岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/06/30
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2015/02/15配信「夢と魔法と打算の国ディズニーランドを徹底解説!」の内容をご紹介します。
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2015/02/15の内容一覧
- なぜディズニーランドは値上げしたのか
- マイケル・クライトンと成功の秘密
- ディズニーのマニュアルとミッキーマウスの身長
- コストダウンのための自動化と電球50万個
- ランド研究所の考えた「遊園地の面積」と視覚的なトリック
- アンチコメント大会
- 遊園地革命とフォン・ブラウンのテレビ番組
- 東京ディズニーランドの成功と奈良ドリームランド
- 質疑/司法試験と仕事/完璧主義とプライド/体力がない/マンガ家になりたい/時間管理が下手
- 再びアンチタイム
- 質疑/ディズニーランドの待ち時間/バレンタインの意味/すっきり月曜日/千葉のディズニーランド/和製テーマパーク/マメとストーカー
- 質疑/人の話を聞き流せない/価値観の押し付けてしまう
- 次回告知
マイケル・クライトンと成功の秘密
『ジュラシック・パーク』というのがあってこれ、映画のほう観てる人はすごく多いんですけど、小説読んでる人はすごく少ないんですよ。
『ジュラシック・パーク』というのは小説がおもしろい! とにかく、圧倒的に小説がおもしろいから、スピルバーグがわざわざ映画にしよう思ったんだけども。
すごくおもしろい。
その中で、『ジュラシック・パーク』の小説版のほうで、マイケル・クライトンという、とにかく情報山ほど入れる作家なんですね。
マイケル・クライトンっていうアメリカの小説家が登場して以来、アメリカの小説の書き方が変わったといわれてる。
初めてブロックバスター戦略っていう、いわゆる大規模に宣伝して、大ヒットさせて、で、何だろうな、いわゆるブルーカラー階級からホワイトカラーから大学の教授から全員皆読むような、ブロックバスターっていうのはその街のブロック丸々一つを爆発する爆弾のことなんだけど、まるでそのように、知的興味がある読者を丸々ドーンと落としちゃうような小説を書く。
そういう手法を開発したのがマイケル・クライトン。
マイケル・クライトン一連の小説、すごくおもしろいです。
で、その中でも『ジュラシック・パーク』っていうのは、マイケル・クライトンで言えば、前期・中期・後期といえば、中期のあたりの作品ですね。その中で遺伝子工学とか、なんか今でいえば皆知ってるようなことを、15年から20年ぐらい先取りして書いた作家です。
僕、その中で、マイケル・クライトンの『ジュラシック・パーク』ですごくおもしろいなぁと思ったのが、遺伝子に著作権があるということなんですよ。
これなんでかっていうと、これ遺伝子、人間の遺伝子自体には著作権ないんですよ。
ネズミの遺伝子にも著作権はない。
しかし、人間が遺伝子操作をして造ったものは、DNAの並び方が違うよね。
ということは、そのDNAの並びには著作権法が適用されると。
つまり生物、新しい生物を発明したら、それは特許になりうるといったことを言った人なんだ。
それの前例を出していて、たとえば、アメリカの、ミシシッピ川じゃなくて、もうちょっとちっちゃい川…どこかの川でニジマスを釣ると。そこで釣れるニジマスは、背中が金色に光ってたり七色に光ってて、赤く光ったりしている。
それは何かというと、遺伝子操作で作られたニジマスなんだ。
そのニジマスの遺伝子操作に関しては著作権が適用されるという裁判の前例っていうのを出して、で、我々の作ろうとしてる『ジュラシック・パーク』の恐竜は、じつは古代の恐竜ではなくて、恐竜そのものに爬虫類とかいろんなもののDNAを加えて、たとえばカエルとかのDNAを加えて造ったものだから、我々の造った恐竜は著作権的に保護される。
すげぇ話だよ。
なんか読むときにゾクゾクゾクゾクとして。
「金魚やポメラニアンとかも」って書いてる人いるんだけど。
あのね、生物をただ単にかけ合わせただけでは著作権にはならいんだ。そこがおもしろい。
つまりDNA配列が変わるんではなくて、それは進化の偶然性ってことになっちゃう、そうじゃなくてDNAを操作して、DNAの並びが変わっちゃった場合、これが著作権の対象になるっていう。
それの判例とかの実例をバンバンバンバン出しながら話を進めるから、なんか恐竜を作る遊園地の話を読みながら、そういう情報とかがバァーっと入ってくるから、めちゃめちゃこれ知的におもしろいなと思ってしまって。
で、その人が『ジュラシック・パーク』を書いた時に、その中で遊園地がいかに成功するのかっていう成功の肝を書いていて、おもしろいアトラクションとか、入場者数の管理みたいなことだと思ったんですけど。
マイケルはただ一行『いかにスタッフを減らすか』。
いかに自動化させて、いかにスタッフを減らすか。
たとえば、ディズニーランドとかだったら、ものすごい人並ぶじゃない。
アトラクションによっては90分待ちとかさ120分とか、ひどい時は180分待ちとか当り前だよね。
あれはどういうふうに管理するのかというと、昔ながらのやつだったら、並んでる最中に途中でお客さんがケンカするみたいなことが当り前だったんだ。でも、それを防ぐために、まず1、場内でアルコールは売らない。
つまり、酒に酔った人が声を荒げて隣のやつと肩がぶつかってケンカするような可能性を減らすために、まず、お金が儲かるんだけども、お酒は売らない。
次にアトラクションでこう3時間並ぶんだったら、普通だったら3時間の列の所々に人を入れて、「はい、こちらに来てください。はい、こちらに来て下さーい」っていうふうに言う。
そうすると、固定費がかかってしまうので途中に大きいモニターに置いて、そこの中で「もうすぐ始まります」とか、もしくは「インディアナ・ジョーンズが発見したナントカ、皆も見てくれるかな!」っていう映像をしょっちゅう流す。
僕らは、ああいうのはもう今では当り前で、アトラクションの前に大きいモニターにあって、そこで映像が流れるのが当たり前だと思って「うわぁ、金がかかってるなー」って思うんだけども、逆なの。
これは、金がかかってないからなんだよな。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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