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原子力の人材確保のドアがこじ開けられた日
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原子力の人材確保のドアがこじ開けられた日

2017-05-01 22:45

     現実は予想よりはるかに力強く動いていきます。

     高専卒20歳の新人、探査ロボで挑む廃炉40年の闘い  :日本経済新聞 
     市井さんがこの道を選んだ理由はただ1つ。「福島第1原子力発電所で起きた未曽有の事故に伴う廃炉作業に従事すること」。富山高専にはJAEAからの求人はなかったが自ら行動して、この道をこじ開けた。
     年々安くなるどころか高くなる原子力発電技術はジリ貧で、人材が集まらなくなっていることが問題になっています。

     しかし、ミラフツでは4年以上も前から、その流れは変わるとしていました。

     【勝手に楽観シリーズ:4】原発ゼロを決めても、原子力の安全を支える人材を確保する簡単な方法

     脱原発の第一歩が始まった  

     ポイントは目標を廃炉に転換することです。廃炉は使命もはっきりしていて、しかも絶対に食いっぱぐれません。放射能は消えてなくなりはしませんから。さらに、当面は問題も山積み。無数のイノベーションを必要としています。

     職業としては理想的なのです。

     ですから、廃炉の人材集まれと方針を決めさえすれば、人材確保に困ることはないでしょう。

     ですが、市井さんが就職した日本原子力研究開発機構は、まだ原子力発電の看板は下ろしていません。そりゃそうでしょう。ミラフツでもまだ先のことだろうな〜と思っていました。

     が、逆に「廃炉に携わりたい」とその扉をこじ開けちゃった人が現れたのです。

     日本原子力研究開発機構も諸手をあげて喜んでいるように見えます。実際廃炉は困難な課題を抱えていますから、廃炉希望の人材も歓迎なのでしょう。でも、市井さんを新社会人代表に抜擢したのは、この組織が実は廃炉に重点をおきたいというメッセージのように見えます。

     東芝を始め、日本の原発関連企業は明らかに逃げ腰ですし、この機構もそんな態度が見えてきたことになります。以前の記事でも取り上げたように、大学も廃炉で人材確保を目指し始めています。

     組織たちはそうやって一歩一歩脱原発に向けて進んでいるのですが、若者たちは待ってられないのですね。

     今後彼女の姿を見て、志望者が増えることでしょう。仮に、そういう人を配置転換で原発側にしようとしたら、大きな社会問題になるかもしれません。少なくとも今回の記事をみる限り機構もその方向を望んでいるようですし、そんなことはないことを願いますが、あまりに廃炉希望者が増えたら、一悶着ある可能性もありますね。

     組織が変わるのを待たずに廃炉希望者が道を拓いていく、社会はかくも力強い適応能力を持っているのです。


    《ワンポイントミライ》(

    ミライ: この瞬間、「廃炉」を目指すなら、大学や大学院に進むのが普通だと思うんですけど、そんなのすっ飛ばしてるあたりが、かっこいいです。

    フツクロウ: ホッホ。
     
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