのはやはり幼い頃からこの頭でいじめられ、裏切られてきた経験があるからである。僕は自分のからに閉じこもり、もう誰も知らないところ行こうと決心した。
    大学を卒業すると故郷の大阪を出て東京へと上京した。

    そして就職、凄まじいエンジニアの世界に触れる

    大学を卒業して私が就職したのはインターネット系の会社に就職した。
    幼い頃から引きこもりがちだった私は親に与えられたパソコンをずっといじっていた為、中学生の時にはパソコンを自作する程のチカラを身に着けていたのだ。
    高校時代にはC言語やHTML、CSSを完全に使いこなしていたのだ。
    こんな僕でもパソコンは裏切らない。ネットの顔を見なくてもいい友達とは何も考えずに本音で話し合える。
    そんな話相手の中の一人がネットで知り合った方で大手IT企業で働く方だったのだ。
    僕の技術をとてもかってくれた彼に東京へ渡った時すぐに会いに行き、話をするうちに「うちの会社こいよ!」と言ってくれたのだ。
    僕の幼い頃からの理解者でもある彼の誘いだし、誰もが知っている有名企業で働けるということもあって二つ返事でOKしたのだ。ここから僕の社会人としての第一歩が始まったのである。
    会社に入る時、周りの人は皆初対面だし、頭の事言われるんじゃないかなと、ちょっと不安だった。
    しかし私の不安など入社二日目で消えた。
    いわゆるエンジニアの部署に配属された私が見た光景はすさまじかった。
    デスマーチと良くネットでいわれているが本当にみんな寝袋で寝ていて、パソコンとずっと向き合っていて話なんかする暇があったら働け!!と言わんばかりの形相をしているのだ。
    その雰囲気に圧倒された私を含めた新入社員は硬直した。
    初日から何ができるの?といわれた私はC++とかJAVAとか・・・と言った途端に先輩の顔が変わり、「よかった!JAVA1人倒れてそのまま逃げたんだよ・・・」と笑顔で肩を組んできた。
    どんな仕事をしてきたんだろうその方は。とても大きな不安がよぎった。。
    その不安は的中し、初日からこれ今日20時までに仕上げておいて!と先輩に言われた。
    依頼されたのはアプリのゲームであったが、今まで誰かのためにプログラミングをしたことなんてないし、どうしようと悩んでいた。
    すると先輩はいいから!とりあえず仕様書読んで思った通りやってみな!と優しくいってくれた。
    ある程度腕に自信があった私は「よしやってやる!」と意気込んでなんとか19:30までに仕上げた。
    ただプログラムは今考えるとぐちゃぐちゃだし、新卒がやった仕事だな、と誰が見てもわかるような内容だった。
    しかし先輩はぐちゃぐちゃな事には触れずに「おおお!ここまでできんの!?誰に教わったの?いつからプログラミングやってるの?」と質問攻めにあった。
    僕が作ったプログラムは、自分としてはあまりよくない出来だったが他の人と比べると群を抜いていたらしい。

    天然パーマの上司と仲良くなる

    そして、この質問攻めをしてきた先輩、この人は何を隠そう超が付くほどの天然パーマなのである!
    初めて天然パーマの人と仲良くなったのがこの時である。先輩もテンパの僕がとても自分を見ているみたいで親近感がわくと言ってくれた。
    そして数日が過ぎて、ある日二人で飲みに行く事になった。
    先輩の行きつけの居酒屋さんにつきとりあえず生ビールで乾杯!そして一通り仕事の話をした後に思い切って聞いてみた。
    「先輩って天然パーマで苦労とかしませんでした?」
    先輩は笑いながら「そりゃあるよ!」といった。でも話を聞いてみると髪の毛が乾きにくい、床屋に行くと時間かかる。などと私が予想していた内容とは違ったのである。
    この時、今まで私が受けてきたいじめの話を思い切ってしてみた。すると先輩は「んーよくわかんないけどそれはお前もわるいんじゃん?」と言った。
    僕にはいじめをしてきた奴らよりも私が悪いなんて理解できずに理由を聞いてみた。
    「そんなの簡単だよ。髪の毛の事を気にして常に暗い顔して被害者ずらする奴と仲良くなりたいって思う?」
    私は何も言えなかった。
    先輩は続けて
     
    「たかが髪の毛だよ。生えてるだけマシだって。そんな事で悩むくらいなら自分にしかない魅力をつくれよ」といった。
    この時心に絡まっていた紐がほどかれる音がした。

    社会人になったら誰も天然パーマのことなんて気にしない

    たしかに先輩の言う通り、頭の事ばっかり気にして髪の毛をいじっている根暗な男なんて僕も仲良くしたくない。
    何を今まで悩んでいたんだ。この時僕は決心した。誰にも真似できない自分の魅力を作っていこう!
    そしてこんなちっぽけな事を気にするのはもうやめよう!そう思ったとき心がとてもスッキリした。
    たしかに社会人になったら誰も髪の毛の事なんて気にしない。
    そんなこと気にしている暇があったら自分に力をつけて世の中に貢献しよう!と思っているからである。なにを今まで悩んでいたのだろう。
    この時から自分の悪い所ではなく、良いところを伸ばしていこうと思えるようになった。
    この時すべてが吹っ切れた私はとにかく仕事に没頭した。
    世の中の為にみんなが楽しめるサービスを作ることに全力を出したのだ。
    そして7年の月日がたち今では社内で最年少課長の座につくことができた。それはちっぽけなことなんて気にする時間など全くなく、とにかく仕事に没頭してきた結果なのだ。

    今天然パーマで悩んでいる方へ

    今天然パーマで悩んでいる方はとても多いと思います。男性も女性も関係なく多くの方が悩んでいるのではないでしょうか。
    この天然パーマ歴30年の私も生まれてから今まで皆さんと同じように悩んできました。
    小さい頃は親を恨んだことだってあります。
    でもよく考えてみてください。
    今学生の方はあと数年すれば社会に出ます。
    社会人になったら誰も髪の毛の事なんて対して気にしません。
    むしろそんな事で悩んでるのか!と怒られるかもしれません。それくらい天然パーマの悩みなんてちっぽけなのです。
    周りを見てください。芸能人にだって多くの方が天然パーマです。でも彼ら、彼女らは輝いています。それは自分にしかない魅力を見つけて一生懸命生きているからです。
    髪の毛のことを気にするなら縮毛矯正をかけたっていい。アイロンで伸ばしたっていい。まずはいろんなことにチャレンジしてみてください。
    ただ悩むだけじゃなくて、その悩みよりも夢中になれることを見つけること、自分にしかない魅力を身につけることがなによりも大切です。
    魅力のある人には周りにも人が集まります。
    今はなにも無くてもいい。これから自分と向き合い、本当の自分を発見してみてはどうでしょうか。
    written by MioYuji

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