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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「自分の体で性病の実験!狂気の医者ジョン・ハンターが医療を進歩させた」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「自分の体で性病の実験!狂気の医者ジョン・ハンターが医療を進歩させた」

2019-05-29 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/05/29

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/05/12配信「【特集】『世にも奇妙な人体実験の歴史』」の内容をご紹介します。
    岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
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    2019/05/12の内容一覧


    自分の体で性病の実験をしたハンター

     さて、そんな18世紀の医学界を根本的に変えちゃった人が、この本(『世にも奇妙な人体実験の歴史』)の最初の方に出てくるジョン・ハンターです。
     この本の中に書かれている、ハンターが自分に対して行った人体実験で、特に有名なのが性病の実験でした。

     当時、医者に求められたのは惚れ薬と性病を治すの薬ばっかりだったんだよ。
     当時のヨーロッパというのはセックス革命の真っ最中で、とりあえず性病が大流行していた、と。本当に、医者に掛かる患者の4人に1人が性病に掛かってたそうなんだよ(笑)。
     で、性病に掛かりながら、「性病を治してください、先生! ……ついでに、最新の惚れ薬はありませんか?」と聞くのが当たり前の状態だったんだけども。
     その時代の性病には、淋病と梅毒の2種類があった。そして「淋病というのは命には影響せず、勝手に治る」というふうに、ジョン・ハンターは考えていたんですね。

     今回の話の主人公のジョン・ハンターは、「淋病というのは命に関わるわけじゃなく、放っておいても、健康にしていたら自然に治癒する。しかし、梅毒というのは放っておいても治らない。治療しないと死に至る病だ」と考えていました。
     そう考えた結果、ハンターは、まず、自分の淋病の患者を2つのグループに分けて、一方のグループには単にパンを丸めたような偽薬を与え、もう一方の患者には、当時、一応「淋病に効く」と言われていた薬を与えてみた、と。
     すると、どうなったか? 両方のグループ共に、全く同じように、数週間で淋病は治って行った。治癒していったわけだよな。
     それを見たハンターは、「ああ、やっぱり」と。淋病という性病に関しては、特に薬などを処方しなくとも、健康にさえしていれば、完全に治るかどうかはわからないけど、どんどん病状が軽くなると。
     ハンターは、この実験で自分で確かめたつもりになったんだ。

     次に、ハンターはもう1つ仮説を持っていた。「淋病というのは性器の病気、男性だったらおチンチン周りの病気なんだけど、それが全身に転移していくと梅毒になるのではないか?」と考えていたんだ。
     現在では、この考えは完全に否定されていて、淋病と梅毒というのは全く別の病気として知られているんだけど、当時は全くそれがわからない状態だったので、ジョン・ハンターは「淋病と梅毒は同じ病気であって、淋病がどんどん進行して、軟性下疳というおチンチンに腫れ物が出た状態になり、もう治らなくなった状態のことが梅毒というのではないか?」って考えたわけだよね。

     これを調べるには、健康な患者に淋病を感染させて、それを治さずに放置して、経過を調べればいいと考えたわけだよね。
     そして「こんな危険な実験に使えるのは、自分の身体しかない! なぜなら、俺は健康で、淋病にも梅毒にもかかってないからだ!」とジョン・ハンターは考えた。
     だって、経過観察を毎日毎日しなきゃいけないわけだよ。「毎日毎日おチンチンを見て、どれくらい淋病が進行しているのかを調べるためには、これはもう自分自身でやるしかないわ」って、気が短いジョン・ハンターは思いついてしまったんだ。

     その結果、ハンターはさっそく自分のおチンチンにナイフで傷を付けて、その傷口に淋病患者のおチンチンについていた膿をすり潰したものを、本当に毎日塗ったくったわけだ。
     毎日毎日塗って、「さあ、これがどういうふうになるのか?」と、薬も飲まない、不健康な生活を続けながら、経過観察をずっとしていたわけなんだけど。
     そしたら、何週間か経って、ついに梅毒の症状が出てきたんだよね。ジョン・ハンターのおチンチンには軟性下疳といわれるシコリが出来て、梅毒の症状が出た。
     もう、この時ハンターは「やった! 俺の思った通りだ!」と、もう手を打って喜んだそうなんだけど。

     これね、ハンターの大間違いなんだよ。
     ハンターは「1人の患者が淋病と梅毒に同時にかかってる」という可能性をまったく考えてなかったんだよね。
     ハンターがたまたま「よし、こいつの淋病の膿を俺のおチンチンに移そう」と思った患者が、実は、淋病と梅毒の両方にかかてたもんだから、ハンターは淋病と同時に梅毒にもかかってしまったんだよね。

     この梅毒、当時の医学では、まだペニシリンがないから、治しようがなく、その後、一生ハンターは梅毒に苦しんだんだけど(笑)。
     それくらいは、この人にとっては当たり前のことだったんだよね。

     ペニシリンのない時代、自分を使った人体実験によって必要もないのに梅毒にかかったハンターは、生涯、苦しんだ。
     しかし、このジョン・ハンターの面白伝説の中では、こんなものは、まだほんの序章に過ぎないんだよ。

     この『世にも奇妙な人体実験の歴史』の他にもう1冊、『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』という本があるんだけど。この表紙になっている絵があるんだ。
    (本を見せる)

     これ、わかりにくいよね。本の中にも図解として載ってるんだけど、まだちょっとわかりにくいから、今回はこれを拡大した図版を作ってみました。
    (パネルを見せる)

     すいません。ご飯中の人がいたら、シンドいと思うんだけども。これ、何かというと「臨月直前の女性の子宮あたりの解剖図」なんだ。中に胎児が入っている、と。
     これは、ジョン・ハンターのお兄さんで、同じく医者のウィリアム・ハンターが発表した図版です。

     これが、当時の医学界に衝撃を与えたんですね。
     なぜかというと、それまで胎児というのは……またこれもギリシャ時代の学説をそのまま信じていたんだけど(笑)。
     ギリシャ時代の学説によれば「馬のお母さんの子宮の中には小さい馬が入っていて、その小さい馬が段々と大きくなって、馬の赤ん坊として誕生する。妊娠したメス猿のお腹の中にも小さい猿が入っていて、それが段々と大きくなって猿として生まれる。それと同じように、人間のお腹の中にも、最初から小さいサイズの人間が入っていて、それが段々と大きくなって、赤ん坊が生まれる」と。観察もしてないのに、ギリシャの医者はそういうふうに考えていたわけだよね。
     しかしウィリアム・ハンターはこれを否定したんだ。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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