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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「もし庵野秀明が『シン・ウルトラマン』を撮ったら、間違いなくアカデミーが狙える!」

2019-04-05 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/04/05

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/03/10配信「映画、好きですか?オール・パペット春の総進撃」の内容をご紹介します。
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    2019/03/10の内容一覧


    庵野秀明の『シン・ウルトラマン』製作の噂は本当か?

     でも、もし庵野秀明が『シン・ウルトラマン』やるとしたら、たぶん、メチャクチャ面白くなるんですよ。
     というのも、僕は「移民問題」を扱うと思っているからですね。

     『シン・ゴジラ』という作品において庵野秀明は、実は国際問題や国内政治、あとは防衛問題などと一緒にゴジラを語っていたわけですね。
     対して、ウルトラマンには、バルタン星人やメフィラス星人などのように、植民とか民族問題がふんだんに入っているんですよ。特に、『ウルトラセブン』の中には、沖縄出身の脚本家、金城哲夫が手掛けた「ノンマルトの使者」というエピソードがあります。
     僕は、庵野秀明が『シン・ウルトラマン』を作るとしたら、これを入れてくる……というか、中心に持って来るんじゃないかなと思ってるんですけど。

     「ノンマルトの使者」というのはどんな話かと言うと。
     ウルトラセブンことモロボシ・ダンとアンヌ隊員は、海で休暇を取ってました。そこに1人の少年がやって来て「人類が海底開発を止めないと、「ノンマルト」が怒り出して襲撃してくるぞ! だから、もうこれ以上の開発は止めて!」と忠告して来るんです。
     「開発を止めないとノンマルトの攻撃が始まる」と。それを聞いて、モロボシ・ダンは不思議に思うんです。モロボシ・ダンの正体はウルトラセブンであり、光の国であるM78星雲の人間なんですね。そのM78星雲では「ノンマルト」というのは「地球人」を指す言葉だったからです。
     「えっ? 僕らは地球人のことをノンマルトと言ってるんだけど、少年は『人類に対してノンマルトが~』と言った。なんでこんな不思議なことがあるんだろう?」と、不思議に思っていたんです。
     そうこうしているうちに、人類は海底開発を止めなくて、ついにノンマルトたちの襲撃が始まります。ウルトラセブンは、ノンマルトが繰り出してくる怪獣と戦い、勝利するというお話なんですけども。
     そんな中でわかったのは、「もともと地球というのはノンマルト達の世界だった」ということなんです。
     ノンマルトという種族が、いわゆる原住民として住んでいた。現在、地球人と呼ばれている人類というのは、今から数十万年から百万年くらい前に、そこへ強制的に移住して来て、ノンマルト達と戦い彼らを海へ追いやった。ノンマルト達は仕方なく、人類に押される形で海底に逃げ込んでいったというのがわかるんですね。
     そして、それがわかった上で、ウルトラ警備隊の隊長は「今さら、そんなことを公表するわけにいかない。こうなればノンマルト達をすべて滅ぼしてしまって、『人類は元から地球に住んでいた』ということにして、もう一件落着でいいんじゃなか」という、すごい政治的な判断をするという話なんですね。

     だから、これを『シン・ウルトラマン』として実写化するとなると、間違いなくアカデミーが狙えるんですよ。
     なぜなら、「アカデミー賞というのは、こういう政治的な話が大好きだ」というのと、あと、これってインディアンから住む土地を奪って、今や自分たちがアメリカ人だと思っているヨーロッパ系移民達のアイデンティティを強く揺さぶるからです。
     そして、強く揺さぶりながらも、「でも、もう俺達は、今さら元の国には帰れない。このアメリカ大陸で暮らしていくしかない。人類は地球で暮らしていくしかない」という、こういった話に出来るからなんですよね。
     『未来のミライ』というアニメがアカデミー賞を取れなかったというのは、やっぱり、政治的なメッセージが弱いからなんですよ。
     でも、この「ノンマルトの使者」をベースにした庵野秀明版の『シン・ウルトラマン』だったら、おそらく、強烈なメッセージを入れられるんですね。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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