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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「映画では描かれなかった、『トトロ』と『もののけ姫』の壮大なストーリー」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「映画では描かれなかった、『トトロ』と『もののけ姫』の壮大なストーリー」

2018-10-02 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/10/02

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2018/09/02配信「君はまだ「本当のトトロ」を知らない!『となりのトトロ』のダークサイドとは何か!?」の内容をご紹介します。
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    2018/09/02の内容一覧

    なぜトトロ族は滅んだのか?

     ここまでのトトロの性格をまとめると、「トトロは3千年以上前から日本に住んでいた森の神様で、縄文人とは共存できていた。その後、人間と戦争になり、滅ぼされた。この映画に出てくるトトロは最後の生き残り」ということになります。

     じゃあ、なんでトトロ族が滅んだのかの話をしましょう。
     これを見てください。
    (パネルを見せる)
     これは、2万年前の日本の地図です。
     この時代の日本は日本列島ではなく「日本半島」だったんです。大陸から弓状に突き出した部分、これが縄文以前の日本です。
     当時は日本海というのがなく、巨大な湖があるだけで、北海道、本州、九州、四国はすべてひとかたまりになっていました。朝鮮半島との境界も、海峡によって別れていたのではなく、大きめの河が1本流れていただけ。そして、北海道とシベリアの辺りは完全に繋がっています。
     これが2万年前の日本です。瀬戸内海もありません。

     当時の日本半島は、今の日本列島と比べると、メチャクチャ面積が広かったんですよ。
     そして、そんな広大な日本半島だったからこそ、巨大な「照葉樹林」や「落葉広葉樹林」というのを維持することができたんです。
     「古代日本は大きな森だった」というのは、2万年前の巨大な日本半島だった時代を指しているんです。今の日本列島では、このような巨大な森を維持することはできません。
     日本が半島だった時代は、本当に巨大な大地だけがある状態だったんです。だからこそ、神が存在できるスケールの森を育むことができたんですね。

     この2万年前の日本と現代の日本とでは、土地のサイズがとにかく違いすぎるんです。
     この巨大な森を擁する広い大地があったからこそ、『もののけ姫』に出てくる「犬神」とか「猪神」が存在できたわけです。

     九州を本拠地としていた猪神の主の「乙事主」というのがいたじゃないですか。あれは西の方、つまり九州を本拠地としていたんですね。
     でも、乙事主は『もののけ姫』の中で、「見よ。今の我らの眷族を。身体は小さく、すでに言葉も話せない」と嘆いています。
     つまり、乙事主たち猪神の一族は、『もののけ姫』のラストで描かれる人間との直接対決で衰退したわけではないんですよ。
     では、なぜ滅びたのか? ……トトロが滅びた理由を説明するためには、『もののけ姫』の話をせざるを得ないんですよね(笑)。

     これを見てください。
    (パネルを見せる)
     これは、1万年前から現在に至る平均気温の移り変わりを表したグラフです。
     1万年前というのは、今より平均気温が5度低かったんです。しかし、それが縄文時代に入る頃には、今より+2度、つまりそれ以前の時代から比べると、7度から8度も上がっているんですね。
     現代より平均気温が5度も低かった2万年前の日本がどういうことになっていたのかというと。
     水というのは寒ければ縮小するし、暑ければ膨張します。地球が温暖化すると、なぜ海面が上昇するのかというと、「南極の氷が溶けるから」というよりは「海水自体が温度が上がることによって、やや膨張するから」なんですね。
     つまり、「今よりも平均気温が5度低い」ということは、「今よりも海面が低い」ということです。その結果、日本は列島ではなく、半島みたいな形で浮かび上がっていたわけです。

     しかし、このグラフに示されている通り、7千年前に、平均気温が一気に7度も上がってしまいました。これによって海面が100m近く上昇したと言われています。
     この時に、日本の陸地のかなり部分は水没しました。この時代は、今よりも遥かに多くの土地が海に沈んでいたんです。乙事主たち猪神やトトロ一族といった古代の日本の神々を育んだ巨大な森も、その大部分が失われてしまったんです。
     今の近畿地方なんかも、もう本当に水浸しになっていました。「昔、この辺は海だった」というのは、この6千年前から7千年前の気温の上昇が原因なんです。

     おまけに、「鬼界カルデラ」って聞いたことありますか? 九州の鹿児島の沖の方にある火山なんですけど。現在も、ドーム部分にマグマが溜まり始めていて危険だと言われてい場所です。
     7300年前、この鬼界カルデラの大噴火というのがあったんです。これはもう、本当に「次にこんな噴火があったら、人類は滅ぶんじゃないか?」というレベルの大噴火でした。
     これによって、縄文初期の文明は全滅したと言われているんですね。

     これについては、『もののけ姫』の解説をする時に、もっと詳しく説明しますが、乙事主たち猪神が、西から上がって来て、身体がどんどん小さくなってきたのはなぜかというと、この鬼界カルデラの大噴火があったからなんです。
     まあ、『エヴァンゲリオン』の「セカンドインパクト」みたいなものですね。
     その結果、彼らは九州付近には住めなくなってしまい、一斉に、東へ東へと移動した。これ、現実の歴史でもそうなんですよ。縄文初期の文明これで全滅してますから。

     それと同時に、海水量が増えて、ついに朝鮮と日本の間に海峡が誕生しました。
     そうやって、日本海が生まれ、南の方から温かい海流が入り込むようになりました。
     一方で、北には間宮海峡が出来て、シベリアの冷たい水が入ってくるようになります。
     これによって「暖流」が発生し、日本海側には大量の雪が降るようになり、豪雪地帯に雪が溜まるようになります。
     ここで初めて、日本は温暖化して、稲が大量生産出来るような場所になるんですね。

     稲が大量生産できるようになると、森はどんどん伐採されて田んぼになります。人口もどんどん増えていきます。
     その結果、乙事主たちのような猪神は「人類に滅ぼされていく」ことになるんです。

     つまり、『もののけ姫』に出てくる神様たちというのは、劇中で繰り広げられているような「森を切られて、火を燃やされたから滅ぼされた」というわけではないんです。もっと大きな事件があったんですよ。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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