岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/09/15
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/08/20配信「みなもと太郎先生に教わる『マンガの歴史』」の内容をご紹介します。
岡田斗司夫アーカイブチャンネルの会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。
(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ」、「岡田斗司夫 独演・講義チャンネル」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
2017/08/20の内容一覧
- NHK夏休み子供科学相談教室が面白い
- 第二次世界大戦中に沈没したインディアナポリス号が発見された
- 捨てられないTシャツ:ひどい原爆Tシャツ
- 英語でオタクトーク『この世界の片隅で』
- みなもと太郎先生登場
- なぜ『マンガの歴史』を描こうと思ったのか
- なぜ日本人はマンガを描くのか?
- 漢字とシャーペンがマンガを普及させた説
- 岡田斗司夫の「おこづかい文化説」
- 文学に対する憧れを持っていた梶原一騎
- ビルドゥングスロマンを脱皮した『あしたのジョー』
- ディズニーに「かわいい」を添加した手塚治虫
- マンガはもう使命を終えたのか?
- マンガ家の歴史群像、『アオイホノオ』というジャンル
- 『風雲児たち』はいつ完結するのか?
捨てられないTシャツ:ひどい原爆Tシャツ
(Tシャツを見せる。原爆のキノコ雲がデカデカとプリントされたTシャツ)
これね、僕が初めてアメリカに行った時、サンフランシスコのお土産店で買ったTシャツなんだけど、酷いよね。
「MADE IN USA TESTED IN JAPAN(アメリカで製造されて日本でテストされた)」って書いてあるんだ。これね、サンフランシスコの「フィッシャーマンズ・ワーフ」っていうところのお土産屋で買ったんだけども。
僕の父親は陸軍の兵学校に行ってたんだ。
学校の先生をやってたので、戦時中は師範学校に行ってたんだよね。1945年には20歳くらいだったんだけども、学徒動員にひっかからずに、まあ学校の先生だから「このまま戦争に行かずに済むのか?」と思ったら、最後の最後の年に徴兵されて、広島の兵学校に行く。
まあ、「広島」の兵学校だったんだけど、一応、原爆が落ちるような都心部でなくて、山の田舎の方だから、なんとか助かったっていう人間なんだよ。
当時、こんな経験って僕だけではなくって。僕と同じクラスの子って、だいたい家族の誰かが戦争で死んでたり、もしくは身体障害者になってたりという人が、すごく多かったんだよね。
だから、生まれて初めてアメリカに行って、サンフランシスコという、すごい明るい街の土産物屋に行った時に、こういうTシャツが堂々と売っているのを見て、めちゃくちゃビックリしたんだよ。
なんかね、ブラックジョークと言うにしては、ちょっと度が過ぎるなと思ってたんだけども。
これ、着る機会があるかどうか、わからなくてさ。
一応、買ってはみたんだよ。一応買ってみたんだけど、さすがに着るのが怖いから、SF大会とかに持って行って「こういうTシャツ持ってるんだ」って、いろんな人に話したんだ。
やっぱり、真面目な人は「やめろよ!」とか言うんだけど。当時、1970年代後半のSF業界というのは、本当に「あらゆることを相対化することが正しい」という、なんかすごい大きい流れがあったんだ。
堀晃っていうSF作家の人がいて、この人は、かんべむさしと一緒に「大阪2大チャランポランSF作家」だったんだよ。かんべむさしの方は「書くものはチャランポランなんだけど、人格は大真面目」。堀晃は、「書くものはハードSFなんだけども、人格は本当にデタラメ」という人だったんだけど。
堀晃は大喜びして、「それどこで売ってるの?」って、このTシャツを欲しがったんだけども、かんべむさしさんには、書いてるものはすごいふざけてるんだけども、「そんなもの、絶対に着るな!」っていうふうに言われて。
で、小松左京さんは、どちらかというと喜ぶということで、当時のSF界でもね、その人の人格によって、このTシャツを見た時の反応が違ってたんだよ。
なんでこんなにSF作家の反応を覚えているのかっていうと、20歳くらいの時の僕にしてみれば、SF作家というのが第2第3の父親とか兄貴みたいなもんで、その人らがどう感じたのかを自分の価値観にしようとしていたんだよね。……今、こんなことを話すのは、めちゃめちゃ恥ずかしいんだけどさ(笑)。
「小松左京先生が喜ぶんだから、俺も喜ばなきゃいけない!」とかさ、「かんべむさしさんが怒っているから、俺もやっぱり怒らないといけないのかな?」って、そんなふうな、もう本当に「ワナビー君」の恥ずかしいヤツだったんだけども。
この時、筒井康隆さんには、「原爆ごときで過激ぶるな! ガキめ!」というような感じで、すごい冷たい目で見られてしまったんだよね。
で、この間、「このコーナーで紹介できるTシャツってどんなのがあったかな?」って掘り返してたら、これが出てきて。
やっぱりね、その頃から30年たった今だからこそ、それぞれの人の意見がわかるわ。怒る人の意見もわかるし、「笑っていいけど、そういうのは人前で笑うもんではない」って言う人の意見もわかる。あとは、堀晃さんの「いや、それをTシャツにして売っているというアメリカ人の感性が面白いじゃん」というのもわかるし。なんかね、いろんな人の意見がわかるようになったんだけど。
逆に、わからなくなったのが、筒井康隆さんの反応。「なんで、お前は他人のことをそんなに言えるんだよ!」っていう(笑)。今に至るまでの筒井康隆の人生を眺めると、「お前、そこで怒っちゃいけないんじゃないかな?」っていうふうに思いました。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
アーカイブサイトへのアクセス方法
限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画など、岡田斗司夫のコンテンツを下記のアーカイブサイトからご覧いただけます。