岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/01/24
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この記事は、PHP新書から発売された岡田斗司夫の新刊『ユーチューバーが消滅する未来』から、一部抜粋してお届けします。
政治家の正しい資質とは?
『スター・ウォーズに学ぶ「国家・正義・民主主義」』(2016年、SBクリエイティブ)という書籍で、僕は政治の役割を「正義」、「分配」、「救済」、「保障」、「祭祀」に分解してみました。
- 「正義」は、共同体のメンバーが自分たちの属している共同体を正しいと感じられること。
- 「分配」は、税金を集めて必要な施設などを作ったり、教育を施したりすること。ゴミ処理場をどこに作るか、戦争になったら誰に戦わせるかといった不利益の分配も含まれます。
- 「救済」は、共同体の中でうまくやっていけない人もフォローすること。
- 「保障」は、世の理不尽からメンバーを守ること。災害対策をしたり、他国とよい関係を築くのも保障です。
- 「祭祀」は、本来の意味での政、つまり「まつりごと」です。全員が共同体としての一体感を感じられるイベントのことで、例えばスポーツの競技会だったり、選挙だったりすることもあります。
これらがうまく行える、あるいはそのために貢献できるのが、「よい政治家」ということ ですね。
では、よい政治家であるためにはどんな資質、ライトスタッフが必要なのか?
少し前、仕事場の近所で自治体首長選の選挙活動が行われていました。1人の女性候補者がやって来て演説し、その周りを支持者が取り囲んでいます。演説中やそこら中に貼られた ポスターでも、「初の女性市長候補!」といったアピールだらけだったんですが、僕はなぜそれがアピールになるのか、どうもピンとこなかったんです。
女性が市長になったら育児などに関する政策が充実するのではないか、そう有権者が考えて期待するのはわかる。でも、そもそも「いい市長とは何なのか」がよくわからない。
僕らの社会は、適材適所によって成り立っています。宅配便の配達員なら、「体力がある」とか「運転がうまい」といった資質は必須でしょう。アイドルなら、「見た目が魅力的」とか「人前で物怖じしない」とかでしょうか。逆に、どんなに優秀な野球選手であったとしても、それだけでその人に球団経営を任せたりはしない。工場にハンダ付けの天才がいたとしても、それだけの理由でその人に家電メーカーの経営を任せたりはしません。
経営者やアイドル、スポーツ選手など、それぞれの仕事に向いている人は何となくイメージできます。
でも、政治家に向いているのはどういう人なんでしょうか? 駅前の応援演説では、「この人は優秀だ」、「いい人だ」、「正義感が強い」と言っていましたが、優秀だとか、いい人だとか、正義感が強いとか、それが本当に政治家に必要なスペックなんでしょうか? 僕らは、どんな人が政治家に向いているのかもよくわかっていない。だから候補者は「初の××」とか「○○を許すな!」とか、「混迷の時代に頼れるのはこの人」なんて、変なキ ャッチフレーズで勝負するしかないんです。
この記事は、PHP新書から発売された岡田斗司夫の新刊『ユーチューバーが消滅する未来』からお届けしました。
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