岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/07/31

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2016/08/14配信「新『ゴーストバスターズ』と、本気で怖い傑作ホラー映画、進化論と心霊研究の関係」の内容をご紹介します。
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2016/08/14の内容一覧

ホラー映画版『ウォーリーをさがせ』な『イット・フォローズ』

 『イット・フォローズ』は、自分にしか見えなくて、歩いて来る誰かですね。それが自分を殺しに来るんですけども、これを誰かにうつさないと、つまり呪われてる自分を誰かにうつさないと死ぬっていう。

 ちょっとねえ90年代の都市伝説ブームっぽい話なんですね。で、別名セックス版『リング』っていうふうに言われてましてですね。呪いかけられたら、セックスすると呪いにかかるんです。
 で、それを誰か他のやつとセックスしたらそいつの呪いがうつせるから、セックスしなきゃいけないっていう、一見聞いたらそれイスラエル製のポルノ映画じゃねえの、イスラエルにはこういう青春エッチ系のコメディ映画みたいなんが山ほどあるんですけれども、僕、最初に設定聞いた時はそれはイスラエルのエッチ映画じゃねえのって思ったんですけどもですね。
 ところがこれがめっちゃくちゃ怖いんですよ。
 たぶん、僕が今まで見た映画の中で、一番怖いんじゃないかなあっていうのが『イット・フォローズ』です。
 最初は郊外の一軒家から始まるんですよね。郊外の一軒家で決して裕福じゃないような家から女の子がものすごい勢いで飛び出して来て、お父さんが止めるのも聞かずに車に乗ってバーっと運転しだすんですね。
 で、その女の子の表情とか見えないんですけども、夕方の街をファーっと走って行って、公園を突き抜けて、だれもいない森に行って、周りが見渡せる場所にど真ん中に車を停めて、エンジンを切るんですね。
 そこで泣いてたら、そしたら何かが現れて、その女の子は殺されてしまうんだろうなっていうところから始まります。
 で、この段階ではもう全然分かんないんですよ。
 なんでその女の子が家から急に飛び出すのか。だって家の中のほうが安全じゃないですか。お父さんもいるんだからですね。
 なのに一人になって、自動車で飛び出して、真っ直ぐどこかに走って行って、公園の中かを突っ切って、森の中の何も無い野っ原、木もない野っ原のど真ん中に車を停めて泣いているっていうの。何が起こっているのかよく分かんないんですけども。
 そっからお話が始まります。

(中略)

 すごい手際が良い説明が出来ているので、こっから2時間ぐらい、めちゃくちゃ怖いです。何が怖いのかっていうか、ちょっと面白い言い方になっちゃうんですけども、ホラー映画版『ウォーリーをさがせ』なんですよ。
 とりあえず街中に人がいっぱいいて、どれかがそれなんですけども、分かんないんですよ。なので、『ウォーリーをさがせ』みたいに、こいつじゃねえかなって。
 だから見てる時の主人公ジェイの気持ちがもう本当に不安でいっぱいなのが、映画見てる人にも共有できるんですね。で、途中でそれを友達に打ち明けて、友達がそれを信じてくれて、何人かの友達と、たとえば浜辺に逃げたりしたら、浜辺だったら浜辺から向こうからゆっくりやって来るやつが見えたりして、他にやつには見えないっていうのが分かったり。
 そいつが暴れたら、他の人間と戦うこともできる。逆に言えば、なんにもないのに急にドンと突き飛ばされたら、それはそいつにぶつかられたというふうなことだということで、他の人間と衝突する場合もあるとかですね。
 あと、ある程度ダメージを与えると、たとえば銃を撃つ、みたいにすると数秒間はそいつは止まっているけども、また動き出すとか、いろんなことが分かりながらお話が段々進んでいきます。
 で、途中でジェイはもう言われていた方法、彼氏がいるからそんなことしたくないんだけども、しょうがなく行きずりの男とセックスして、そいつにうつすことに成功するんです。
 そしたらもうジェイのところには来なくなったんですけども、でも数日するとうつした男が、そのジェイの元に現れてゆっくりと近付いて来ることになるんですよ。
 ということはたぶん、捕まってしまって、で、つぎはジェイを狙いだしたということなんですね。
 で、ジェイは元彼氏のヒュー、ヒューっていうのも全部偽名で、じつは教えてくれた住所も全部嘘だったんですけども、なんとかいるところを掴めて、これどういう仕組みになってんのってことで、ヒューも自分が知ってる乏しい知識から一生懸命説明して、全員で乗り越え方を考えて、ついに映画の中に出てくるオタク青年みたいなやつが「乗り越え方これだ!」みたいなものを考えついたりするんですけども。
 ラストに至るまで本当に予測のつかないどんでん返しの連続で、めちゃくちゃ面白いです。

 見るときは、夜はやめたほうがいい。僕、映画館で最終回で見て帰り、後悔しましたから、ちょっと昼間に見たほうがいいかなあっていう。

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