岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/06/08

おはよう! 岡田斗司夫です。

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今日は岡田斗司夫のゼミ室通信をお届けします。
DMMオンラインサロンの岡田斗司夫ゼミ室では月に1回オフ会があり、ここで質問や相談を受け付けています。

今回はDMMオンラインサロンの5月のオフ会で出た質問を紹介します。

【質問】テレビアニメ版『デビルマン』についてのコメントは?

質問者:
 私は昔、テレビでやっていたアニメのデビルマンが好きなんです。
 なので、その作品に対して岡田さんのコメントをいただけますでしょうか?

【回答】シナリオライターがグチった、不遇な作品

 『デビルマン』って、徳間書店が出している設定資料本に、辻 真先(つじ まさき)というメインのシナリオライターの人が、すごいグチを書いてるんですよ。
 デビルマンって、連載が決まるとほぼ同時にアニメが進行したんです。
 そして辻真先がシナリオライターとして参加して渡された資料には、単行本1巻の『悪魔誕生編』しか話がなかった。一年間52話分を作る時に、その1巻だけを見て「こんな話だろう」と思って進めるしかなかったらしいんです。

 なので「あんな最終回になるんだったら、もっと飛鳥了をフューチャーしたよ」と。

 1巻を読んだだけだと、飛鳥了は死んだように見えるんですね。なのでテレビアニメ版には、不動明の親友の飛鳥了というのは出てこないんですよ。
 飛鳥了は人類滅亡を防ぐために、親友の不動明と2人でデビルマンになるつもりだった。
 この原作版の設定を、辻真先は捨ててしまったんですね。
 これをアニメに入れると、ややこしくなるから。

 それで原作版のデビルマンのものすごいクライマックスを見て、辻真先は「ちょっとまって、話が違うよ!」と。
 「こうなるんだったら、俺もちゃんと飛鳥了を描いたよ」と。
 「俺だって、こんな原作みたいな大きな流れの話をやりたかったよ」という。
 そんなグチが書いてある、子供向けの設定資料集があるんですよ(笑)。

 主題歌は凄く良いのに、当時の東映のアニメシステムの弱点が出てた。
 原作の漫画があった場合、「こう展開すればいいだろうな」という見込みの甘さがマイナスになっちゃった作品だと思います。
 テレビアニメのデビルマンは、『8時だョ!全員集合』の裏番組だったんですね。
 なので、何をやっても勝てないんですよ。

 その意味でも不遇の作品だったなぁと思います。

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