岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/11/24

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2013/05/20配信「岡田、ハルヒ観たってよ~『涼宮ハルヒの憂鬱』から『エンドレスエイト』まで~」の内容をご紹介します。
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2013/05/20の内容一覧


『ハルヒ』が現実のキャラ設定に与えた影響

 『ハルヒ』の影響ですね。
 『ハルヒ』の影響というのはかなり深いんですよ。僕、あの大阪芸大で教えていると、みんなキョンになりたいシンドロームを抱えているんですよね。まわりになんか楽しいことがないのかなって言って、もしなにかがあったら、ツッコミゼリフしか全員言わなくなってきちゃってるんですね。
 もうこんなやつら相手にアニメとかマンガの作り方教えるのがすごく辛いんですよね(笑)。その心の、絶対防衛線っていうのを張ってたら、面白いこと起こらないぞと。
 だからといって、じゃあもう一ついるタイプが、『ハルヒ』タイプがいるんですけども、つまり無理やりものごとを面白く面白くもっていこうとするやつがいるんですけど、ちょっと待てよと。現実は涼宮ハルヒとは違うんだと。この世の中にはハルヒとキョンしか選択肢がないわけじゃないのに、なぜ君らどちらかを選ぼうとするんだっていうぐらい、じつは現実のキャラ設定に与えた影響は大きいと思います。

 キャラ設定って言った意味、なにかっていうと、みなさんご存知かどうかわからないんですが、ぜひご存知上げてください。島本和彦というマンガ家がいます。熱いマンガ家です。彼は『あしたのジョー』とか『銀河鉄道999』とか、そんなマンガやアニメのなかからものすごい影響を受けます。影響を受けて、ジョーは俺にこんな言葉を……とか力石からこんな……とかメーテルは俺にこんなことを教えてくれた……っていうのを、本気で100パーセント考えて、感じて、マンガに描いて、それを笑われ者になっても生きている、熱いマンガ家です。
 で、その島本和彦先生が求めてるのは、マンガとかアニメで人の人生に影響を与えることなんですね。自分も影響を与えられたから、自分も人世に影響を与えたいと。ところが、『ハルヒ』はそれを狙ってないんですね。見てる人の人生に影響を与えるんではなくて、見てる人のキャラ設定に影響を与えるアニメなんですよ。
 さっきも言ったように、どういうふうな対人戦略っていうのかな、人に対する時とか何かあった時のリアクションっていうのをどういうふうにとるのかっていう、対人戦略上のツールとしてハルヒとかキョンとかの受け答えの仕方みたいなものが、消費されてしまっていて、本来島本和彦のような熱い作り手が望んでいる、人生というものに対する思いっていうものが動くようにならない。
 もし『ハルヒ』が相手の人生に影響を与えるタイプだったら、こんな恋がしたいというふうに思ってみんな動くはずなんですけども、そうじゃなくて、もっと見たいとかもっとグッズがほしいとか、そっちの方向に移動しちゃうんですね。
 で、対人関係とかしゃべり方とかそこらへんだけが戦略的に取り入れちゃうもんだから、キャラ設定にしか影響が与えられてない。そこらへんが、これ『ハルヒ』の責任じゃなくて、今のアニメの不幸なのかもわかりません。あまりにもユーザーと近づきすぎてしまったがゆえに、人生に影響を与えるぐらいの熱量差が発生してないっていうことが原因なのかもわかんないですけども。

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