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 不動産業について、先月第2週の続きになります。

 前回コラム⇒http://okuchika.net/?eid=8005


 まず本来の住宅行政とは、良質で安価な住宅を広く国民に提供する仕事のはずであり、不動産業や金融業などの業界利益(既得権益)を維持させるために、借家の賃貸料を下げないよう画策しつつ新築住宅購入に誘導し、結果として国民を借金漬けにし、ウサギ小屋に押し込む事ではありません。

 海外主要国では若い人のために賃貸住宅を安く借りられる制度などで支援している国がありますが、日本にはそのような支援策がありません。
 何故かと言えば、下手に支援して周辺賃料が下がると不動産価格に下げ圧力がかかり銀行を含めた関連業界に悪影響が及ぶからです。それと同時に新築の家を買ったついでに家電など色々なものを買わせGDP(産業界)に貢献させるため、出来るだけ借金をさせて消費を促し、政官業の役に立つよう仕向けるのが国の仕事になっています。


 余談ですが、消費税の増税緩和策として新改築に伴う助成金の対象期間を延ばすとか、ポイント還元案なども出ているようですが、様々な既得権グループに配慮した寄せ集め案であり、且つ族議員が放つ「この時とばかり!」の利益誘導策で二兎三兎を追う折衷案だらけですから、何のための増税か?ゴキブリを太らせるためか?と呆れます。

 しかも効果も不明な軽減税率まで導入して国内小売市場を混乱させています。国家の将来がかかる重要事案に対して目くらまし策を小出しにしても無意味と思いますが、自身が既得権側であるマスメディアが沈黙したままですから世も末です。
 税率引き上げの理由を補完するために政局の道具にされており、特に公明党が主張する商品券のバラマキなど効果も薄く、同党のアピール策でしかありません。


 こんなことを繰り返している故に、一人当たりGDPは3万ドル台半ばと金額の国際比較では悪く無いのに、何せ住居費や食料品価格などの生活必須コストが高いために、長時間働いても生活は楽にならず、国民の幸福感や満足感が満たされません。
 言い換えれば、新興国の方が生活コストは安く、所得が日本人より低くても余程豊かな(精神的にも余裕のある)生活を送っている国が多々あります。

 UR都市機構(大型天下り組織)を利用して行政自らが市場に参入し、血税を運転資金替りにマンション販売や賃貸事業で民間の不動産業者と競合するなど、天下り組織の肥大化を目的にされていては堪りません。旧住宅・都市整備公団からの悪い流れをくむシロアリ組織が倫理観を失い暴走した結果として、2004年に看板を掛け替えURが発足したものの、懲りずに天下りを続け、旧態組織を変革できないまま今に至っています。

 この悪質行政こそが「国民は生かさず殺さず」に結びついています。


 このような国民軽視の政策を続け、そして経済犯罪や詐欺に対する法整備を(緩い罰則のまま)放置してきた結果として、起こるべくして起こったのがスマートハウスの書類改ざんでありスルガ銀行の不正融資です。小粒なものも含めれば全国至る所から出てきそうです。

 マイホーム購入をお考えの方は、是非とも悪質なセールストーク(及び虚偽表示など)に騙されないよう気を付けてください。ここ数年で首都圏のマンション価格は随分と値上がりしました。特にローンで購入する場合には数十年以上に渡り人生の生殺与奪権を債権者(銀行)に握られることになるのですから、十分な注意が必要です。


 さて、米国中間選挙では下院を民主党が制したことで、ナルシシストが幾ら過激なことを言い出そうが、それなりの抑止力になると期待します。突飛な事柄の発生が抑えられることでマーケットにも安心感が出てくるのではないでしょうか。

 米国株(含む海外株)には不透明感が漂いますが、国内株式につきましては貿易摩擦の影響があるにせよ大きく業績が悪化するなどは考え辛く、また日銀の超緩和策も続くでしょうから、割安となったものは買い易い環境になったのではないでしょうか。

 債券市場につきましては、景気鈍化の懸念から「米国金利が3.5%を越えて・・・」と言った論調が減り投資し易い局面に入ってくるのではと考えています。


 これからの数か月程度は投資に追い風の環境になって欲しいと願っています。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)