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沖縄の未来を開くリアリズム - 第212号(2013年5月30日号)
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沖縄の未来を開くリアリズム - 第212号(2013年5月30日号)

2013-05-30 14:55
    『NEWSを疑え!』第212号(2013年5月30日号)

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    【価格】1,000円/月(購読料のうち半分は、研究所の活動に対する維持会費とお考えいただき、ご理解をいただければ幸いに存じます。) 
    【最新発行日】2013/5/30
    【発行周期】毎週月曜日、木曜日 

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    【今回の目次】 
    ◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye) 
    ◇◆沖縄の未来を開くリアリズム
    ◆問題解決には「日本国沖縄県」の道しかない
    ◆前提は「日米安保」の活用だ
    ◆日本国民全体で負担を分かち合うには
    ◎セキュリティ・アイ(Security Eye) 
    ・シリア内戦が化学兵器使用のハードルを下げる?
    (静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之) 
    ◎ミリタリー・アイ(Military Eye) 
    ・日本の敵地攻撃能力が中国の長距離地対空ミサイルを抑止する(西恭之) 
    ◎編集後記 
    ・情報活動を理解していない日本版NSCの議論

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    ◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
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    ◇◆沖縄の未来を開くリアリズム

    国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川 和久

    Q:2013年4月28日は、1951(昭和27)年9月に結んだサンフランシスコ講和条約の発効から満61年目となる日でした。第2次安倍内閣は、この日を「主権回復の日」と定めて、東京・憲政記念館で記念式典を開きました。これに対して沖縄では、4月28日は「屈辱の日」であるとして抗議大会が開かれるなどしました。小川さんの考えを聞かせてください。

    小川:「私は、沖縄の人びとが4月28日を『屈辱の日』と位置づけていることに、大きな疑問を感じています。私は普天間移設問題をはじめ、沖縄の基地負担をできるかぎり小さくする取り組みを一貫して続けてきました。そんな立場からも、あえて『疑問だ』と言わざるをえません」

    「私は1992年5月15日の沖縄復帰20周年の日、朝日新聞の特集記事の冒頭に署名記事を書いたわけです。沖縄県民に対するアンケート調査の結果をもとに、『20年の歳月を経て、沖縄県民の意識は成熟した』といったことを書いたのを憶えています。その『沖縄県民の成熟』とは本物だったのか、米軍基地問題の現状を見るにつけ、問い直さざるを得ない思いです」

    「61年前の1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効したとき、日本と連合国との間の『戦争状態』が終わって、連合国は日本国の主権を承認しました(第1条a項とb項)。ただし、同条約の第3条で、日本国は北緯29度以南の南西諸島(琉球諸島・大東諸島など)、孀婦岩より南の南方諸島(小笠原諸島など)、沖ノ鳥島、南鳥島をアメリカ合衆国の信託統治領とする同国の提案に同意する、とされました。これは沖縄の切り捨てだ、だから4月28日は沖縄にとって屈辱の日だ、というのが沖縄の主張ですね」

    【資料:日本国との平和条約(昭和27年条約第5号)】 
    第三条 日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

    「しかし、独立を回復した当時の日本国あるいは日本政府に、ほかにできることがあったと思うのですか、と私は問いたい。死者310万人を出し、主要都市を空襲で焼かれ、原爆を2発落とされまでして、ようやく敗戦を認めた日本が、足かけ7年をかけて占領状態を終わらせた。そんな敗戦国が、沖縄も含めてすべての地域の主権をいっぺんに回復したいと思っても、できるはずがなかった。これは歴史的な事実として受け止めるほかありません」

    「当時の日本政府は、沖縄を喜んでアメリカに差し出したわけではない。そうする以外に方法がなかったのだから、4月28日は、むしろ日本政府にとって、そして日本国民にとっての屈辱の日でしょう。それなのに沖縄は、日本政府ができることをやらなかったかのような言い方で、自分たちを見捨てたではないか、と抗議している。そんな夢物語をいまだに口にするような体質だから、米軍基地の負担軽減もできないのだ、とあえて言いたいと思います」
     
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