岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/06/21
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/06/04配信「niconicoの未来を本気で予測! ゲスト:ニコ生の黒幕(?)S田氏」の内容をご紹介します。
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2017/06/04の内容一覧
- ニコ生7周年特典について
- 映画『ローガン』は、アメコミスーパーヒーローものにとっての『まどマギ』
- 『HUNTER×HUNTER』ヨークシン編
- 全力で戦ったら死ぬ法則
- S田さんと語るニコ生の未来
- ニコ生の優れているところ
- ひろゆきのニコニコ批判
- ニコニコ漫画でしか見られないのにものすごい盛り上がりの『とっても優しいあまえちゃん!』
- ニコ生主の持つ構造的な欠陥
- ニコニコの最大の敵はYouTubeではなくAmazon
- ニコニコを救うのはユーザーコメント?
- ドワンゴはだいたいいつも5年早い
- 失敗した海外展開
- ニュースに対してのコメントをウリにするNewsPicks
- 『あまえちゃん』や『エロマンガ先生』、『けものフレンズ』はオタクにとっての合法ドラック
ニコニコの最大の敵はYouTubeではなくAmazon
岡田:俺ね、ニコニコが真のピンチを迎えるのはいつかというと、「いずれ来る、Amazonが個人のチャンネル運営をやりだした時」だと思うんだ。
実は、YouTubeは怖くないんだよ。なぜかというと、YouTubeというのは「広告収入」で食ってる場所だから。つまり「映画館とテレビ」みたいな関係なんだよ。
YouTube、Googleっていうのはテレビ。それに対して、ニコニコっていうのは本質的にプレミアム会員とか課金とかが売り上げになっている「映画館」じゃん? 実は違うものなんだ。でも、そういう意味ではAmazonって同業者なんだよ。
最近、Amazonは書籍というのを「書類」と言い換えて、いろんな書類まで売り出してるじゃん。
同じように、「Amazonが、あなたのカメラで撮ったものを、世界中に配信して、それを見た人数や契約者数によって、配当を渡します」みたいなことってさ、現在のAmazonのシステムをちょっといじったら、あっという間にできてしまうよね。
だって、ジャスティン・ビーバーがAmazonでニコ生みたいなことを始めたら、もう最後じゃん(笑)。世界中で2億人くらいが課金登録しちゃうよな。
助田:岡田先生、おっしゃる通りです。
Amazonはめっちゃ怖いと思いますし、さらに言うと、Amazonは今までの電子書籍読み放題とかのユーザー参入の事例を見る限り、「切る時にはすぐに切る」んですよ。ロボット的に、機械的に切っていくんですね。それって、読めないじゃないですか。
だから、僕も今までドワンゴでいろんな番組企画をやってきた中で出会った生主さんとかゲーム実況さんにも、「ニコニコだけじゃなく、YouTubeに動画を投稿しても全然いいですよ」と。「それで多くの人に認知されるんだった、それが一番いい」とか、話すんですけども。でも、「Amazonは怖いよ!」ってことは言うんです。
なぜかというと、もしAmazonがそういうサービスを始めたとして、第1段階として、中堅クラスの実況者とかを並べると思うんです。だからといって、ここでAmazonに行ってしまったら、第2段階として超大物のジャスティン・ビーバーとかが来たとかになったら「じゃあ、あなた達はもう用なしなんで、切りますね」って、あっという間に切っていくんですよ。
だから、僕はAmazonに行くことだけは薦められないですね。Amazonはそういうところがちょっと怖いんですよ! Amazonさんとも取引がすげえあるから、あんまりこういうことは言えないけど、怖い!
岡田:Amazonが生主たちに声を掛けだしたら、その時はもう、歌舞伎座ビルから去る時だよね(笑)。
助田:本当に怖いですよ。
いや、怖いと言っても、僕と付き合いのあるAmazonの日高君とかを怖いと思ってるわけじゃなくて、日高君の上司の上司の上司の「本国にいる人」が怖いって言ってるんですね。ホントに怖い。
日高くん、「岡田斗司夫ゼミが好きだ」って言ってたから、もしかしたらこの放送を見てるかもしれないですけど。
岡田:評価経済の話をすると、評価経済には基本的に原理原則っていうのがあってさ、「前の時代では貴族とか偉い人の特権だったものが大衆に解放されること」だと思っているんだよ。
YouTubeにしてもニコニコにしても何がすごいのかっていうと、昔は知識人とか有名人とかタレントの特権だった「不特定多数の人に自分の意見を言う」とか「自分の表現物を見せる」っていうのが、YouTuberとかニコニコという形式で一斉に解放されちゃった。かつてだったら、「超有名人」みたいな貴族的なポジションの人のものでしかなかったことが、一般の人に解放されてしまった。
さっきも言ったようにAmazonというのは、本だけでなく書類とかも扱うようになっている。だから、映像コンテンツだけでなくてユーザー配信も扱うようになるのも時間の問題で。そうなっちゃったら、広告収入はYouTube、課金配信はAmazonという棲み分けが出来てしまうよね。
まあ、5年後ということはないだろうけどもさ。10年以内くらいにそういうふうなこともありそうだから、そうなっちゃったら、すごいシンドいなと。
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