多感な少女期~思春期

少女
ムダ毛に悩み始めたのは、小学校高学年になった頃でした。お友達と比べても、明らかに目立ち始めたムダ毛。
 
どうして自分だけこんなにムダ毛が多いのだろう・・・カミソリで剃ってみたり、脱毛クリームやテープで処理してみたり、色んな方法を試しました。
本来なら、外で元気に遊んでいるはずの夏休みも、1日部屋に閉じこもりムダ毛を毛抜きで一本一本抜いて過ごす日もありました。
幼馴染には、そのことを話していましたが、ある時、脱色クリームで腕の毛を脱色しているのを見た幼馴染が「昆虫みたいじゃん!」と爆笑。
わたしも一緒に笑っていましたが、その頃にはわたしにとってムダ毛は立派なコンプレックスとなっていました。言われた相手が幼馴染でなければ、もっともっと深く傷ついていたとおもいます。
母もムダ毛が多く、若い頃子供から「お姉さんの足って、どうして男みたいなの?」と言われてとても傷ついたことがあったそうです。
ですから、わたしの悩みにも親身になってくれていたのが救いでした。母と一緒に色んな脱毛器具を試しては肌を痛め、足も腕もボロボロでした。毎日毎日剃るか抜くかを繰り返して、どうにか思春期を過ごしていきました。

社会人になってもなくならないコンプレックス

悩む女性
社会人になって一番困ったのは、彼氏ができてからです。
社会人になるとお泊りもするようになりましたが、わたしのムダ毛は、夜剃っても翌朝はチクチクし始めるくらいの強者。お泊りで夜はどうにか誤魔化せても、翌朝は引っ付いて眠ることもできないのです。
会う時間によっては、処理できない時もあったので、彼氏にバレないように夜処理するのですが、急いで剃ることで流血して焦ったことが何度もあります。
あっけらかんと話せる人もいるのでしょうけれど、わたしはそういう話を彼にすることもできませんでした。わたしにとっては、明るく話せる程軽いコンプレックスではなかったのです。
ムダ毛のことを気にして、どんなに好きな相手でも長く一緒に居ることが苦痛に感じられるのです。
それは友達にも言えることで、旅行やスパなどに行くこともできませんでした。1泊程度ならいいのですが、長期の旅行などは全く行く気になれなかったのです。
十数年前に岩盤浴が流行った時期があったのですが、それにも本当に気心知れた人としかいけませんでした。仲の良い友達であっても、不意に足を見られたりすることが、嫌で嫌でしょうがなかったのです。

こんなにやっても無駄だった

ラベンダー
最初に処理をし始めた時は、上記に書いたように剃る・抜く・脱毛ムースやクリームが主な処理方法でした。ただ、肌を痛めますし何より手間がかかる。
当時は、サロンで脱毛をしようとすると数十万円という金額が必要でした。そんな金額は出せなかったので、自宅で処理するものを購入していましたが、総額を考えると数十万円いっていたかもしれません。
豆乳パイナップルがいいと話題になれば作って試し、自宅レーザーが良いと通販で売っていれば購入、永久脱毛と謳っているものには、怪しいものでも見境なく飛びつきました。
しかし、どれも効果はありませんでした。一番効果があったのは、器具を使って広範囲で毛を抜くものでした。ただ、それをすると抜いた毛穴が炎症し赤く腫れるので、しばらくは誰にも見せられないような足や腕になります。
その後も、かゆくなったり炎症がひかない部分があり、赤いポツポツが残るので、ムダ毛で見苦しいか?炎症で見苦しいか?どちらかを選択しなくてはけないような状態でした。何万円かけても、わたしのムダ毛地獄からはずっと抜け出せませんでした。

友達がブライダルエステに行ったのを機に

コンプレックスを抱えたまま結婚。結婚してからも、旦那さんにもその悩みを言えないまま、こっそりと処理する毎日でした。このまま、一生こうしてムダ毛と付き合っていかなくてはいけないと、自然と受け入れている部分もありました。
そんな時、とても仲の良い友人が結婚するのを機に、エステで全身脱毛をすることにしたと教えてくれました。
当時で100万円超えの金額で、自分はムリだと諦めたのですが、友人が脇の脱毛だけだと1万円しないと教えてくれたので、お試しの意味で脇の脱毛をしてみました。脇は、2~3回通っただけで薄く生えにくくなり、処理が格段と楽になりました。
それを経験してしまうと、やはり足と腕のムダ毛も気になってきます。そのサロンの人に相談し、カウンセリングを受け、ヒザ下のみの6回施術で9万円ちょっとのローンを組みました。もちろん旦那さんには内緒です。
脱毛に通うこと数か月、わたしは徐々に足のムダ毛の悩みから解放され始めました。剃った翌日の朝でも、チクチクしない安心感。
何より自己処理が減ったので、肌がきれいになってきました。こんなことなら、もっと早くしていればよかったとおもいました。そしてその脱毛は、その後妊娠した時に大きく影響してくることになりました。
何度かエステで脱毛した頃、わたしの妊娠が分かりました。妊娠したらエステをしばらく休まないといけないということで、脱毛は中断。ただ、その時にはもう毛質もずいぶん変わって、毎日の処理は必要なくなっていました。

妊娠・出産で分かった、ムダ毛のない足のありがたさ

嬉しい
妊娠すると、ムダ毛を処理することが、とても辛くなってきました。大きくなったお腹を抱えて、体を屈めて足の毛を剃るという姿勢が、少しの時間でも苦痛になってくるのです。
その頃には、1週間に2~3回処理する程度で良くなっていたので、エステに行ったことを本当に感謝しました。これが、以前の剛毛だったら・・・と考えると恐ろしい。
妊娠すると肌も敏感になってくるので、恐らく処理した後は今まで以上に肌がボロボロになっていたでしょう。そんな悩みを抱えることもなく、わたしはお腹の赤ちゃんに集中することができました。
出産時、わたしは帝王切開になってしまったので、術後数日動けずにいました。この動けない数日でも、以前なら剛毛で足は絶対に人に見せられない状態になっていたこととおもいます。
旦那さんが、むくんだ足をマッサージしてくれたのも、以前なら全力で拒否したでしょう。それが、穏やかな気持ちで足を見せられるようになりました。

幸せからどん底へ

その後は、ラクチンになったムダ毛にかまけて、エステにもいかず結婚生活と育児に追われる毎日でした。
育児中も、自分に使える時間が減ったので、毎日ムダ毛処理が必要だったら・・・とおもうこともしばしば。ただ、そんな結婚生活も、10年目を迎えるあたりで破局を迎えました。
原因は、旦那さんの女性問題です。わたしは、これまで化粧もせず女を忘れていたことを反省しました。それと同時に、旦那さんの両親と同居しており、その苦痛もあったことから思い切って離婚へ踏み切りました。
旦那さんは、最後まで戻りたいということはなく、わたしはシングルマザーになったのです。
そうなると、これからもしかしたら他の男性とお付き合いすることもあるかもしれない・・・と考え始めました。結婚で油断しきっていた自分を見て、これは何かしなくては!と最初に始めたのが全身脱毛でした。
もう、今では20万円もせずに全身脱毛ができるので、わたしは離婚に背中を押され全身脱毛へ踏み切ったのです。

生まれて初めて言われた言葉

喜ぶ女性
全身脱毛を始めると、比較的薄かった腕などのムダ毛は、すぐに生えにくくなり肌もキレイになってきました。仕事で、若い男の子に腕を触られることがあったのですが(変な仕事ではありません)、その時初めて「お姉さんの肌、ツルツルですね!」と純粋に驚かれました。
それは、わたしが人生で初めて言われた言葉でした。ムダ毛処理でガサガサ・ブツブツになった肌を隠しながら生きてきた30数年。全身脱毛をして初めて人に肌がきれいだと言われたのです。以前なら、男の人に仕事とはいえ腕を見せることもなかったでしょう。
その後も、付き合った男性に「足がスベスベで気持ちいい!」と言われ、脱毛のありがたさを実感しました。コンプレックスを抱えて、毎日ムダ毛と戦っていた当時の自分なら考えられなかったことです。
わたしは、エステでの脱毛を進めたいわけではありません。ただ、整形などにもおもうのですが、もしコンプレックスが少々のお金で解決できるのであれば、絶対に選択肢に入れた方がいいとおもうのです。
大きなコンプレックスを持たない人は、そのままがいいなどと言うかもしれませんが、そのコンプレックスで自分らしさを失っているとしたら、それはとてももったいないとおもいます。
written by Arteyes
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