岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/03/22

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/02/24配信「『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』特集 富裕層が“つまらない”理由を発見!」の内容をご紹介します。
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2019/02/24の内容一覧


Amazon 「ベーシックインカムを歓迎する前によく考えてみよう」

 Amazonというのがどんなものかというと、2017年7月25日時点でのAmazonの時価総額は、ウォルマートを遥かに越えています。
(パネルを見せる)
 その他の小売業を合わせたものよりも、ウォルマートの方が多いんですが、Amazonは、そのウォルマートよりも大きい。本当に1人勝ちの状態になってるわけですね。
 基本的に、Amazonの売上というのは、この統計から先もどんどん増える一方で、右側の「一般的な大型店舗」、「小売店舗」、「専門店」というのは、減る一方です。

 考えてみれば、ウォルマートは自転車屋を潰したけども、さっきも言ったように、その息子を雇うだけ、まだマシだったんです。
 Amazonというのは、年間7万6千人を失業させているそうです。Amazonの登場によって、これらの店が潰れることによって、レジ係、駐車場係、仕入れ係、販売係を含めて、アメリカでは小売業だけで7万6千人が毎年毎年新しく失業している。これは、アメリカの全労働者の0.1%なんですよ。
 だから、実は、ドナルド・トランプがどんな失業対策をやろうとも、「Amazonによる失業者生産率」とでも言えばいいのかな? Amazonがものすごい勢いで失業者を産み続けているので、それを上回ることなんて不可能なんですよ。
 トランプが本当に失業者対策をやりたかったら、GAFAの4企業を核攻撃すりゃあいいんですけどね(笑)。まあ「そこまではできない」ということなんでしょう。

(中略)

 Amazonはね、バカじゃないんですよ。実は、ジェフ・ベゾスは、環境問題フォーラムで面白い発言をしています。
 これね、僕もこの本を読むまで、わりと気が付いてなかったんですよ。ちょっと「そうか!」って思ったんですけども。
 ここからは、環境問題フォーラムのジェフ・ベゾスの演説の要旨です。


政府は最低限所得保障制度を考えるべきである。または逆所得税によってすべての国民に貧困ライン以上の現金を配るべきだ。


 つまり「ベーシック・インカム」ですね。この演説は拍手で迎えられ、ベゾスはこの演説によって「弱者の味方」と呼ばれるようになったんですね。

 しかし、この本の著者のスコット・ギャロウェイは「いや、それを褒め称えるより先に、なぜAmazonの倉庫の映像が少ないのか考えてみろ!」と言います。
 Amazonの倉庫って、写真とか映像とかが時々出るんですけども、Amazon側が提供した都合のいいものしか出回っていないんです。
 例えば、僕らは「Amazonの倉庫では、人が酷使されていて、みんな10時間労働で働かされている」とか、そういう噂は聞くんですけども。
 「それはすでに過去の話だ」とギャロウェイは言います。今のアメリカのAmazon倉庫には「こき使われている人」なんていないんですね。無人で、ロボットだけが動いている。そのためにAmazonは、この数年間、ロボット倉庫の管理会社に大量の金を払って、会社自体を買ってるわけですね。
 実はこれ、Amazonだけでなくユニクロの倉庫も、去年のうちにロボット化していて、倉庫で働く労働者の9割を削減しました。まあ、ユニクロの場合は、削減した9割の人員を他に回したりするという、いわゆる日本型の経営をしているんですけど、Amazonはそんなことはしないわけですよね(笑)。

 ベゾスが言っているのはどういうことかというと。
 要するに「もはや人間の労働者なんか、Amazonの倉庫には要らないんだ。だから、彼らに払う金なんかない。ところが、物を買ってくれないとAmazonは困る。だから、政府が彼らにベーシック・インカムとして金を与えてくれ! ……しかし、Amazonは納税しないよ。我々は合法的に節税しているから、アメリカ政府になんか、ほとんど金を払わない」ということなんですよ。
 つまり、「アメリカ政府が支払うベーシック・インカム、最低生活補助をするためのお金というのは、Amazon以外の個人や企業から取り立てた税金で払え!」と言ってるんですよ。
 すごいエグいですよね。賢いというかエグいと言うか(笑)。

 ベゾスがベーシック・インカムに賛成する理由というのは「中産階級の維持というのが、もはや不可能だ」というのが丸わかりだからなんですよね。
 なので、Amazonは、Amazon以外の企業が払った税金でAmazonの買い物をさせるために「政府が国民に金を払う」という世界を夢見ているわけです。まさに世界征服です。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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