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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「ドナルド・トランプが提唱する「ポストファクト」とは?」

2017-02-15 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/02/15

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2017/01/22配信「西野亮廣炎上と、大型ビジュアル本特集」の内容をご紹介します。
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    2017/01/22の内容一覧

    ドナルド・トランプが提唱する「ポストファクト」とは?

     モーリー・ロバートソンという人がいますよね。ニコ生もやってますし、『ユアタイム』というフジテレビのニュース番組の解説をしている、アメリカ生まれ広島育ちの愉快なおじさんです。
     その人が、『週刊プレイボーイ』の連載で「ポストファクト主義」という言葉を使っています。ポストファクトというのは、モーリー・ロバートソンが作った言葉ではなくて、ドナルド・トランプ自身が言ってる言葉なんですよ。
     「もうこの世界にファクトはないんだ、この世界にあるのは、オピニオンだけだ」。つまり、この世界の真実・事実というものはもはや意味がなくて、そこにあるのは「意見の相違」だけなんだということです。
     僕らは「世界には疑いようのないファクトがある」と考えがちですが、トランプは「ファクトとは20世紀の思想」であると考えている。数学や物理現象のようなファクトは存在するけど、国際問題とか社会問題、経済問題などいわゆる社会的な人間関係から生み出されるものに関してファクトは存在しないというわけです。
     人間に関してファクトがあるとしたら「その人はまだ生きているか死んでいるか?」くらいでしょう。だけど、「その人は本当はどうしたかったのか?」ということに関してファクトはもはや存在しない。ファクトはあくまで「ファクトがある」という思想にすぎず、そういう思想よりも今はオピニオンがメインになっているし、みんなオピニオンしか信じられない、というですね。
     これはドナルド・トランプの大変先進的な思想であると思うし、僕自身もわりと同意するところなんですね。「そう思いますよ」という本を僕自身も20年以上前に書いてますから(笑)。

     モーリー・ロバートソンさんは、このトランプの考え方に対して「この社会は『ポストファクト社会』になっている。だからこそ、本当はどうなのかという『ファクトチェック』が大事だ」と主張します。
     トランプの演説を聞いた場合も、「そうなのか」とか、「あ、トランプの意見はそうだな」とやり過ごさず、トランプが出した数字などについても1つ1つ「本当にそうなのかどうか」をきっちりと検証していく。それがマスコミの役割だというのが、モーリーさんの考えなんですね。
     そういうモーリーさんの考えに対して、僕は「意味はわかる。言っていることはよくわかる。気持ちもよくわかる。インテリさんはそう考える。でももう、それは無駄だ」と思うんです。ポストファクト時代だからこそファクトチェックが大事というのはわかるんだけど。
     今はファクトチェックといった考え方が通用しなくなってきた。今回のキングコング西野君の炎上事件は、この視点から見ることができると思うんだよね。
     今から、僕があまり語りたくない政治的な例え話をします。キングコングの西野の炎上というどうでもいい問題を語るために、しょうがなく話すんだから、「あまり本気に聞くな」と先に言っとくよ(笑)。
     例えば、「従軍慰安婦像問題」があるよね。韓国が日本の領事館の前に従軍慰安婦像を勝手に作った。そうしたら、日本政府が怒って「もういい加減にしろ!」と領事を引き上げさせた。たぶん大多数の日本のマスコミは、「よくやった!」、「ざまあみろ!」という論調になっているんだよね。
     僕が毎週土曜日に出演している『正義のミカタ』という、ほぼネトウヨ番組みたいな番組があるんだ(笑)。その番組に出た時、「岡田さんはどう思いますか?」と聞かれて、「クレバーだけども悪手だ」というふうに答えたんだよ。これはまあ、僕の意見ね。
     クレバーというのは、「確かにこれは効き目がある。安倍首相はクレバーだよね」という意味です。ただ、「手としては下手だよね」と。
     なぜかというと、事件の起きる前、2015年末に日韓合意があったでしょ。あの時に、実は「日韓合意に賛成する」という韓国人は50%もいたんだよ。ところが今、その数は25%を割っていると。つまり、合意に賛成する人がいきなり半分くらいになってしまったんだ。
     「こうやって相手の国民感情を逆なでするというのは、どうだろう?」と、僕なんかは思うんだよね。
     もちろんこれに関しても、「いや、そんなんもん、韓国の政府と韓国の市民に問題があるんじゃないか! 韓国国民をこれまで散々焚きつけて、従軍慰安婦ぅ~!とか言って大騒ぎすることで国内の問題をなんとかやり過ごしてきた韓国の政府の野郎のケツを、なんで日本人が拭かなきゃいけないんだ!?」という意見は、もう、よくわかる。

     よくわかる! よくよくわかる! よくわかる!よ。

     ただ、僕ら日本人だって、沖縄基地問題という微妙な問題を抱えているわけだよ(笑)。日本人からすると、あれは日本国政府と沖縄県の一部の人がグチャグチャ揉めているように見えるんだけど、そんなことはたぶん外国のマスコミの人にはわからないよね。

    (続きはアーカイブサイトで)

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