岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/03/03
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/01/29配信「早い者勝ち!SFマンガはこれを読め」の内容をご紹介します。
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2017/01/29の内容一覧
- 今日のテーマ「SFマンガ読もう」「2017年のSF映画」
- 追い込まれたモーリー・ロバートソンの面白さ
- オフ回で会った「盛りすぎ」な人妻
- 実写を超えるアニメの力、二次元の力
- SFマンガを読んでる人と読んでない人とでは発想が違う
- 侵略ロボットSFの最高峰『砲神エグザクソン』
- ひたすらロジカルに積んでいく“銃×魔法”の世界『ブレッド・ザ・ウィザード』
- 「地に足のついた技術」のリアリティ『ルサルカは還らない』
- 「わかりやすい説明」を描かない『攻殻機動隊』
- 岡田斗司夫の講演映像ベスト回を紹介
- 深田君と作った「カンフー映画」で文化祭がパニックに
- ヒーローロボットに魔法を組み込んだ『混沌世界ボルドー』
- 少女マンガのノリで描く本格スペースオペラ『トラブル急行』
- 全裸の女の子が出てくるハードSF『ハニハニハッ! 』
- この映画がすごいよ2017
- もう期待しかない『宇宙戦艦ヤマト2202』
- なにもかもがデカい『キングコング:髑髏島の巨神』
- 言いにくいような話をガンガンぶっ込む『レゴバットマン ザ・ムービー』
- 残念なハリウッド版『攻殻機動隊』
- がっかり予感の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
- 地味なSF、でも期待している『メッセージ』
- 「なんじゃこれ」だけど泣けて燃える予感の『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
- じいさんと中年男、幼い女の子3人のSFロードムービー『ローガン』
- 新しい要素が見えない『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』
- 「もういいや」なティーンムービー『パワーレンジャー』
- 「スーパーヒーローになりたい中学生」、Zガンダム感のある『スパイダーマン:ホームカミング』
- 絵だけは見どころ? 『トランスフォーマー/最後の騎士王』
- リドリー・スコットの『2001年宇宙の旅』かもしれない『エイリアン:コヴェナント』
- 地味すぎる? 『ダンケルク』
- 「ブレランじゃない……」の『ブレード・ランナー2049』
- ワクワクがない『猿の惑星:大戦記』
- 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、アニメ版『GODZILLA』
- 『ロッキー』になった『カーズ3』
- 次回はゲスト山田玲司先生との対談「漫画のドラマ化はなぜダメか」
- DMMサロンで井上寿一さんの講義『教養としての昭和史』
- メルマガ専用『岡田斗司夫アーカイブ』を作ってみました
ヒーローロボットに魔法を組み込んだ『混沌世界ボルドー』
さっきの表放送は、このままYouTubeにアップされるから 「昔、YouTubeで公開したものを、もう一回YouTubeで上げる」という不思議なことをすることになるよね(笑)。
じゃあ、後半、行きましょうか。
あのね、『混沌世界ボルドー』っていうマンガがあります。市川裕文君という人が描いた作品で。
これ、実は表紙が復刊ドットコムのやつなんですね。幸いにして、昔バンダイから出た本なんだけども、復刊ドットコムが復刊してくれたので。まあ、高いんですけども、今でも読めるようになりました。
市川博文君は『トランスフォーマー』のデザイナーとしても知られている人なんだけども。
彼が描いた『混沌世界ボルドー』っていうのは、月の裏側にある剣と魔法の世界っていうのを描いているんだけども。それがなんでSFなのかっていうと、そこでは“魔法とロボットを融合してる”んだよね。
これがページのひとつなんだけども、魔法を全く理解しない地球人側と、魔法が使える民族とのロボット戦闘が描いてある。
この四角の枠に入っているのが、地球人側のコンピューターの声なんだ。地球人側のロボットに搭載されているコンピューターは 「なぜ敵のロボットが強いのかっていうと、魔法力が使えるからだ」と言ってる。
でも、地球人のこのパイロットは信じていないんだ。「魔法なんていうものはイカサマであって、あれはいくつかの“分化した科学”に過ぎない。分化した科学のことをあいつらはよくわかっていないから魔法とよんでいるだけだ。そんなイカサマにのるもんか」と言って、戦うんだけども。
でも、コンピューターはそうじゃないと言う。「いいえ閣下、重力制御は特殊な技術を必要としません。この腕のなかに仕組まれている小型のモーターをご覧ください」と言う。
パイロットが「この腕のモーターというのは、そのために作っているのか?」と聞くと、「いいえ、違います。腕のモーターは単なるブースターにすぎません。ラマ教のマニとよく似ています」ということで。
ラマ教のマニって知ってるかな? よくネパールとか行ったら、クルクル回す呪文が書いた筒みたいなのがあるよね。旅人とかが、歩きながら手で触ったりして、クルクル回してるんだけども。「あれを回すと、1回お経を読むのと同じご利益がある」というふうに言われてるんだ。
そのマニ筒がロボットの腕のなかに仕組まれていて 「これが高速回転することによって、呪文詠唱効果と同じ効力を発揮する」という、なんかね、科学とテクノロジーと魔法とを上手く組み合わせるやつなんだよね。
これがやっぱり、トランスフォーマー的なロボット世界にすごく合ってるんだよ。
「じゃあ、このモーターで動くマニ筒が増幅装置だとしたら、魔力そのものっていうのは、なんなのか?」ってパイロットが聞くと、「魔法っていうのは意志の力である」とコンピューターは言うんだよね。
「意志の力であり、魔法というのを信じ切れるかどうかです。故に、自立意志を持ったコンピューターこそがもっとも優れた魔力装置なのです」ということで。この搭載コンピューターが「我々にも魔法が使えるんですよ」って、パイロットを説得してるシーンとかがあるんだけどさ。
なんかね、こういうセリフのやりとりがまず面白い。あとは、この完全なヒーローロボットものの外見というのが、いわゆる“タカラトミー系列”って言うのかな? いわゆる勇者ロボットシリーズと、見た目はすごく同じなんだけども、描いてる中身がすごく違う。ここらへんもSFマンガの面白いところだよね。
全2巻しかないんだけども、お話も「地球人側も魔法は信じないんだけども、キリスト教を信じていて、キリスト教を信じているからこそ、12使徒砲が使える」とか、後のエヴァのほうに用語とかがいっぱい盗られるような世界を創っていて、めちゃくちゃ面白いよ。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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