株式投資に取り組む億の近道の読者の皆さんの夢はどういったものですか?


 株で儲けるというのは結果論ではありますが、夢の一つかも知れません。
 ただ、奥の深い株式投資を極めるには一定期間が必要となります。

 株式も金融商品の一つなのでリターンとリスクの関係で語られることになります。市場に参加している多くの投資家が求める商品へのニーズが高まれば過去投資した投資家のリターンは高まりますが、そのニーズの高まりのためには投資された企業の成長が必要となります。

 様々なタイプの市場参加が求める期待するリターンの度合いも様々。
 リターンを単純に言えば、インカムゲインとキャピタルゲインがありますが、最近の市場ニーズはインカムゲインにやや偏っている印象があります。その結果、有力株雑誌でも高配当銘柄特集を打出すことになっています。
 私もこの高配当利回り銘柄を本誌などで取り上げる機会が増えてきました。

 相場な二律背反。
 高配当利回り銘柄に関心が高まる一方で、無配であったり配当利回りの低い銘柄の株価は低迷。これらはかつて夢を投資家に語り人気を集めていた銘柄群です。

 株式投資の王道は成長株にあり、成長性を先取りすることも日常茶飯事。
 ただ、PERの尺度で50倍から100倍といった株価で評価された高PER銘柄が期待に反してなかなか成長しないとなると投資家は失望し、売りを敢行することになります。

 キャピタルゲインを求めて投資した投資家の失望売りが多くの成長期待の株に表れているのが現在の日本株に表れている現象です。


 また、これは創薬ベンチャーや未来先取り型のハイテク新興ベンチャー企業にだけ見られる現象ではありません。

 これまで人気化してきた多くの主力コア銘柄群が調整する展開が見られる直近の相場を冷静に読み解く必要があります。

 株価の変遷は小さな時価総額が徐々に拡大する企業の姿を投資家が分析して共感して未来の事業発展の夢に賭けることでポジティブに創出されます。その夢の実現が道半ばとしてもその実現をあきらめる投資家が増えれば株価は低迷する訳です。
 また自動車、電機、機械、化学といった日本を代表する主力銘柄も行き過ぎて評価されてしまった銘柄も一旦株価が打ったとなれば一定期間の調整が必要となります。これは機関投資家などの投資家側の問題でもあります。

 時価総額が大きな企業への投資は現実的な利益成長が主たるものとなりますが、時価総額が200億円以下に留まる銘柄には一定期間後に予想される利益の伸びだけでなく、社会に与える提供する製品やサービスのインパクトがあります。

 例えば空中結像技術のビジネス化を図るアスカネット(2438)などもその一つ。オーナーである福田氏の情熱的な思いがこの製品の事業化には込められています。
 投資家もこの思いに乗って一緒に夢を見ようとしているのかと思います。


 夢を見るのは多くは技術系ですが、ほかの業種においてもこの夢を一緒に見ようとする事例もあります。例えば熊本発全国展開を標榜する住宅メーカー、LibWork(1431)についても経営者からは中期的な時価総額500億円のメッセージが語られ、その実現に向けた施策を共通認識として投資家には夢を持ってもらっています。


 最近不人気のIT系銘柄にもそうした事例はあります。

 佐賀大発ベンチャーのIT×〇〇を展開するオプティム(3694)が典型的な銘柄と言えます。同社は2014年に上場したIoTプラットフォームサービス企業で菅谷オーナーの下で事業展開しており、日本の産業の中でDX化が遅れてきたと考えられる建設や医療、農業などに向けたシステムサービスを展開して急成長を目指しています。
 上場後に4回の株式分割を実施し発行済み株式数が32倍にもなったため希薄化。夢追いの結果として株価は2020年の3840円まで大きく上昇したのですが、直近は716円まで低迷してしまいました。業績が踊り場を迎え希薄化によるEPSの伸び悩みがここでの株価低迷につながっていますが、無配ということもありそうですが、DX化の推進による成長の夢はこれからが本番だと思われます。また夢は捨てる必要はないかと思います。


 こうした夢追い投資が停滞しての株式市場には高配当を追い求める実利型と夢追い型を兼ね備えた銘柄も限定的ながら存在しており、そうした銘柄が注目されているのも事実です。

 皆さんも引き続き低迷中の銘柄に夢を見出してみてはいかがでしょうか。


(炎)


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