岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/09/07
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今日は岡田斗司夫のゼミ室通信をお届けします。
DMMオンラインサロンの岡田斗司夫ゼミ室では月に1回オフ会があり、ここで質問や相談を受け付けています。
今回は、8月に行われた東京公式オフ会参加者からの質問を紹介します。
質問:VALUは、評価経済?
VALU(バリュー)という個人が発行する株のようなものが最近話題です。
これを知った時、岡田さんが提唱する「評価経済」を思い出しました。
貨幣経済から評価経済に移行する上で、VALUという仕組みが出てくるのは必然だったのでしょうか?
回答:評価経済にもバカはいる
今のお話を図で示してみます。
まず横軸を引きます。右端へ行くほど貨幣経済、左端へ行くほど評価経済とします。
VALUという仕組み自体は、左端の評価経済側に位置してるように見えます。
次に縦軸を書きます。
上に行くほど賢い、下に行くほどバカとします。
つまり、評価型経済だから賢い、貨幣経済だからバカというわけでないんですね。
評価経済にもバカはいる。
貨幣経済でも賢い人はいるんです。
これを前提としてVALUを考えてみます。
VALUに関して炎上事件というのがありました。
あるユーチューバーがVALUを発行し、価格を釣り上げた上で持っているVALUを売り出し、価格は大暴落。
インサイダー取引の疑いがあるのではないか?などと騒がれた事件のことです。
僕がこれをどう見てるのか。
評価経済的なVALUをやりながら、それを貨幣経済に換金しようとして大恥をかいた、のだと思っています。
換金しなくていいのに。
でもそれを思いついた人たちは、いわゆる「抜け穴」を見つけてしまったのでしょう。
だから、やらずにはいられない。
それが「換金」だったんです。
ユーチューバーの人たちはどんなに評価が集まっても不安でしょうがない。
それを一度現金に落とさないと怖くてしょうがない。
賢い人は現金に落とさなくても平気なんです。
VALUに参加すること自体はいいも悪いもない。
でもそれをむりゃり貨幣経済に落としちゃうと、評価経済のバカの構造になっちゃう。
炎上した人たちは「抜け穴」を見つけたことで、自分たちは賢いと思ったはずです。
でもその賢さは、評価経済がよくわからないから、つい貨幣経済に換えてしまった。
これ、僕は「新選組の悲劇」と呼んでます(笑)。
幕末の新選組は、「侍に取り立ててもらえる」「何々藩に召し抱えてもらえるかも」
ということを夢見てあんなデスゲームを繰り返していたんですよね。
でもそうじゃないですよね。
社会が、武家社会から市民社会へ動くというのがよく見えてなかった。
評価型経済であるというのがわかっているなら、換金しなくてよかった。
換金すればするほど、ユーチューバーのような、実ははっきりとした評価の上に乗っていない人は不利なんです。
評価と知名度はどう違うのか。
昔ベッキーの事件がありましたね。
あれは、ベッキーの知名度に対して、コアのファンはあまりに少なかった。
人気があって知名度があっても、その中にベッキーを評価している人は少なかった。
それに対してコアなファンがちゃんとある人は、何かスキャンダルがあっても知名度との差が少ないからショックが少ない。
ユーチューバーは流行りの職業だから、一見ファンが多いように見える。
でも、登録者が何十万といても、その人たちは半年後別の人に移っているかもしれない。
つまり、ベッキーと同じなんです。
なので僕は評価経済でなく、知名度経済という、もっとドブ板産業みたいなものだと見ています(笑)。
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