『NEWSを疑え!』第375号(2015年3月2日特別号)

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【発行日】2015/3/2
【発行周期】毎週月曜日、木曜日
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【今回の目次】 
◎テクノ・アイ(Techno Eye) 
・護衛艦の精密誘導砲弾で離島防衛を強化 
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之) 
◎編集後記 
・今回は読売に軍配(小川和久)
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◎テクノ・アイ(Techno Eye) 
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・護衛艦の精密誘導砲弾で離島防衛を強化

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 米陸軍・海兵隊などの155ミリ榴弾・M982エクスカリバーは、安定翼を開いて弾道の頂点から滑空し、最大40キロ先の目標の数メートル以内に、慣性・GPS誘導によって垂直に着弾する。

 日本と欧米諸国はこの技術を水上戦闘艦の127ミリ砲弾に応用し、地上部隊に対する火力支援能力を強化するための取り組みを進めている。日本の離島が侵攻された場合、敵勢力が持ち込んだレーダーの覆域の外から護衛艦が敵を精密に砲撃できるなら、離島侵攻に対する抑止力は大きく高まるに違いない。

 エクスカリバーの誘導部分は米国のレイセオン社、本体はスウェーデンのBAEシステムズ・ボフォース社が開発した。慣性(加速度)を測るレーザージャイロ(ハネウェル社のHG1930ガンハード)は、重力加速度の2万倍の加速にも耐える。

 エクスカリバーは発射直後に尾部の安定翼8枚を開いて、尾部の空気抵抗を減らす。その後、滑空用の安定翼4枚を開いて、弾道に沿って落下する場合よりも遠くへ滑空し、目標の上空で方向を真下に転換して落下する。

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エクスカリバー誘導砲弾の不活性弾(米陸軍作図)

 精密に誘導され、垂直に落下するエクスカリバー砲弾は、谷間の目標や、無誘導砲弾であれば民間人を巻き添えにする危険がある市街地の目標も砲撃することができる。米軍は味方から150メートルしか離れていない敵も、エクスカリバーで砲撃している。