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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「Netflixが引き起こす、日本アニメ業界の激震」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「Netflixが引き起こす、日本アニメ業界の激震」

2018-02-24 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/02/24

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2015/09/06配信「ジャパニメーション終了のおしらせ、テレビとネットとアニメーション」の内容をご紹介します。
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    2015/09/06の内容一覧

    Netflixによって変わるもの

     Netflixによって、アニメはすごく変わると思いますが、日本のアニメの特殊性というのをもう1回おさらいしますね。

    (中略)

     この3つの、お小遣い文化と、思想性、スクリーンクォータの3つの理由で、日本のアニメっていうのは世界の中でもかなり特殊な位置をもってるんですね。
     つまり、まず最初に日本の視聴者自身がチャンネル権を持ってる。子供がチャンネル権を持って、この番組を見ると言える。子供がお金を持ってこの番組の商品を買う、キャラクター商品を買うということが言えるというお小遣い文化であること。
     次に1960年代70年代の政治闘争で挫折した人たちが大量にテレビ界やアニメ界に入って、アニメの思想性っていうのを意味なく上げてしまったということ。
     3つ目はスクリーンクォーター法などで、本来は諸外国がブロックしている文化の壁みたいなもの、完全障壁みたいなものを子供番組はなんかやすやすとくぐり抜けて、海外でオンエアに成功したということ。
     この3つの理由で、日本のアニメっていうのは特殊な位置にある。

    (中略)

     では、僕らのアニメはその結果どうなっていくのか。
     「アニメはおそらく滅びるだろう」というのが僕の考えです。悪いけどね。
     なんで滅びるのかというとですね、日本のアニメの強いところというのは、一番最初の話に戻って考えると、すごく特殊に進化したものだからです。つまり日本中の子供たちが好きになるものとか、世界中の人が見れるものとかではなくて、かなり変なものを作るところから始まってるんです。これは日本のアニメが持ってるというか、日本の文化自体が持ってる中間層がすごく分厚いという特徴なんですね。マンガも、大ヒットマンガとクズマンガの間の膨大な、面白いんだけど、そんなでもないというのがあればあるほど、マンガっつうものは面白いわけです。
     2極化っていうのは文化を潰しちゃうんですね。
     韓国とか中国とかのアニメ制作とかマンガ製作が、なんでうまくいかないのかというと。中間層を分厚くするということがどうしても出来ないからです。どうやっても国家が保護してあげる、応援してあげるような超メジャーマンガを作るか、もしくは日本の下請けとか日本の真似でダメなものを作るかのどっちかになってしまう。じつはこの中間層の「面白いのか面白くないのかわかんないよ、よくわかんないよ」みたいなものを山ほど作ることによって、これを僕はピラミッドの底辺がデカければデカいほど、ピラミッドの山は高くなるという例で話してるんですけど。

     中間層と底辺とがデカくないと、この高さが稼げないんですね。Netflixというのは、そういうものに向いてない。いわゆるグローバリズムであって、全世界で見れるものというふうにどうやっても文化をもっていっちゃうんですね。つまりAmazonというのが、出版社をだんだんだんだん淘汰していって、Amazonで売れるものっていうを、ものすごく売れるものが狙えるのと同時に、ほんのちょっとしか売れないような小規模出版も助けてる。
     その結果、何が起こってるのかって言うと、出版社の倒産や、書店の倒産が起こってるんですね。
     では、日本人が読んでる本というのが減ってるかというとそうじゃなくて、僕らの読書体験自体は増えてると言われてるんですね。ネットの中で、ブログ読んだりすることが増えたりする。ただ僕らは無料で、そこそこ質の高いブログ記事を読んだり、ニュースを読んだりすることが増えた結果、超売れる『火花』とか村上春樹のような本は買うと。それと同時に10部とか20部とかしか出てないような同人誌のようなものも電子出版で買うことが出来る。
     その代わりにあった中間の膨大な、売れるかもしれない、面白いかもしれない、でも、そんなに熱心に買うほどでもないというような、週刊誌であるとか、あと新聞というような中間教養というようなものが、ガッサリと落ちて。
     これがネットの悲しい性なんですね。
     『エヴァンゲリオン』もそうですし、古くいえば、『超時空要塞マクロス』とか、最近の例で言えば『まどマギ』みたいなアニメっていうのは、中間アニメなんですね。
     ジブリが総力を結集して作ったとか、フジテレビと『少年ジャンプ』がタイアップして絶対ヒットするゴールデンタイムの7時にオンエアするアニメって、こういうのを超大作だとするのであれば、『マクロス』も『エヴァ』も『まどマギ』もすべて、聞いたこともないような放送局がと言ったら失礼なんですけど、聞いたこともないような放送局が低予算なんだけど、どさくさにまぎれて作ったようなものが大ヒットしてる。
     そういうのが、日本のアニメのじつは豊かな土壌というのを形成してたわけです。
     この中間層的なものが、Netflixがどんどんどんどん伸びてくることによって、世界で通用するようなものがいけると。
     同時に超マニアックで、本当に好きしか見ないというようなものもちゃんと生き残れると。
     ただこの中間の曖昧な、見てみたら案外面白いアニメっていうのは、こっから先マネタイズがやりにくくなる割に、製作の大変さだけはあんまり変わらないというふうなことになってしまって。
     僕としては、大作予算アニメか、もしくは小予算のアングラ的なアニメがどんどんどんどん増えてくるというようなものになると思ってます。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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