岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/10/23
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2013/11/04配信「『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』を金払って観たから言いたいこと言うよ!」の内容をご紹介します。
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2013/11/04の内容一覧
- 本日のお題
- 山本太郎問題と「皇室問題を話すのに向いたニコ生」
- 魔女っ子アニメ『まどマギ』の論理的なシナリオとヘンテコな美術
- 『まどマギ』の正しい鑑賞法
- アンケート「どれぐらいまで『まどマギ』見ている?」
- アニメを採点するときの5つの要素
- 休憩&告知
- 『黒子のバスケ』問題、ファンは編集部にハガキを出そう
- 成長を否定する魔女っ子アニメ
- 4つに分類される萌え作品
- ピュアすぎてほとんど白痴の女の子を「見下げて泣く」ファン
- 『まどマギ』劇場版の採点
- 『まどマギ』が一番近いのは『ベルセルク』
- 悪魔祓いとアニメファンの代表としてのほむら
- 「独占的な愛が闇になる」という『まどマギ』の独自性
- 悪魔である作者、魔女であるファン、ハッピーエンドかどうか
- 次回告知
4つに分類される萌え作品
僕、あの今日、ネットでみてすごい面白かったのが安田理央っていうライターの人のエッセイであったんだけど、萌え作品を安田理央が友達に解説してもらうと。
萌え作品は4つに分類される! っていうんだ。
この4つの分類があまりにもひどいんだけども、なんか僕の心にぴったりきてびっくりしたんだけども。
4つの分類、1種類目! 主人公が複数の可愛い女の子にモテモテになるいわゆるハーレムもの、とか落ちもの。つまり、空からヒロインが落ちてくる、異次元から落ちてくるみたいなもの。これが1種類目。
2種類目、エロコメ。ハーレムものの一種だが、よりエロい。エッチできそう、エッチできたとかエッチ寸前とか裸見れたみたいなものが回りにガーッてある。これが萌えアニメ2種類目。
3種類目、かわいい女の子がキャッキャしてるのをニヤニヤ眺めるだけ。これ僕、びっくりしたけど、たとえば『けいおん!』って書いてあって、ああ、『けいおん!』ってそうなのか、僕が興味ない。
ああ、みんな、
「けいおん!」「けいおん!」「けいおん!」「けいおん!」「けいおん!」(コメント)
かわいい女の子がキャッキャしてるのをニヤニヤ眺める、っていうのが僕それがまったくわかんなくて、あのね、動物番組って僕、ぜんぜん見れないんだよ。何が面白いのかわかんなくて。
かわいい猫がキャッキャ戯れるだけとか志村動物園とか全然見れないんだけども、萌えアニメのうちの3種類目ってそれなんだ! って言われたら、初めて「ああ」ってわかって。
可愛い女の子がキャッキャ戯れているのを「いいな」と思って見ればいいんだ!
いや、見ればいいんだ! って思っても僕はできないんだよ。
ようやくコツがわかったんだけども。
4種類目、これがひどいんだよ。
あまりにもピュアすぎてほとんど白痴の女の子たちが重病になったり死んだりするところを泣きながら見るっていう(笑)。
ひどいっ(笑)。
心が純粋でピュアすぎてほとんど白痴同然の少女たちが重い病にかかったり、死んだり、ひどい目にあったりするところを泣きながら、「かわいそう~」「ひどいっ」って言って、自分の中のピュアな部分を消化するみたいなもの。
この「4つに分かれる」って書いてあって(笑)
みんな、わかるのか(笑)。
「わかる」「わかる」「わかる」とか書いてあるけど(笑)。
で、僕が前のテレビ版の『まどか☆マギカ』で見たときの不満点として言ってた、なんでこういうシーンがないんだ! っていうやつで、ほむらというキャラクターはあんなに苦労してて、何回も生まれ変わって、頭もいいんだったら、一回ホワイトボードを前にして全登場人物を集めて、
「このようなことを私は繰り返しました」
「はい、みなさん。どう思いますか」
「はい、杏ちゃん、どう思いますか?」
「はい、それ私、四回目でやりました。だめでした。はいどう思いますか?」
「はい、お姉さんどうですか? 巨乳のお姉さん、はい、巨乳のお姉さんの意見、はい」
「それ私、やりました、だめでした~」
それぞれみなさんのキャラクターこのように動きました、っていうかフットボールとかサッカーのフォーメーション書くみたいになんでそんなことが起こったのか、あんたはこういう性格でしょ、だからここで反発したよ! だから、だめだった。
みんなでとことんブルーになって、どういうふうにすればいいのか考える! っていうのを何でやらないんだろう? って思ったんですけど。
できないんですよ! 構造的に。
なんでかってというと、この萌え作品分類によると、『まどマギ』は第4分類に入って、ピュアすぎてほとんど白痴の女の子って書いてるんですけども、これ、ほとんど白痴ってのは悪口じゃないんですね。
つまり、頭がいいけども、ピュアすぎて純粋すぎて判断力を失っている、ってことなんですよ。
そういう女の子たちが右往左往して苦しめられるのを見る作品なので、ほむらがいかに頭がよくても、まどかを想う思いが純粋であればあるほど行動に縛りが発生する。
つまり、そんなことを思いつかなくったり、追いつめられたりする描写がどんどん増えて、見てる側も、そんなことをほむらが今思いつくはずがないとかそんなことができるはずがない! だって、彼女は今これしか見えてない! っていうものがあるので、そういうシーン入れられないんだよね。
そのピュアさとか純粋さっていうのはなんなのか、っていうと、ここから先は安田さんのコラムに書いてなくて、僕の独断なんだけども。
ピュアさというのは、萌えアニメっていうのの根本構造は、今言った「ピュアすぎて頭の悪く見えちゃう女の子が病にかかったり、死んだりするのをみんなでおいおい泣きながら見る!」っていうんですけども、これはスタッフというか、作る側が少女っていうのを、女性蔑視ってことはないんだけど、ある程度、見下してないと成立しない作り方なんだよね。
僕ら見てる側も、あんまり言いたくないんだけども、そのキャラクターたちを見下げてないと泣けるはずがないんだよ。
泣くっていうのは、自分はあそこまで純粋になれない=自分はそこまでバカになれないってことに関しての見下しがあるから僕らはじめて感動するんだよね。
なんでそこまで過剰な純粋さとかピュアさとかをそこまで求めるのかっていうと、その純粋なキャラクター、女の子たちを「神聖に見たい」という気持ちと「差別したい」っていうのかな、「虐げたい」って気持ちはコインの裏表なんだ。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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