岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/07/25
今日は、2019/07/07配信の岡田斗司夫ゼミ「新スパイダーマン+都市伝説「NASAとLINEの陰謀」&70年代トラウマ・マンガ〜今夜のゼミは甘辛ミックス!」からハイライトをお届けします。
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では、「今週の都市伝説」……ということでもないんですけど。ちょっと、変な話も時々話していこうと思ったんで、これの話をします。
(パネルを見せる)
これは「オウムアムア」という物体で、歴史上、最初の恒星間移動天体とか、恒星間移動物質と言われています。
つまり、「別の太陽系から来て、僕らの太陽系に来て、また他の太陽系に去って行った物質」なんですけど。長さ400メートル、直径40メートルという、すごく長い形をしています。
正しくは「オウム・アムア」と発音するのではなく、「オウ・ムアムア」です。ハワイの天文台が発見したハワイ語なんですよ。
なので、「カ・メハメハ」と同じように、「オウ・ムアムア」と発音すると、ちょっと本格的になると思います。
これ、2年前に太陽の近くまで来て、その後、地球をかすめて通り去ったんですけども。地球をかすめる、わずか4日前に発見されました。
では、その正体は何だったのか?
これね、形からして、あまりにも変なんですね。
というのは、こいつは自転しているんですけど、この天体自体が持っている質量と、自転による遠心力というのを考えてみたら、いつバラバラになっても全然おかしくないんですよ。
なのに、この形を保ったまま、太陽系から太陽系へ、4千万年くらい掛けて旅をしてるんですね。
「これはありえない!」というふうなことで、正体は何だったのかということが調べられて、大騒動になったんですよね。
大騒動になった原因は、ハーバード大学の天文学部長という、立場のある責任者エイブラハム・ローブ(Abraham Loeb)という人が、「これは宇宙船ではないか?」という仮説を立てたことなんです。
この「宇宙船ではないか?」という仮説を立てたのが、単なる素人とか、怪しげな人ではなく、ハーバード大学の天文学部長だったということで、大評判になったんですけど。
その理由は、「このオウムアムアは、太陽系を脱出する時に加速している」ということなんですね。
(パネルを見せる)
物体が、ある大きな質量を持ったものに近づいて離れる時、その質量がこっちを向いていて、その後ろ側を通るように近づいた場合、物質は加速するんです。これを加速スイングバイ、もしくは重力カタパルトというふうに言うんですけど。
しかし、オウムアムアを発見したハワイの天文台が精密に観測した結果、それらでは考えられないような異常な加速が発見されたんです。
重力カタパルトの理論値ではこの加速度が説明出来ない。ハッキリと観測できるくらい多い、と。
天体現象として「観測できるほど多い」ということは、明らかに、重力場による加速以上の何かの力が掛かっているわけです。
まあ、一応「表面の物質が太陽の熱で蒸発したことにより、ジェット噴射が起きたんだけど、それが観測では見つからず、わからなかっただけだ」という説で、納得する人は納得するんですけど。
その後も、発見されてから2年くらい、議論が続いているんですよね。
で、議論が続いている中で、1週間くらい前に、NASAが「これは宇宙船ではない」と、公式発表をしました。
その発表によれば「たぶんジェット噴射である」と。これが公式発表なんですよ。
「たぶんジェット噴射である。ただ、そのジェット噴射は観測されていない」と。だから、もう変なんですよね。
科学的に「これは宇宙船ではない」と立証するのは、すごく難しいんですよ。
立証するためには、「じゃあ、あの変な加速は何だったのか?」という原因を特定しないと、そんなこと言えるはずがないからです。
それを「たぶん、僕らには見えないところで、表面の物質が蒸発して、それが太陽の熱でジェット噴射された結果、加速した」って言ってるんですけど。
さっきも話した通り、このオウムアムアは「回転している」わけですよね? 「この細長いモノが回転しながらジェット噴射をしたからといって、都合よく加速するのか?」というのがあって(笑)。
僕は普段、アポロの月着陸は嘘だった説とか、宇宙人はすでに地球に来てる説みたいなものに対しては、「そんな馬鹿なことあるかよ!」というふうに懐疑論の立場から疑って掛かるんですけど。
でも、このオウムアムアの加速に関しては、「ちょっとNASA、説明できないことを無理矢理、説明しちゃったな」という気がしています。
「今、探査機の1つを、オウムアムアを追いかける軌道に乗せる」という計画が進んでいます。
やっぱり、他の惑星の重力を使った重力カタパルト、加速スウィングバイというのを使うんですけど、それを2回くらい重ねると、2049年にはオウムアムアに追いついて近くから観測出来る。そうなれば、今回の不思議な加速の謎、もしくは、オウムアムアの正体もわかるのではないかと言われています。
つまり、正解は30年後になるんですけども。
30年後なら、僕らもなんとか生きてますよね? つまり、30年待てば、オウムアムアの加速の正体、イコール、これが一体何だったのかというのもわかると思います。
その時まで楽しみに、「流石に宇宙船ではないと思うけど、万が一の可能性もあることはあるよね」というふうに考えておけばいいんじゃないかと思います。
「ギリギリ生きてるかな」(コメント)
気弱なことを言わないで!(笑)
「マクロスじゃない?」(コメント)
そんなには大きくないんですよね。
長さ400メートルくらいだから、宇宙戦艦ヤマトより、ちょっと大きいくらいなんですけれど。
「岡田斗司夫、根性あるな」(コメント)
そうですね。
「生きるつもり?」(コメント)
もちろん、そうですよ! 30年後と言ったら、僕はまだ91ですよ?
流石に、この岡田斗司夫ゼミが、ドワンゴのニコニコ生放送という企業形態ではなくなっているかもわからないし、もしかしたら、火星人に征服された後の地球で、細々とレジスタンス放送としてやってるかもわからないですけど、生放送は続けてますよ!
ひょっとしたら、もう、お年寄りのために、15分くらいで終わる放送になっているかもわからないですけど、続ける予定でございます(笑)。
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