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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「30年前の『攻殻機動隊』が描いた、40年後の日本」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「30年前の『攻殻機動隊』が描いた、40年後の日本」

2019-05-09 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/05/09

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/04/28配信「『攻殻機動隊講座』第2話徹底解説 無料公開は初です!」の内容をご紹介します。
    岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
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    2019/04/28の内容一覧


    『攻殻機動隊講座』30年前に描いた40年後はこうなる

     今回やるのは、36ページある第2話「SUPER SPARTAN」という回です。
     この「SUPER SPARTAN」という回は、『攻殻機動隊』のストーリーがようやっとわかってくる回。実は、この前の第1話というのは、単行本化された時に書き下ろしで付け加えられた特殊なエピソードなんですね。プロローグみたい……というか、サブタイトルも「プロローグ」っていうんですけども。読んでも読まなくても、内容的にそんなに変わりがないやつなんですね。
     なので、今夜の第4回第5回で語る『攻殻機動隊』が、連載版の一番最初の回ということになります。

     基本ストーリーとしては、「少佐」と呼ばれる謎の女の人がいて、部下と一緒にお花見をしている。すると、そこに荒牧部長という警視庁公安課の偉い人から連絡があって、ある事件への出動を要請される。
     どうも、政府に関係ある「聖庶民救済センター」というふざけた名前がついてる施設があるんですけど。いわゆる、働けなくなった人とかニートの人たちを、大量に囲って、働けるように再教育する施設のはずなんですけども。そこに対して「非合法なことをしているんじゃないか?」とか「人権を無視した労働をやらせているんじゃないか?」という疑いが掛かった。なので、そこに突入しろというふうに言われるんですね。
     しかし、少佐のチームは、荒巻からの依頼内容自体にも怪しいものを感じてしまう、というお話です。

     このマンガが連載されたのが1989年。お話の舞台となるのは、人間の大半が、脳の中に通信機とか補助記憶装置みたいなものが埋め込まれていて、身体機能もかなり拡張されている「サイボーグ」になっているような時代。連載から40年後の2029年という、今から10年後の世界です。
     今年は士郎正宗がこのマンガを描いてから、もう30年も経ってるんですね。30年後の今年は2019年です。つまり、30年前に描いた「40年後はこうなるであろう」というストーリーなんですね。そこら辺も「今から10年後にこういうふうな世界が来るかもしれない」と面白がって見ていただければと思います。
     まあね、流石に10年では無理かなと思うんですけど。20年後、30年後だったら、いまだにあり得る話ですね。僕、こんなに未来予測が古びてないマンガってなかなかすごいと思います。

     『攻殻機動隊』って、押井守さんの手によって劇場版アニメになっているし、押井さん以外にも、TVシリーズもあるし、ハリウッドで実写映画化までされてますよね。
     そんなふうに、いっぱい映像化されてるんですけども、なぜかこの第2話「SUPER SPARTAN」だけは映像化されていないんですね。神山さんが作ったTVシリーズ版のシーズン2のラストの回、第26話で、一応、この冒頭のお花見のシーンに繋がるみたいな感じが出てくるんですけども。この「SUPER SPARTAN」のメインストーリーは一切映像化されてないんですよ。
     これ、なぜかというと、僕が思うに「あまりにシンプルで面白いから」なんですね。
     『攻殻機動隊』を映像化する人は、この映像美に引っ張られてしまって、すごく難解な話をやろうとしちゃうんですね。ところが、この第2話の「SUPER SPARTAN」というのは、シンプルに、刑事アクション、もしくはスパイアクションとしてものすごく面白い、『007』みたいな話なんですね。
     なので、かえって映像化しにくい。映像化しようとしたら、もう本当に、士郎正宗のマンガそのままをやるしかないから。で、『攻殻機動隊』を映像化したがる人に限って、なぜか作家意識がものすごく強くて「原作をなんとか俺のものにしてやろう!」という人が多いんですね。
     僕なんかは「高畑勲が『攻殻機動隊』をやったら、どんなに面白かったか」と思うんですけども(笑)。まあまあ、それは言ってもせんないことですね。はいはい。来世で見たいとは思いますけども。

     それほど圧倒的に面白いこの原作。ただ、そんな圧倒的な面白さというのが、なかなか伝わりにくいから、原作版は知名度が低いわけですね。なので、1コマずつ、1ページずつ解説してみました。
     実は昔、『BSマンガ夜話』というNHKの番組で、僕はこの『攻殻機動隊』をかなり詳しく解説してるんですけども。今回は、それを数倍に進化させ、本当に1ページずつ、ずーっとやって行きますので、そこらへんをお楽しみ頂ければと思います。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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