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暇さえあれば体を動かす。
なんだ、意外と楽しいものだ!と思ったのも束の間、体を動かすことによってお腹が空き、間食が増えるという悪循環が始まりました。
結局、運動で体重が減ることはありませんでした。
次に私が始めたのは、「食べない」ダイエット。
いわゆる炭水化物などを食べず、食物繊維がたっぷり含まれる野菜などを中心に食べる食事療法です。
しかし、これも食べ盛りの女の子にとっては過酷な話で、3日ほどでギブアップしてしまいました。
恐怖の摂食障害の始まり
そんなある日ふとテレビをつけると、芸能人が摂食障害の体験談を話していました。
その芸能人は、過食嘔吐を10年以上繰り返していましたが、精神科への通院をきっかけに摂食障害を克服していました。
しかしこの番組との出会いが、私をその先10年近く苦しめることになる摂食障害の始まりだとは、この時は思ってもいませんでした。
恐ろしいことにこんな病気があるとも知らず、この病気の怖さも知らなかった私の頭には「食べたら吐けばいい」という情報だけが残ってしまったのです。
ちょうど食事を終えたばかりだった私は、ひとまずトイレに行き、手の指を喉の奥の方まで突っ込んでみることにしました。 「おえっ……」という声とともに、何かこみ上げてくるものを感じましたが、それまでほとんど嘔吐経験がなかった私にはその感覚がどういう状態なのか、イマイチ分かりませんでした。
しかし、その行為を3回ほど続けると、先ほど食べたばかりの食事が嘔吐物として出てきたではありませんか。
そしてこれを5回ほど繰り返すと、胃の中が空っぽになったのか、嘔吐物がなくなり、なぜかスッキリした感覚が残りました。
これが過食嘔吐の始まりでした。
「好きなだけ食べて、吐けばいい。そうすれば、食べていないことと同じ。これで体重も増えることはないだろう」
そういう結論に達した私は、それから毎回ご飯をきっちり食べ、食べ終わったらトイレに行って吐き出すという行為を繰り返したのです。
しかし、この考えには誤算がありました。
やはり、食べたものを吐き出しているので、ある程度時間が経つとお腹が空くのです。
それがちょうど、夜寝る前の時間と重なりました。今度は空腹によって眠ることができなくなったのです。
そこで私は、両親が寝静まった夜中の0時過ぎに台所へ行き、炊飯器に残っていた白いご飯を食べたり、買い置きしてあるおやつをこっそり食べたりするようになりました。
そしてもちろん、食べ終わった後は嘔吐を繰り返すのです。
そんなこんなで、私の体重は増えることはありませんでしたが、減ることもありませんでした。
過食嘔吐に加えて、悪夢の下剤の乱用
体重が減らなければ意味がない、そう考えるようになるまであまり時間はかかりませんでした。
なぜなら元々の目標は、アニメのような細い足の女子高生になることだったからです。
そんな時インターネットで、過食嘔吐の人が陥りやすい症状の1つとして下剤の乱用が挙げられるという記事を読みました。
この方法は過食嘔吐した後、それでも胃に残っている食べ物をいち早く下から出してしまおうという安易な考えから生まれた危険な行為だったのです。
実際に下剤を使用することによって、便の出は良くなりますが、それがダイエットに繋がるかといえば、そうではありません。
しかし、摂食障害に陥っている人からすると、体内に食べ物が少しでも残っていることが許せないといった思いが働き、下剤を利用する人が多いということが書かれていました。
そして恐ろしいことに、下剤は長く使用し続けることによって効果が薄れてしまうため、結果として決められた使用量を大幅に上回ってしまう量の下剤を服用してしまう人が多いということも書かれていました。