岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/02/26
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2019/02/03配信「関ジャニ∞の村上君と話した『ユーチューバーが消滅する未来』の補足と、『スターウォーズ』のこれじゃない感」の内容をご紹介します。
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2019/02/03の内容一覧
- 今期のアニメ
- 『メリー・ポピンズ リターンズ』、映像はすごいが……
- ウォルト・ディズニーの抱えた矛盾
- 64年版『メリー・ポピンズ』の狂気と面白さ
- 宮崎駿にとっての「映画」とは?
- 『メリー・ポピンズ リターンズ』のテーマは、エグいリアリズム
- 『ユーチューバーが消滅する未来』をどう生き抜くか
- 愚かなスネ夫と、賢いスネ夫
- 「未来格差」を意識して、過去を勉強する
- 質問:アニメとフェミニズムについて
- 質問:潜水艦について熱く語ってください!
- 質問:趣味の違いで別れた
- 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の胸が熱くなるところ
『ユーチューバーが消滅する未来』をどう生き抜くか
今週、関ジャニの村上くんのラジオに呼ばれて、僕が書いた『ユーチューバーが消滅する未来』という本の話をしてきました。昨日、それがオンエアされたそうなんですけど。
基本は、この去年の年末に出た『ユーチューバーが消滅する未来』について、色々と聞かれたから、それに答えて来たんですけど。
こういう本を出すと、誰もが「これからはどうなるんですか?」とか、「自分なりの最善手」というような、「何をすれば一番効率がいいのか?」ということを聞こうとするんですよ。
例えば「どの業種が危ないんですか?」とか、「これからはどの業種が伸びるんですか?」と。
でも、あんまり、これを考えても無意味なんですよね。
1955年に「企業の平均寿命は75年」と言われていたのが、2000年代くらいに入ると「15年くらい」と言われるようになった。つまり、もう企業の寿命というのは、かつての5分の1くらいに縮んじゃやった。現在は「10年くらい」と言う人すらいるんですけど。
だから、「どこか就職すること」は、もはや安全でもなんでもないんですよ。
昔の大企業に入ってもダメで、今、流行りのIT企業も、もう10年持つかどうかわからないわけなので(笑)。
こういう状況の中では「どこが安全か?」という話は役に立たないんです。
これを説明するために、僕はいつも「タイタニック号」の例えを出すんですけど。
みんなは今、大型船タイタニック号に乗っている。まあ「現代の産業」という名のタイタニック号に乗っていると。
これがもう、状況が危なくなって、沈みつつある時、みんな、その中で一番大型のボートを探そうとするんですね。脱出ボートの中で、一番大きくて安全そうなものに乗ろうとする。これが普通の人の考え方なんだけども「それはどうだろう?」と。
こういったタイタニック号、今の普通の会社とか、普通の産業がどんどん沈んでいくのは、「タイタニック号が氷山に当たったから」ではなくて、「海が硫酸に変わっちゃったから」なんです。
この広い海が、塩水じゃなくて「濃硫酸」に変わっちゃったから、船の底が溶けてどんどん沈んで行く。だから、他の船に乗っても安全ということはない。大型の脱出ボートに乗ろうと、その船が同じ様に鉄で出来ている限りは、やっぱり沈んじゃうからですね。
「そうじゃないだろう?」と。「そうじゃなくて、形は小さくても、ポリエチレンのバケツとかを組み合わせてゴムボートを作っているやつを手伝った方がいいよ」と。
つまり大きな会社というのは、丈夫な船を作ろうとしてどうしても鉄で作っちゃうから、硫酸の海で溶けやすい。そうじゃなくて硫酸では溶けないポリエチレンのイカダみたいなものの方が、まだ生存確率が高いんです。
さらに、その濃硫酸の海の向こうにあるのは、「180度のサラダ油」かもしれない。
変な喩えですけど、グツグツの天ぷら油みたいな海がその先に見えていたとしたら、もうそこはポリバケツのイカダでもダメですよね? ポリバケツは溶けちゃいますから。
その場合は、案外、ダンボールとか紙を重ねて貼っていった方が、180度の天ぷら油の海では生き残れる確率が上がる。
こういうふうに「なぜ、この船が沈むのか? それはどういう状況なのか? 次はどういうふうになっていくのか?」が見えてるか見えてないかで、生存確率は全然違うんです。
そして、船が沈みかけているとうことの原因を知り、その先の海の状態を見通す能力。この見通す能力があるかないか、この格差のことを、この本では「未来格差」と呼んでいます。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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