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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『スター・ウォーズ』を大ヒットさせたのは、天才フィルム編集者だった妻のマーシャ」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『スター・ウォーズ』を大ヒットさせたのは、天才フィルム編集者だった妻のマーシャ」

2017-07-26 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/07/26

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2017/07/09配信「『ナイツ&マジック』が面白い!&「E.P.B.O.T」アーカイブ完成」の内容をご紹介します。
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    2017/07/09の内容一覧

    ジョージ・ルーカスの妻マーシャは、天才フィルム編集者

     プロデューサーが、監督とか編集とかカメラとかキャスティングディレクターとかデザイナーを雇ってきて作るのが映画なんですよ。
     例えば、これは堺さんが言ってた編集に関する話なんですけど、「もう本当にね、カリフォルニアに行って映画を学んできてわかったのは、映画っていうのは監督が作ると思ってるんだけど、違うんです! 映画っていうのは、編集が作るんですよ!」ってすごい熱く語ってたんですね。

     堺さんが留学した南カリフォルニア大学で、1969年のアポロ着陸の年に、1組のカップルが誕生したんですよね。結婚したんです。

    (パネルを見せる。一組の男女のモノクロ写真)

     これがジョージ・ルーカスとマーシャ・グリフィンという女の人です。ジョージ・ルーカスは映画監督なんですけど、マーシャ・グリフィン、後に彼のお嫁さんになってマーシャ・ルーカスになる人なんですけど、この人はフィルム編集者だったんですね。
     この編集者が、もう本当に超天才で。口下手で何が作りたいのかわからなかったジョージ・ルーカスの作りたいものを本人と同じくらい……というよりも、本人よりよくわかってしまって、ルーカスが「こことここを繋いでくれ」って言ったら、「ダメよ! そんな映画はつまらない。」と言って、勝手にバンバン切って繋げちゃうんですね。
     ルーカスは、ストーリーを順に繋いでいくくらいしか思いつかなかったのに、「いや、違う。ここにダース・ベイダーを入れた方がいい」とか、「ここにはハン・ソロが追いかけ回されるシーンで、ここにストームトルーパーが急にバックしてきて、ハン・ソロがまた逃げるシーンを入れた方がいい」って、全部マーシャが勝手に決めて、ジョキジョキ切っていったんです。超名作と言われるスター・ウォーズの『新たなる希望』、『帝国の逆襲』、『ジェダイの復讐』という3部作は、全部この奥さんが一人で編集して、夫の言うことを聞かずに、ジョキジョキ切って作っちゃったんですよね。
     ヒット作が全然なかったジョージ・ルーカスに『アメリカン・グラフィティ』という映画を作らせたのも彼女です。この作品もマーシャがジョキジョキ切ってですね、ルーカスの友達の中で一番早くアカデミー賞のノミネートを受けました。『スター・ウォーズ』ってSF映画だから、やっぱりアカデミー賞は特殊効果賞くらいしかとれないんですけども。この賞が取れる一般映画であるアメリカン・グラフィティで、ルーカスもスピルバーグもキャメロンもなかなか取れなかったアカデミー賞の編集賞を、マーシャ・ルーカスだけがいち早く取っちゃうんですね。それくらい天才なお姉さんだったんですけども。

     この人がやっているのが「編集」なんですね。
     つまり、監督が撮ってきたものを、「はい。わかりました。ありがとうございます」と言って、単なる「素材」として見る。そして、「じゃあ、この映画をどういうリズムで作るのか?」とか、「このシーンを前に持ってこよう」ということを決めるんです。
     例えば、ジョージ・ルーカスが、「スター・ウォーズの一番最初のシーンは、砂漠にいるルーク・スカイウォーカー少年が空を見上げていると、空の上の方で宇宙船が戦争をしているのが見える。なんだと思って目を凝らすと、2機の宇宙戦艦が追いかけっこをしているというシーンから始まる」と言ったら、「そこいらない!」と言ってジョキーンっと切って、いきなり真っ暗な宇宙空間からガーッと宇宙船が来るところから始まることになったんですね。
     ジョージ・ルーカスが「これで観客にわかるの?」って聞くと、「大丈夫! わかるわ!」って言うんですね(笑)。だけど、ルーカスにはマーシャのやったことがやっぱりどうやっても信用できなくて、スター・ウォーズの公開日にはハワイに逃げて、スティーブン・スピルバーグと2人で浜辺に座って、「スティーブン……」って不安そうに彼の手を握ってたら、後ろからすっげえ長い電話線を走らせながら受話器を持ったホテルのボーイが近づいてきて、「ルーカス様ですかあ? ハリウッドから電話です!」ってふうに言って。こわごわと受話器を取ると、プロデューサーから「めちゃくちゃヒットしてる!!」って言われて、ジョージ・ルーカスは涙を流して「バンザーイ!」と言うというエピソードがあるんですけども(笑)。
     それくらい、ジョージ・ルーカスは自分が作った素材には圧倒的なビジョンがあるんだけども、自分が作った映画がどれくらい面白いかはよくわからなかったんですね。それはなぜかというと、マーシャが編集しちゃってたからなんですよね。「マーシャが編集してたから、実は自分の映画ではなかった」と言うのかな? 自分の映画でないということはないんですけども、さっきコメントで「ジョージ・ルーカスの中の人」というのがあったんですけど、本当にその通りですね。ジョージ・ルーカスの中の人だったんですよ。
     そうやって、ダラダラしていたストーリーの順番を入れ替えてキビキビした面白い話に作り替えたのがマーシャ・ルーカスなんです。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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