岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/03/04

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/02/24配信「『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』特集 富裕層が“つまらない”理由を発見!」の内容をご紹介します。
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2019/02/24の内容一覧


SF映画としては70点の『アリータ:バトル・エンジェル』

 『アリータ:バトル・エンジェル』に点数を付けるなら、5点満点で3.9というとこだと思いますね。「悪くはないけど、まあ、絶賛はできない」というレベルです。
 この映画の原作は、木城ゆきとのマンガ版の『銃夢』ではなくて、OVA、いわゆる日本のアニメの『銃夢』が原作になってるんですけど。

 Twitterとかを見ていると「アリータの目がパッチリ大きいのが嫌だ」って言う人が結構いるんですよ。
 でもね、僕はこの目の大きさは「映画を見ている限りは全然平気」と言うか、気持ち悪くなかったんですね。
 むしろ「以後、日本のアニメとかマンガを実写化する時のスタンダードになる可能性があるな」と。それくらい、アニメのキャラを実写化する中で特別感を出したい時には良いんじゃないかと。
 スピルバーグの『ゲームウォーズ』……じゃなかった。『レディ・プレイヤー1』みたいに、すべてをCGのキャラにしちゃうよりは、こういうCGのキャラクターと、実写の人間のキャラクターが混ざるものとしては、わりと理想的なブレンドじゃないかなと思いました。

 この映画の主人公のアリータというのが、キャラクターなんですけど。
(パンフレットに描かれたアリータを指さして)
 このアリータを演じたのは、ローザ・サラザールという女優さんです。

 このCGは「パフォーマンス・キャプチャー」という技法で作られています。
 昔はモーション・キャプチャーというのを使っていたんです。まあ、最近では、そういったモーション・キャプチャーで作られたキャラクターというのを、僕らも当たり前のように見るようになったんですけども。
 パフォーマンス・キャプチャーとモーション・キャプチャーとの違いは「身体の動きだけではなく、表情のかなり細かい動きも取り込める」というところです。
 例えば、これは劇中でアリータがチョコレートを食べるシーンなんですけど。
(パネルを見せる)
 この右側が、劇中で使われたカット。それに対して左側が、サラザールさんが実際に演じているところをキャプチャーしている様子なんですけども。
 多数のカメラを用いて、身体に取り付けたマーカーの動きを記録。マーカーの動きを一度3DCGのデータに変換して、その3Dデータを用いてCGモデルの骨組み自体を動かす、と。
 これ、何がいいかというと、重量感や物理特性が反映されるので、より現実に近いものを作れるところなんです。
 このシーンだったら「チョコレートを持った時のほんのちょっとした重み」とか、「噛んだ時の感触」とかが表情にちゃんと現れているわけですね。

 これはロング用の大雑把なキャプチャー風景なんですけど。
(パネルを見せる)
 実際にパフォーマンス・キャプチャーでの撮影に使われているのは、このレベルの機材なんですね。かなりデカいカメラとかバッテリーとかヘッドセットを頭に取り付けなきゃいけません。
 「パフォーマンス・キャプチャーを撮る時には、マイク、バッテリー、カメラ、レコーダーを頭に載せて、手袋とスーツを着て演技」ということで、レコーダーまで載ってるそうなんですよね。
 なので、かなり動きにくかったそうです。

 これ使ったアリータの演技自体は、さっきも言ったように、パット見では目が大きくて面白いんですけど、「演じた俳優さん自身も目が大きい」ということもあって、そんなにバランスが悪くなかったんですね。
 監督のロバート・ロドリゲスは「こんなに目を大きくして大丈夫かな?」と思って、ジェームス・キャメロンが来た時にちょっと相談したら、キャメロンが「ああ、これは違うよ。黒目を大きくするんだよ」と言って、目の大きさはそのままで、黒目だけをちょっと大きくしたそうです。そしたら、もうバッチリになったそうなんですけど。
 今回、プロデューサーに徹しているジェームス・キャメロンが「いかにして目の大きい日本のアニメキャラ、マンガキャラというのをスクリーンに出すか?」ということを昔から研究して考えていたのかがよくわかるエピソードですよね。
 こういうところはすごくいいんですよ。

 では、なぜ「ダメだった」と言ったのかというと。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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