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熱い『ハイビーム論争』。都会の人は熱くならなくていいよ。
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熱い『ハイビーム論争』。都会の人は熱くならなくていいよ。

2016-09-22 22:00

     ハイビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」 

    の報道をきっかけに始まった『ハイビーム論争』。毎回薄々感じてましたけど、今回もものすごい熱量で
    す。

     私も以前都心に住んでてたまにレンタカーしてたので実感しますが、都会だとハイビームにする場面がありません。

     ですから、本来はハイビームと言われても、「いやするとこないやろ」と思うでしょう。しかも、街中は街灯や周囲の灯りでハイビームにしなくても十分歩行者を認識できます。

     ですから、この問題の中心は地方なんだと思います。

     実際上の記事でも
    日本自動車連盟(JAF)の実験では、5人のドライバーが夜間に障害物のあるコースを時速80キロで走行したところ、障害物に気付いて停止できた場所は、100メートル先まで照らせるハイビームが平均82メートル手前だったのに対し、ロービームは平均5メートル手前だった。
     という実験が示されています。都会の街中を想定しているものではありません。地方のど中心地を少し離れた、でもそこそこ広く信号もほとんどない道がイメージされます。

     暗い道ではそもそもハイビームでないと道がどこにあるのかよくわかりません。田舎だけでなく、地方でも街灯がなくわずかに民家の灯りしかないようなところでもです。知ってる道だからといってロービームでは、たまにしか出現しないレアな歩行者に気づくのは簡単ではありません。私はごく近所に「おまえこの道ロービームで走るとかブレイブだな」と思う道を具体的に思い浮かべることができます。

     この問題の中心は地方なんです。

     ですから、都会の人は「ふ〜ん」ととりあえずスルーしておけばいいと思います。日本のすべてのニュースが都会に関係があるわけではないのです。

     都会でも暗い道ではどんどんハイビームにすればいいと思いますが、今は都会に住んでるわけではないので、私がとやかく言う問題ではありません。

     ちなみに、地方に住んでると、歩いてると「わざわざ」ハイビームにされて「眩しいわ!!」とか思いますが、自分もたまたまロービームであれっ?と思ってハイビームにすることはありますし、もちろんその後ロービームに戻すようにはしてますが、要は安全確認であって、ハイビームにされてイラっとするけど、轢かれるよりははるかにマシです。

     ましてや、今回これだけ大々的に報道され、警察も重点的に強化するというのですから、都会の方も暗い道では積極的につければいいのではないかと思います。眩しいのがとても苦手な人もいますので、人がいるとわかれば早めに下げるのも必要だとは思いますが。

     ちなみに、前回も書きましたが、お高い車にはそういうのを避けるヘッドライトも出てきていますので、未来では自動化される話です(その次には自動運転になってしまいますが)。



     今回「横断死亡96%が『下向き』」と言われると、即座に「いやもともと下向きにしてる人が多いから当たり前やろ」というツッコミが溢れました。確かにもし98%の人が下向きにしているのなら、むしろ下向きにしている方が横断死亡を起こしにくいということになります。

     なので、古いデータではあるものの、ロービームにしてる人は86%という統計があったので、それを紹介したのが前回の記事です。

     [S] 『下向き』は10倍危険!!!! 〜「横断死亡96%が『下向き』」を読み解く〜  

     もちろんこれも完全ではありません。先に示したようなむしろ上向きの方が危険ではないかという可能性を消した程度の話かもしれません。

     たとえば、都会や地方の街中など歩行者も多くロービーム100%の地域で、横断死亡が沢山起きているということが考えられます。

     仮にハイビームとロービームで横断死亡事故を起こす割合に差がない場合を考えます。
     そして街中地域では100%ロービームとして、それ以外の地域では86%とします。
     するとロービーム86%の地域では、ハイビームでの事故数9件から逆算して、ハイビーム・ロービーム合わせると64件になります(9 ÷ 14% × 86% + 9 = 64)。
     全625件のうち、のこり561件が街中地域で起こっていることになります。

     これが真実なのか、あるいはハイビームの方が何倍か安全で、それにしたがって、街中・それ以外で起こる横断死亡の割合がもっと違うのか、それは私が今持っている情報ではわかりません。

     でも仮に、全625件のうち561件が全員ロービームの街中地域で起こっているのだとしたら、警察は「21日から始まる秋の全国交通安全運動の重点項目としてハイビーム使用を呼びかける」ことはしません。

     だって現場知ってるのですから、それだったら街中の事故防止が多い!と感じて、そういうデータを取って示していくわけじゃないですか。今回もそもそも、(街中以外での)ロービームの事故が多いという知見があったから、わざわざ関連データをとって、今回重点項目にする「根拠」にしたわけです。私の示した561件は極端にしろ、今はハイビーム奨励の方が効果があると踏んでいるのです。

     ただ、その「根拠」がずさんだっただけで・・・・・。

     で、繰り返しですが、都会の人はこのずさんさにそんなに目くじら立てることないと思います。都会で運転している分には、変わらないと感じるのはよくあることだと思います。

     でも暗い道ではがんがんつければいいと思うし、遠出した時には積極的にハイビームがいいと思います。とにかく人間は「レアキャラ」でいることの方が少ないですから、知らない道でロービームだと気づくことはできません。相手が酔っ払ってたら何があるかわかりません。遠出した時に、軽快に切り替えられるよう、都会でも練習しておいた方がいいとは思います。

     なーんて議論も、早く自動で対向車を照らさないヘッドライトが普及して、消えてしまうのが一番ですが。

    (この記事は休日22日に公開しますので、明日23日はお休みです)

    《ワンポイントミライ》(

    ミライ: こういう隠れた都会・地方議論って、炎上しがちですよね。

    フツクロウ: ホウじゃのう。まあ、本当に都会でロービーム問題がないかもわからんがの。

    ミライ: あー、そうですね。そういう意味でも、もうちょっと細やかな発表が必要ですよね。
     
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