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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「ペットショップで売れ残った動物はどうなるのか?」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「ペットショップで売れ残った動物はどうなるのか?」

2017-08-04 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/08/04

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2017/07/09配信「『ナイツ&マジック』が面白い!&「E.P.B.O.T」アーカイブ完成」の内容をご紹介します。
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    2017/07/09の内容一覧

    ペットショップで売れ残った動物はどうなるのか?

     じゃあ、自由主義、保守主義、合理主義の3つを、「ペットショップで売れ残った犬や猫はどうなるのか?」を例に取って考えてみたいと思います。

     ご存知の方も多いと思うんですけども、ペットショップで犬とか猫とかが売れるのはせいぜい生後6ヶ月くらいまでなんですね。6ヶ月を過ぎちゃうと、あんまり子犬とか子猫の状態じゃなくなって、あんまりかわいくなくなっちゃうので、売れなくなるんですよ。
     売れなくなったらどうするのかというと……まあ、一番いいのは「そのペットショップの人が飼う」とか、「飼い主を見つける」みたいなことなんですけど、なかなkそういうわけにはいかない。
     いろんな人がコメントでも「ドッグフードにされる」とか「殺処分」とか書いてるんですけど。これ、「3年前までは」そうだったんですよ。3年前までは、ペットショップで子犬とか子猫が大きくなりすぎると、保健所に頼んで殺処分、いわゆるガスで殺すということをやってもらってお店がすごく多かったんですよね。
     ところが、3年前に動物愛護法という前からあった法律が改正されたんですね。それも、法律の条文の中には、「殺処分がなくなることを目指す」ということまで明記されているくらいの法律に変わったんですよ。なので、実はそれから、保健所は売れ残ったペットの処理を引き受けてくれなくなったんですよ。

     でも、みなさんもご存知の通り、ペットショップはどんどん増えてますよね?
     それも、ペットを飼う人っていうのは、例えば昔だったら「ネズミ取るために猫を飼う」とか、「番犬として犬を飼う」だったところから、今はどんどん「かわいいから飼う」とか、「子供の代わりに飼う」とか、「子供が欲しいと言っているから飼う」とか「愛玩動物」としての飼い方が多くなってくる。おまけに、みんな小さい子犬の状態で欲しいから、「ちょっとでも大きくなったら飼いたくない」というふうなことになってしまう。こんな状況の中でペットショップだけはどんどん増え続けているから、この問題というのも、実は重くなっているくらいなんですね。
     保健所が「殺処分はしない」と言っているのに、ペットショップは増えていく。そこで売られるペットというのも「大量生産」されている。なので、本来ならば「大量廃棄」をしなければどうにもいけない状態なんです。

     ということで、この前ニュースでやっていて、僕もYouTubeでそれを見たんですけども、「引き取り業者」というのが現れたんですね。
     引き取り業者というのは、大きくなっちゃったペットを1頭あたり1万円から3万円くらいの値段で引き取るんです。でも、殺しはしないんですよね。そうじゃなくて「飼い殺しにする」と言うのかな? ものすごい小さい檻の中に入れて、食糧と水はちゃんとあげるんですけど、爪も伸びっぱなしで、病気になってもほとんどそのまま。もう本当に、動物たちが長生きすればするほど、引き取り屋さんは損をするわけですから。
     だけど、「早く死ねばいい!」とか言うほど酷くもないのがまた困ったもんなんですよ。つまり、明らかに「悪いヤツ」が、「ペットショップさん、困ってるでしょ? 余った犬猫を引き取ってあげますよ。えげつない環境の中で、早く犬とか猫が死ぬようにしむけますよ」というのではないんです。
     そこまでの悪党はいなくて、「いやあ、ペットショップさん、お困りでしょう? 引き取りますよ。なんとかギリギリまで生かしておきますよ。……え? これ以上もっと、散歩させたいですか? もっと広い檻に入れたい、爪とか切ってあげたい、医者に連れて行きたいですか? じゃあ誰がその金を出してくれるんですか!?」というような話になって、もう解決策がまったく見えない状況なんですね。
     どこかに悪者がいれば、もうちょっと解決というか、心の持って行き様があるんだけども。「これ、下手したら悪者いねえんじゃねえのか?」というか、「一番の嫌われ役をやってくれる人、さっき言った引き取り業者がいるから、まあそいつを嫌っていればいい」みたいな話になっちゃうんですね。

     じゃあ、ペットの大量生産を辞めさせればいいのかと言ったら、それではたぶん、供給不足になって一時的に値段がガーッと上がるだけだし、法律で規制すればいいかというと、ペットを飼うことが難しくなって、それなりの土地とそれなりの家の広さがあるお金持ちだけしか飼えなくなっちゃうわけですよね。
     あるいは、6ヶ月を過ぎて可愛くなくなったペットは安売りすればいいのかというと、すでに引き取り業者に1頭1万円から3万円という金を渡して引き取ってもらっているくらいの状態ですから、いくら安くしてもどうにもならない。
     つまり、世の中には「かわいいペットを飼いたい」という人間が多くて、それに関して自省的な人は少ないんです。こういうテレビのドキュメンタリー番組を見て「心が痛い。そんなことヤダ!」って思っている人は、最初からペットを飼わないような人ばっかりなんですよ。で、そんな番組は見なくて、なんか飲んだ後で「この犬 かわいぃ~♪」「じゃあ、俺が買ってやるよ!」みたいなバカが山ほど買うわけですよ。
     つまり、よく言われるですね「ヤンキーばっかりの町には子供が多く、教育や収入の高い家庭には子供が少ない」のと同じですね。何にも考えないヤツはボコボコ子供を産んで、物を考えるヤツは子供を産み止まって、結局は「少子化環境で生まれてくる子供というのは家庭環境に難がある場合が非常に多い」みたいな状態になっていくわけですね。
     まあ、裏放送ですから、ガンガン言うんですけども(笑)。

    「先生、ひどい」(コメント)

     そうですね、俺が楽しそうに話しているのがいけないかもしれないんですけども。

     たぶん、みんな「良心的な引き取り業者」というのを望んでいるんですよ。
     例えば、「そこそこ健康的にペットを引き取ってくれて、かわいがりそうな人」。ちょっとでも広い所に住まわせてくれそうな良心的な人を望んでいると思うんですけども。
     でも、まあ、そういう人が現れたとしたらね、いずれそういう人たちは「クラウドファンディング」でお金を集め出すんですね。「殺処分ゼロにしたいから支援してください!」とか、「私は殺処分ゼロにしたくてペットを引き取りました! でも、こんな環境しか与えられません! ……かわいそうでしょう? だから、お金を出してください!」というような流れになるに決まっているんですね。
     いや、「いずれ」ではなく、すでに、それと似たような流れになっています。例えば、神奈川県動物保護センターや、ティアハイム熊本とか広島など、いろんなところで、「動物引き取り業者にかわいそうなことさせるな! 私たちがこういうふうな所を作ったから、みなさん支援してください! 500万円集まりました!」みたいなことをやっているところがありますね。

     今、言ったこの熊本とか神奈川とか広島の施設は、すごく真面目なところなんですよ。本当に動物を愛するが故にやっているんですけど、動物を愛するが故にやればやるほどドツボにハマるのがわかるわけですね。
     なぜって、動物を愛するがためにそういう「受け皿」を作ると、もっと今まで以上に、バカが「じゃあ、そこに引き取ってもらえばいいじゃんか!」とか言って犬猫を飼い出すし、そんなバカにかわいい犬猫を飼わせるために、ペットショップは山のように犬猫を仕入れる。ブリーダーは山のように作る。ということで、結局は溢れる動物の数は減らないということになる。
     なにより、本気で動物のためにやっている人もいれば、逆にそれを見て「これ、儲かるみたいだし、うちはもっと効率的にやろう!」と言って、わざわざ動物にとってかわいそうな環境を作るヤツも出てくるだろう。そうやって、かわいそうな環境をアピールすればするだけ支援者が増えるというですね、変なバランスがでてきてしまうんです。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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