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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「アメリカ史特集:元祖まとめサイトのタブロイド紙、世界一周を競った美少女2人!ほか」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「アメリカ史特集:元祖まとめサイトのタブロイド紙、世界一周を競った美少女2人!ほか」

2019-03-23 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/03/23

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、過去記事から「アメリカ史」の特集をお届けします
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    タブロイドがもたらしたアメリカの新聞ブーム

     1927年のリンドバーグがなんでこんな大騒ぎになったのかって言うと、その時が、じつは1920年代の後半っていうのがアメリカ人の最も活字を読んだ時代と言われるんですね。
     30年代に入るとラジオが出てきて、もうアメリカ人は受動的なメディアであるラジオを聞くばっかりになっちゃったんですけども、20年代の後半っていうのは、ほとんどすべての人が毎日夢中になって活字を読んでいた。
     なんせ、1920年代のアメリカ人が平均的に購読している、新聞の部数が1.4部って言われたんですね。つまり、国民がみんな1部以上、たぶんだいたいの人が2部から3部ぐらいの新聞をとってたんです。
     それは当たり前で、じつはニューヨークだけで、毎日出てくる新聞が12紙あったっていうんですね。それぐらい、アメリカ人っていうの新聞が大好きだったんですよ。

     なんでそんな新聞が好きだったのかって言うと、タブロイド紙っていうのが生まれたんですね。
     もともとはイギリスにあったんですよ。
     イギリスに『デイリー・ミラー』っていうタブロイド紙っていうのがあったんですけども。これは安っぽいゴシップばっかりやるような新聞だったんですけども。
     アメリカ人が第一次世界大戦の時に、みんなヨーロッパ戦線行きますね。
     その時にイギリスに行って発見したんですよね。イギリスにはこんなえげつない新聞があると。
     何かイギリスって先進国かと思ってたら、「見てよ、見てよ、この新聞、王様のゴシップとか殺人事件とか、あとエロい話とかそんなのしか載ってねえよ。これすげえよ」というふうなことで、アメリカでやろうということになってですね。
     『イラストレイテッド・デイリー・ニュース』っていうのがアメリカで生まれました。
     そうするとものすごいこれがヒットして、内容はもう犯罪、有名人のゴシップ、スポーツしか載せないっていうやつですね。
     いわゆる今の僕らで言うまとめサイトみたいなもんなんですね。
     まとめサイトだから、みんなそっちばっかり見るわけです。普通のニュースとか新聞とかを読まなくなって、僕らもまとめサイトとか、あとスマホのニュースサイトばっかり見ますね。
     それとまったく同じようにみんなが面白がるような、怪しげな本当か嘘かわかんないようなニュースっていうのを毎日毎日写真入りでガンガン載せるっていうタブロイド紙。
     タブロイドっていうのは、新聞のいわゆる大きさの半分のサイズのことをタブロイドサイズって言うんですけども、その新聞っていうのが生まれたと。
     そこでは何よりも写真が大事だというふうに言われたんですね。
     で、『イラストレイテッド・デイリー・ニュース』が生まれて、すぐに便乗商品としてウィリアム・ハースト、『市民ケーン』のモデルになったあのおっさんですね。あいつがイギリスの『デイリー・ミラー』をパクった『ニューヨーク・デイリー・ミラー』っていうのをすぐに出したんですね。

    アメリカの女の子が広島の女の子を攻撃した?『THE GIRLS OF ATOMIC CITY』

     もう1冊、面白かったのが、『THE GIRLS OF ATOMIC CITY』という本。これが何かというと、マンハッタン計画で働いていた女の子たちの話なんですね。

     マンハッタン計画とは、第2次大戦中のアメリカの原爆製造計画。世界で最初に核分裂の実験を成功させたのは実はドイツ。第二次世界大戦でドイツはポーランドを侵略し、チェコスロバキアを併合して、チェコにあるウラン鉱脈を独占したんですね。同時に、ウランの全面的な輸出禁止を行い、世界中の物理学者に「えー!」と大ショックを与えました。
     ドイツには、ハイデルブルグ博士ら世界最高の核物理学者がいて、おまけにチェコにある世界最大のウラン鉱脈の1つを押さえて、輸出を禁止した。世界中の核物理学者が、ドイツは確実に核兵器を作るつもりだと一瞬で気がついちゃったんですね。
     アメリカには、ドイツから亡命していたアインシュタインや、ムッソリーニ追われて亡命したエンリコ・フェルミという科学者がいました。フェルミ自身はイタリア人なんですけど、奥さんがユダヤ人だったんです。
     こうした科学者が「アメリカもできるだけ早く原子爆弾を作らないと、ヤバいっすよ」と大統領に手紙を書いて、スタートしたのが、マンハッタン計画。
     なぜ、マンハッタンかというと、プロジェクトの拠点が置かれたのがニューヨークのマンハッタンの一部屋だったから。ま、墨田計画とか、品川計画みたいなものかな。とにかく徹底的に秘密にしなきゃいけなかった。
     そして、テネシー州のオークリッジには、ウランとプルトニウムを製錬するための工場というか街が作られました。「街」なんですよ。
     何にもないところに、1942年あたりかな、人口7万5千人の街がいきなり作られました。この街は当時の地図にも載っていません。1950年くらいにようやっと掲載されたんだったかな。街で働く人たちは、極秘で集められたんですね。
     その時に、女性が大量に雇われたんですよ。事務仕事も膨大ですし、働ける男たちは戦地に行ってしまっているから。
     世界最初のサイクロトロンも、全部このテネシー州のオークリッジで作られました。7万5千人の住人のうち半分くらいは女の人で、ニューヨークよりも多くの電力を消費しているけど、地図には全然表示されない秘密の街。「アトミックシティ」とは、このオークリッジのことです。
     『THE GIRLS OF ATOMIC CITY』では、男性が不在のアメリカ国内で、いかに新兵器を作っていったかが描かれていて面白い。写真を見ると、髪にウェーブがかかっている女性だったり、ポニーテールにふわふわのスカートをはいている女性だったり。彼女たちが、黒鉛チャンネル炉といわれる初期の原子炉とか、サイクロトロンという加速器を作っている様子ががんがん出てくるんですね。

    突入記者ネリーと美人文芸記者エリザベスの競争

     冒険談としてすごく面白いんだけども、これが世界中で大ヒットして10年後くらいの話だ。ニューヨークワールド通信社のワールド社という新聞社があって、そこの女性記者ネリー・ブライという女の子なんだけど、写真が残ってる。

     これね、ネリー、美人と言うよりは、どっちかっていうとかわいいタイプで、左手にすっげえ小さいカバンを持っているのが見えるかな。このカバンが今、アメリカの歴史博物館とかにも、ネリーのカバンとして残ってるんだけども、これ一つで世界一周、まわったんだって。
     ネリーはこの旅行をするときに荷物をどれだけ持っていくかって聞かれたら、とにかく、早く早くまわりたい、ジューヌ・ヴェルヌは80日間って言ったんだけども、私は調べたら75日で行けることがわかりました。そのために、スピーディーに動くためにこのちっちゃいカバンにノートと鉛筆と替えの下着2枚と、手が荒れたら嫌だからハンドクリームのめちゃくちゃデカい瓶を一個入れて、これだけでまわりますって言って、ネリー、めちゃくちゃ、ちっちゃいカバンを持って、ニューヨークワールド社の社長にプレゼンして、もう1年間くらいプレゼンしてたんだって、世界一周やりたいやりたい、そしたら社長が、なぜか急に「よし、ネリー、行け」という結論を出して、ネリーは行かせてもらえることになった。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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