岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/02/19
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/01/22配信「西野亮廣炎上と、大型ビジュアル本特集」の内容をご紹介します。
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2017/01/22の内容一覧
- キンコン西野は絵本を無料で公開したのになぜ炎上したのか?
- ドナルド・トランプが提唱する「ポストファクト」とは?
- キンコン西野炎上の影に岡田斗司夫あり
- 紙の本はもう終わりなのか?
- 1万円以上する『ジ・アート・オブ・シンゴジラ』は買いか?
- 樋口真嗣の悲鳴のようなインタビュー
- 庵野秀明が語った『シン・ゴジラ』のテーマ
- 金をかけなきゃ価値ある情報は手に入らない
- 映画は現場のモノ~庵野秀明がわがままに生み出した名作
- 設計にはこだわらず、撮りたいものを撮りたいだけ撮る
- ミニチュアを使わなかった、庵野秀明の特撮論とは?
- レゴの新製品『Women of NASA』
- 続々レゴで商品化される、活躍した女性シリーズ
- NASAを支えた天才メガネっ娘マーガレット・ハミルトン
- アメリカAmazonアカウント取得のススメ
- 1冊にすべてが入ったスーパー図鑑『ピクチャーペディア』
- 謎の需要に応えてバカ売れ『マップス: 新・世界図絵』
- 世界史を見開きで解説『世界史MAPS』
- 難しいことをシンプルに説明する、究極の説明本『ホワット・イズ・ディス?』
- 1冊だけ大型本を買うなら、どれにする?
NASAを支えた天才メガネっ娘マーガレット・ハミルトン
ちょっと話が横にそれるんだけども、さっきの天才メガネっ娘、マーガレット・ハミルトンについての本はまだ出ていないんだ。
彼女は今まであんまり注目されてなかったんだよね。NASAで働いていた人はみんな「ああ、マーガレットね」って知ってるんだけど、一般的にはほんとに知名度が低かった人なので。やっと今年くらいに絵本が出るそうなんで、そうしたら僕が買ってここに持ってくるよ。
彼女が10年くらい前に語ったインタビューを読んだことがある。
「当時、私にとっての“プログラミング”とは、パンチカードに穴をあけて、山積みされたファイルを一晩かけてバッチ処理し、それをアポロ月宇宙船の中にあった動きをシミュレーションする巨大なハネウェル社製のメインフレームコンピュータに投入する作業を指していました」
ここに写っているのがなにかというと、そのプログラムリストなんだよね、こんな巨大なプログラムリストをいちいちパンチカードに打ち込んで、それをハネウェル社製のメインフレームコンピュータにぶち込んで動かしていた。「宇宙船が飛び立つ前に、すべてをシミュレーションする必要がありました」だそうだよ。
一度プログラムがコンピュータに設定されたら、次はどうなるのかというと、近所にあるレイセオン社という会社の作業場に送られる。そこでは「小柄なおばさん」というあだ名がついている熟練の女性の縫製師、いわゆる針作業・縫物作業をしている人がたくさん雇われていた。
ここで何をやっているのかというと、フェライトでできた磁気リングに、電線を巻いているんだね。当時はRAMディスクとか、フロッピーディスクがなかった。コンピュータのメモリは……「磁気コアメモリ」といって、磁石の小さいリングの中にこう編み込まれていたんだ。
一応、パネルも用意したんだけども。現物はこれね。これが磁気コアメモリなんだけども。これ、全部それぞれがフェライトなんだよ。
こういうふうに、垂直に交わっているワイヤーが「駆動線」と呼ばれていた。X軸の駆動ワイヤーとY軸の駆動ワイヤーに電流が流れることで、フェライトに磁界が発生し、それを斜めに走っているリードと呼ばれる電線で読み込むんだよ。
原理はこれだよね。(パネル)XYの駆動軸に電流を流すと、交差部分のフェライトコアが極化される。縦軸に0.5の電力を流し、横軸にも0.5の電力を流す。そうすると両方に流れている部分にのみ、1.0、つまり磁界を形成されるだけの電力が流れることになるので、このフェライトは磁化される。こうやって、0と1の2進法のデータを表現したわけだ。
実際のサイズがどんなもんかというと、これが電卓1個分のコアメモリね。びっちりあって、これ人間の手の中に入るんだよ。
すごいよね。フェライトのコアっていうのは、そこそこ大きいように見えるじゃん? でも、実際は、この黒いやつがゴマ粒くらいに小さくて、それを顕微鏡みたいなもので見ながらコイルに電線を巻いて、それをモーターでちょっと回転させて……ということをひたすら続けるんだって。
レイセオン社は、縫物をやってるおばちゃんを大量に雇って、そういう装置をアポロ計画のために作っていたそうだよ。
世界初のソフトウェアエンジニアのお姉さん(マーガレット)が一生懸命プログラムを組み、それをレイセオン社にいる縫物専門のおばさんたちが、ガーッと磁気コアメモリに編み込んでいく。いわゆるプログラミングが、編み作業だった時代だよね。
「女が作っていた宇宙計画」の面白さだよ。
僕たちは、『ライトスタッフ』なんかの映画を見てきたから、男の世界の宇宙計画はわかるんだけど。その裏には、ヒラリー大統領が誕生するはずだったからこそ明るみに出た、「実は女が作っていた宇宙計画」というのがあった。
(続きはアーカイブサイトで)
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