努力しても伸び悩む身長……。
コンプレックス解決メディア「NICOLY(ニコリー)」
努力しても伸び悩む身長……。
努力しても伸び悩む身長……。
となれば薬の力を借りたくなるのが人間の心情。ですが、身長を伸ばす薬なんてあるのでしょうか?
もちろん低身長障害を発症している場合には、医師による適切な治療のもと薬が処方されます。では、原因が病気ではない場合はどうしたらいいのでしょう。
そこで、身長を伸ばす薬(と言われているもの)の効果について調べました。
身長の低さに悩んでいる人なら喉から手が出るほど手に入れたい「身長を伸ばす薬」。
実は、身長を伸ばす薬と言われている医薬品は実際に存在します。そのいくつかを見てみましょう。
軟骨細胞の受容体に作用し、骨を伸長させることにより、成長を促すくすりです。
成長ホルモンの不足によるより引き起こされる症状を改善してくれます。
成人成長ホルモン分泌不全の治療に用いられる薬。
下垂体前葉ホルモンのひとつである成長ホルモン。
身体成長促進作用があるといわれています。
下垂体前葉ホルモンのひとつである成長ホルモン。
成長を促進する作用があるといわれています。
ここであげたすべての医薬品は、ホルモン剤として成長ホルモン分泌不全性低身長症の人に処方されます。
ただ、医師から処方されるのは「低身長症」と診断された場合のみ。
病気が原因ではない場合には、入手することができません。
では、市販でも売られている成長ホルモンの分泌を促進するサプリ等には、上記の薬と同様の効果が見込めるのでしょうか?
その点については「日本小児内分泌学会」が代表的な「アルギニン」について以下のような見解を示しています。
アルギニンはたしかに成長ホルモン分泌刺激試験の薬として用いられています。
しかし、分泌刺激試験で用いる場合は、体重1キロあたり0.5グラムという量を30分間で直接血管内に点滴で投与します。
たとえば体重30キロの子どもであれば15グラムを投与するわけです。
一方、現在サプリメントとして販売されているアルギニン製剤は、多くの場合に200ミリグラム~2グラムの錠剤で、内服薬です。
その全部が吸収されて血中に移行したとしても分泌刺激試験の10分の1ぐらいの量となり、全部がそのまま吸収されないことや代謝などを考えると、血中のアルギニン濃度はわずかな上昇に留まるのではないかと考えられます。
従って、サプリメントの服用で成長ホルモンの分泌が促進するとは考えられません。
参考:日本小児内分泌学会
また、成長ホルモン剤としてスプレー状のものがありますが、そちらについても効果がないとしています。
中には身長を伸ばす薬として、大げさな効果をうたった商品もありますが、惑わされないように気を付けましょう。
一方で、テレビやネット上の口コミで話題となっているのが「酔い止めの薬」に身長を伸ばす効果があるのではないかということ。
そのなかに入っている成分「メクリジン」が身長を伸ばす薬と言えるのではないかと注目されています。
メクリジンは抗ヒスタミン薬の一種。
長時間の移動が必要な旅行などでお世話になった人もいるかもしれません。
この薬に身長を伸ばす効果を発見したのは名古屋大大学院医学系研究科の鬼頭浩史准教授(整形外科学)らのグループです。
教授らは骨の伸長促進作用があることを突き止め、2013年に米オンライン科学誌プロスワンで発表したそうです。
ただし、まだ動物への試験段階で、人間にとっての身長を伸ばす薬となりうるのかはわかりません。
その段階で自らの判断のみで酔い止めの薬を飲むことはおすすめできませんが、今後の研究開発に期待はできそうですね。
なお、このメクリジンの副作用としては「眠気を起こす」というものがあるので、酔い止めとして服用する場合にも運転には気をつけましょう。
残念ながら、今はまだ「飲めば身長が伸びる」といった魔法のような身長を伸ばす薬は世の中には存在していません。
でもさまざまな研究が進むにつれ、新しい身長を伸ばす薬が開発される可能性もあります。
あきらめきれない気持ちはありますが、それまでは食事や睡眠、運動、ゆがみの改善等、地道な努力が一番の近道となりそうですね。
written by n.hananoko