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全体相場より明るいムード漂う師走のIPO
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全体相場より明るいムード漂う師走のIPO

2022-12-22 15:17



    ~その中で売られる銘柄もあり二極化の展開~


     いよいよ師走相場も残り2週となり、大納会に向けラストスパートを控える状況です。

     海外株安に連れ安した日本の株式相場は売り方と買い方の戦いがまだ続いていますが、運用成果を高めるために最後まで気の抜けないクリスマス前の相場展開となってきました。

     相変わらず全体相場の調整がまだ続く中で、IPOがラッシュを迎えようとしています。
     12月1日のサイフューズ(4892)のIPO以来、途絶えていた師走のIPOが13日のproperty technologies(5527)から本格化。12月は1銘柄が取り消され29日のスマサポ(9342)まで25銘柄が上場予定となり、例年通りのラッシュ状態。
     これにより今年のIPO銘柄合計は91銘柄となりますが、特に12月後半ラッシュ状態となり消化難となる恐れもありますが、直近のIPO銘柄の動きを見ているとなかなか堅調な値動きが見出せます。

     12月のIPOの中にはユニークなビジネス展開を見せている成長銘柄も含まれていますのでIPO銘柄に関心をお寄せの投資家の皆様にとってはここでの変動を楽しんでおられるものと拝察致しております。


     7年9カ月ぶりにグロース市場に再上場を果たした3社目の航空会社であるスカイマーク(9204)が早くも公開価格1170円に対して8.7%上回る1272円で無事に離陸したと思ったら早くも1500円台乗せ。コロナ禍後の観光客増加という短期的な収益拡大期待をポジティブに見る投資家の関心が高まっているようです。

     更に同日登場の環境関連、資源リサイクル事業を展開する大栄環境(9336)がプライム市場に上場。公開価格1350円を26.7%上回る1710円で取引を開始。4日目の本日も2050円まで買われるなど上場後も堅調な株価推移を見せています。

     先週15日にはモビリティデータ活用サービスを提供するスマートドライブ(5137・G・公開価格1320円)がIPOしていますが、これについては経常赤字が今期も続くとあって期待に反して上場後公開価格を割れるなど下値模索が見られます。

     16日はワーキングデータプラットフォーム事業を展開するオープンワーク(5139・G・同3150円)、レンタルスペース予約プラットフォームを展開するRebase(5138・G・同920円)、飲食店向け生鮮食品Eコマースサービスを展開するフーディソン(7114・G・同2300円)の3社がIPO。いずれも興味深いビジネスを展開しており、IPO後の初値形成、その後の株価変動への関心が高まっています。


     こうしたIPOラッシュの中で取り残された感があるのが直近のIPO銘柄です。とりわけ9月から11月にかけてのIPO銘柄には事業内容や業績の影響と言うより換金売りによる株価下落が見出されます。忘れ去られようとする過去のIPO銘柄にもなかなかユニークな銘柄が存在するということを念頭に入れながら投資家の皆様には取り組まれてはどうでしょうか。
     IPO後の株価の低迷は投資家の理解が不足しているということもあります。

     10月7日に上場したラグジュアリーゴルフブランド「MARK&LONA」を展開するキューブ(7112)の株価は公開初値2190円から本日の安値まで2か月足らずで4割もの下落を見せていますが、先日企業訪問した限りは成長指向の高収益企業との印象です。皆さんも一度吟味されてはいかがでしょうか。但し、売上の3割を韓国市場に依存している点がリスク要因と受け取られているようです。IPOラッシュの中で理解不足となってしまうとリスクの渦に巻き込まれるなどということもありますので要注意です。

     先日はオンデマンドプリントサービスのイメージ・マジック(7793)が今期の業績見通しを大幅に下方修正。出来高を伴っての株価急落場面を迎えています。取材する限りにおいては中長期的な成長期待はあるのですが、GMO系企業のクライアントの売上減が影響しての下方修正という点は残念なことですが、IPO直後の下方修正だけに、しばらくは様子見の動きを余儀なくされるものと考えられます。
     こうした状況下で海外市場を睨んだ展開も山川社長は想定しているようで、ここでの踏ん張りを期待したいところです。
     時価総額が期待される収益に対してどの程度の水準なのかも念頭に入れておきたいと思います。今4月期の経常利益の見込み3.7億円が0.25億円という急激な下方修正という難しい局面となり、株価は一気に時価総額19億円台まで売り込まれた訳でここから急浮上のためには今下期から来期に向けた業績の回復が必要となります。ここでの投げを拾う投資家もお見えになりますが、それは同社にとって真の応援団とも言うべきかと思われます。少しまだ早いですが、来期の経常利益がV字回復となることを祈願してまた取材を敢行してみることにしたいと思います。


     こうした悲喜こもごものIPO銘柄ですが、長期的に成長の期待される多くの有望銘柄も内包している筈。今週もしっかりとIPO銘柄をチェックしていきたいと思います。


    (炎)


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    本日(12/19)配信内容は、
     ■相場展望
     ■元気な12月13日からのIPO銘柄(7銘柄9
     ■今週のIPO銘柄(11銘柄)
     ■令和4年9月IPO銘柄チェック(9銘柄)
    です。


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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