話題沸騰の女子マネおにぎり騒動。真打ち小田嶋 隆さんがコメントされました。

 女子マネはおにぎりを握るべきか 

 高校野球はブラック企業体質そのもので、先の大戦でも精神論が横行するブラック企業体質のために負けた。このままではいつか戦争になったときにまた負けるぞ!と小田嶋節炸裂です。オススメです。

 女子マネおにぎり騒動、今まで話題にする気にならなかったのですが、小田嶋さんの記事に刺激されました。

 女子マネおにぎりはこれからもなくならないし、別にそれで問題ないことを「未来の普通」のキーワード「持続性」で説明してみようと思います。

 先の大戦で日本軍は精神論を振りかざすもまともな補給をせず多くの餓死者を出したそうです。それは現代のブラック企業体質そのものであるとも言われます。これらは現代そして未来のキーワード「持続性」を全く無視した体制であり、立ち行かなくなっています。戦争ではそんな組織では勝てませんでしたし、時代が加速している今、ブラックな企業もあっという間に破綻するリスクを抱えるようになりました。(そう言う意味でブラック企業は今大きな社会問題になっていますが、放っておいても今後あっという間に淘汰されると考えられます)

 さて、小田嶋さんは今回この話を引き合いに出していますが、高校生が相手では話が変わります。それは、もともと若い人はがむしゃらにやることは普通だからです。高校野球のように大人が密接に関わっていると話が見えにくいですが、大人がいなくても、たとえばバンド組んでその練習に365日没頭することだってあります。大人の社会にブラック企業があろうがなかろうが、若者は没頭するのです。春日部共栄三宅麻未さんだって、甲子園敗退後、これからは勉強と言ってたそうで、これからは昼夜問わず勉強でしょう。

 また、一つ勘違いしてはいけないのは、今回の春日部共栄が精神論だけで勝ち上がったとは限らないということです。女子マネも含めみんな野球に没頭していましたが、その内容は緻密なデータ野球だってしているかもしれません。他の部分はまったく報道されてないだけです。
 まともに補給せず餓死した日本軍とは違って、おにぎりで選手の補給はばっちりだし(苦笑)、結果全国ベスト32という輝かしい成果をあげています。根性だけで来たわけがありません。無様な日本軍と比べるのは変です。

 つまり、没頭の仕方には巧拙があり、下手な時は成果は上がらないけど、若い人は没頭すること自体は大人がとやかく言おうが止められるものではありません。
 もちろん、大人が過度の要求を強要してはいけません。先のバンドの例のように子供だけの場合も、誰かが誰かを強要し過ぎて参加させていれば問題でしょう。それは程度の問題であり、没頭そのものが否定されるわけではありません。

 大人の世界だって、短期決戦のベンチャー事業であれば、休日なしで働き続けることもあります。持続性が必要ない場面であれば、やりたい人は没頭すればいいのです。

 そもそも、プロ野球より下手な高校野球がそれでも魅力的なのは限られたチャンスしかない短期決戦だからです。大学受験や司法試験なども同様に短期決戦で、これらのアプローチが、持続型事業のアプローチと違うのは当然です。

 一方で、女子マネがベンチに入ることは少し前からあったにもかかわらず、今回これだけ話題になったことで、マスコミが新たなコンテンツを発見したことになります。こういう風に報道すれば受けると分かったのです。

 ですから、これは当分続くでしょう。過熱するかもしれません。全チームのベンチ入りしそうな女子マネとそれぞれの美談があらかじめ調査され試合に向けて報道され、全国の若者たちがどのマネージャがかわいいと盛り上がるのです。どのチームだって女子マネだけで勝ち進んでいるわけはありませんが、高校野球のサイドストーリーとして、重要なコンテンツになっていくかもしれません。

 ここで見られるのは、視聴者は単にそういうコンテンツが好きということです。この高校はこういうスマートな練習法を取れ入れることで効率よく技術をあげてきたとかそんなことより、女子マネおにぎりで力付けましたっていう話を聞きたいのです。

 これこそは、まさに男女関わらず記録員がベンチ入りできるようになった結果です。昔は女性がベンチに入るとか考えられませんでしたから、