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『NEWSを疑え!』第220号(2013年6月27日号)
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【価格】1,000円/月(購読料のうち半分は、研究所の活動に対する維持会費とお考えいただき、ご理解をいただければ幸いに存じます。)
【発行日】2013/6/27
【発行周期】毎週月曜日、木曜日
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【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆これが中国の軍事行動を読むツボだ
◆「政治将校」という「もう一人の指揮官」
◆「2人の指揮官」が「共謀」したことも
◆ロシア「10月政変」の時、戦車部隊は
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・来年末まで望めない?アフガン和平交渉
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・実態と矛盾するオバマの核軍縮演説(西恭之)
◎編集後記
・ハトヤマさんと一緒じゃなくてよかった…
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◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
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◇◆これが中国の軍事行動を読むツボだ
国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川 和久
Q:2013年1月30日、海上自衛隊の護衛艦が東シナ海で、中国海軍のフリゲート艦から火器管制レーダーを照射されるという事件が発生しました。今回は、この事件の「読み方」を教えてください。
小川:「まず、事件の経過をざっと説明しておきましょう。1月30日午前10時頃、海上自衛隊第3護衛隊群第7護衛隊に所属する護衛艦『ゆうだち』(満載排水量6100トン)が尖閣諸島の北120キロの東シナ海で、中国人民解放軍海軍に所属する江衛II型フリゲート艦『連雲港』(満載排水量2400トン)から火器管制レーダー(射撃管制用レーダー)を照射されました。これは『こちらは、おまえの船に狙いをつけたぞ』という意志表示ですから、護衛艦では緊張が走りました。ただちに回避措置、つまり針路を変えてフリゲート艦から距離をとったはずです」
「日本政府は2月5日夜、小野寺五典防衛大臣が緊急記者会見を開いて事件について発表。また、1月19日午後5時頃にも東シナ海で、海上自衛隊第2護衛隊群第6護衛隊に所属する護衛艦『おおなみ』(満載排水量6300トン)搭載の哨戒ヘリコプターSH-60が、中国海軍所属のジャンカイI級フリゲート『温州』(満載排水量3900トン)から火器管制レーダーを照射された疑いがあることも発表。外務省は中国政府に厳重抗議しました」
「発表の翌6日、中国側は外務省報道官が『詳細はわからない。関係部門に聞いてほしい。報道で知った』と、ちょっとあわてながら答えましたが、8日には『日本のでっちあげ』と強弁。その後、中国軍の複数の高級幹部が日本のマスコミ取材に対して、攻撃用の射撃管制レーダーを照射したことを認めるという経過をたどりました」
「レーダー照射事件だけ切り取って眺めると、これはケンカを売っている、要するに戦争を仕掛けるような危険な行為で、『模擬攻撃』と呼ばれます。不測の事態になりかねないので、海上自衛隊とロシア海軍は1993年、模擬攻撃をしないという覚え書きを交わしたほどです」
「5月12日深夜には、国籍不明の潜水艦が沖縄・久米島南の日本の接続水域を潜ったまま東に航行するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認しました。レーダー照射も潜水艦の接近もそうですが、この種の軍事的な行動が起こると、日本では、中国軍の第一線が暴走した、背景には中国人民解放軍と中国共産党の権力闘争がある、中国で軍部強硬派が台頭している、といった話ばかりが騒ぎ立てられますね。しかし、私はもっと冷静で整理されたとらえ方をしなければならない、と考えています。日中関係の流れ全体を見渡して、その文脈で考えると、違った見え方があるからです」
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