岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/05/30
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2019/05/19配信「『ムーミン』の光と影、そして『ムーミン』 俺語り」の内容をご紹介します。
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2019/05/19の内容一覧
- アニメ3本と『なつぞら』朝焼けシーンの意味
- 『ムーミン』アンケート
- 日本だけの『ムーミン』の特徴
- 封印されたアニメ
- 3種類の異なるムーミン
- 父親としてのムーミンパパ、エロスとニョロニョロ、ムーミンママの孤独
- 告知
- 反体制として作られたアニメとその封印
- ムーミン谷という世界の変化
- ムーミン屋敷と海のオーケストラ号の模型について解説
- 『ムーミン』特集とムーミンマフィアの関係
アニメ3本と『なつぞら』朝焼けシーンの意味
じゃあ、今週の『なつぞら』の動きなんだけど。
主人公のなつが、冬山の中で遭難しかけた時に、木彫りの熊を彫ってるオッサンのところでお世話になって、一夜を明かして、「助かった、助かった!」と。
それで、家へ帰る時、朝日が登って来て、十勝の山が朝焼けで光るんですよ。このシーンが結構、長いんですよね。
(パネルを見せる)
ここが「朝日が登って来たら、その朝日が放射状にちゃんと光を放っている」っていうふうに、明らかに何か意味があるシーンとして描かれてるんだ。
なぜ、こんなシーンが必要だったのかというと、これは「なつが決意する瞬間だから」なんだけど。
でも、なつは十勝を捨てて東京に行ってアニメーターになりたいわけじゃん? だから、本来は十勝の大自然の美しさを見せるというのは、ここでは間違ってるんだよね。十勝の大自然の美しさを見たら、東京に行きたくなるはずがないんだよ。
では、なぜかというと、これには元ネタがあってですね。
(パネルを見せる)
これは、なつがアニメーターになりたいと思ったきっかけである、ディズニーの『ファンタジア』のラストシーンです。「アヴェ・マリアが掛かる中、山の向こうから太陽が登ってきて、放射状に陽が射す」というシーンなんだけど。
この『なつぞら』の中の十勝の日の出、放射状に光が伸びて雲に光が当たってるっていうのは、構図的にもほとんど同じだし、色味的にもメチャクチャ寄せてるんだよね。
これ、どういうことかというと、なつはこの十勝の夜明けの朝焼けを見て『ファンタジア』を思い出して、「まるでアニメーションみたいに美しい!」って思った、と。
アニメっていうのは、現実を更に美しく描くことができる。
なつがこの十勝の朝焼けに感動できたのは、数日前に『ファンタジア』というアニメを見て感動したから。
「あっ! あれと同じ美しいものが、今、目の前にある! そうか! アニメっていうのは、こういう朝焼けに本当に出会えなくても、同じような感動を伝えることが出来るんだ! そして、アニメを見てるとその現実がもっとより感動できるようになるんだ!」ということが、ハッキリわかったから。
こんなに夜明けが美しく思えるのも、アニメのおかげだというのことがわかったからなんだよね。
このシーンがあるから「なつがアニメーターになる」という部分を、ちゃんと描けているんだけど。
ただ、この『ファンタジア』の夜明けのシーンは、『なつぞら』の中で、なつが映画を見るシーンとしては全く映してないから、知らない人にはわからないといえば、わからないわけだよね。
そのうちシナリオ集とかが出てきたらハッキリすると思うんだけど、今のところ出ているのは、『なつぞら』の前半をまとめたNHKのムック本だけなんだよね。
そのムック本のあらすじを見たら、なつが朝焼けを見るシーンには、「まるで映画のように美しい朝焼けを見て~」ってちゃんと書いてあるから、脚本には指定があるんだろうけども。
相変わらず、視聴者置いてきぼりというか、「こういう伏線みたいなことってNHKもやるんだな」と思って、ちょっとビックリしました。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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