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元気な人達3
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元気な人達3

2014-04-28 12:56
    このメルマガを書き始めた頃、2008年末~2009年の初旬に「元気な人達」 との題で、当時リーマンショックで暴落していた不動産を買い漁っている方達のことを書いたことがありましたが、その方達は昨年春頃までは元気だったもの の、最近では買える物件が無い、つまり価格上昇(利回り低下)により投資妙味のある物件が無くなってきたとのことで、随分と静かになっています。

     つい先日も仙台のオフィス物件で不動産ファンドとコンペになり大差で負けたと仰っていました。ファンドには昨年から相当額の金が集まっており、首都圏では利回りが出ないために地方都市で物件を買い漁っているとのことです。

     小職と付き合いがある範囲の、この元気な人達が目安とする利回りは8%前後であり、一昨年までは7%台の物件も仕入れていたらしいのですが、最近では優良と思われる物件は既に5%を割っていることから「無理はしない」との判断で新規投資を見送っているそうです。
     ファンドの場合には(より大きいリスクを取り)レバレッジを効かせて収益を拡大するのが仕事ですから物件利回りが5%もあれば十分な利益を出せます。し かも人の金でのリスクテイクを前提に商売していますし、金が集まれば投資しない訳に行かないのですから、個人富裕層もしくは中小投資会社が一定以上のリス クを取りたくないからと無理をしないのとは別の投資行動(投資しなきゃならない)になります。

     一方の経済面に目を向けると、これだけ日銀が市場に金を流しているにもかかわらず、物価上昇率の改善は輸入物価に底上げされているだけでありGDP成長 率もやっとプラス圏に入ってきたレベルですから、慎重に見れば景気回復と言うにはまだ程遠いと言わざるを得ません。国内では不動産や株価などの資産バブル が先導する景気回復感が先行(資産家だけが潤っている)していますから、これからはTPPの締結や規制緩和など、抵抗勢力が巨大であるものの、景気拡大へ の施策を如何に国全体に波及させるかが課題となっています。生産性向上による収益増、そして賃金の増加等による需要牽引型の景気回復にならなければ庶民の 生活改善感は出て来ません。

     そんな中で、今はどんな業種が儲かっているのか?元気な人達は居るのか?高級クラブなど飲食業を経営する人に最近の客層の傾向を聞いて見ました。彼の答えは以下の通り。

    1.売買が主体の不動産業者(賃貸仲介関係は横ばい)
    2.不動産ファンドの関係者
    3.医薬品販売にかかる医療関係者
    4.介護事業関係者
    5.土木関係の建設業者

     特に、一昨年まで鳴りを潜めていた2~4の業種の客が増えているのが特徴とのことです。

     説明によると・・・、1.は分かり易いですね。それと気になるのが昨年から急改善している証券・金融関係者ですが、昨年から証券関係者が多くなったかと 言えばそれ程でもないらしく、昨年前半は一時的に目立ったものの秋以降は元に戻ったとのこと。前期は業績が急改善しましたが下期はイマイチでしたし、低迷 期が長かったことからお金の使い方には慎重になっているのかもしれません。
     2.は昨年から急増したらしいです。金が集まっていますし優良物件探しは人脈が大事ですから、金融機関の内部情報をいち早くキャッチするためにも飲食が増えていると想像できます。
     5.も大震災以降の公共投資の大盤振る舞いがニュースになっている程ですから分かり易い部類と言えますが、予想外だったのが3.と4.です。

     医療関係者の接待は大幅に自粛されていたはずで、一頃は銀座界隈でもお医者さんへの接待が随分減ったとの声を良く聞きましたが、昨年から回復基調にある そうです。医薬品に関連する業者がその主体だそうですが、消費増税分が社会保障費に廻される訳ですから、それを目当てに医療費増加分を何とか取り込もうと 虎視眈々のはずで、色々と接待予算をやりくりしているのかも知れません。大規模なデータ改ざんなども次々と発覚している問題業種です。

     それともう一点、ここ数年調剤薬局が増えていますが、これらをチェーン展開している会社関係者またはオーナーが元気だそうです。大病院前に軒を連ねる調 剤薬局オーナーや会社が接待している相手・・・結構複雑で面白いです。この金を巧く利用しているMR(製薬会社の営業さん)も居るそうで、医薬品メーカー と調剤薬局、医療関係者(ついでに厚労省天下り組)が結託して国民の医療費を収奪している姿です。

     最近特に・・・、病院へ行くと以前に比べて処方される薬の種類や量が随分と増えたように感じます。先日は娘が診察後にもらってきたニキビの飲み薬の量に も驚きました。統計を見ても減らさねばいけないはずの医薬品支出が増加傾向です。厚労省や総務省に任せておいては国民医療費は拡大の一途となるのでしょ う。行政予算が巨大なだけに厚生・医療に係わる族議員も相当の数に上ります。混合診療解禁に就いては(堕落した)医師会だけでなく調剤薬局グループも反対 に共闘しているようです。仲間ですから。

     ところで4.の介護事業者がそれほど元気とは想像できませんでした。儲かっているのでしょうか?サ高住や特養ホーム経営者なども仕事仲間におりますが、 彼らからは年中「国の規制や管理が厳しくて儲からない」と愚痴っているのを聞いているからです。この辺りが分かったら、そしてキナ臭い部分を見つけたらま た書きたいと思っています。

     国内株式マーケットは試行錯誤を続けながら上下動を繰り返していますが、オーソドックスな投資指標やデータなどからばかりでは無く、もっと裏のドロッと した観点から見るのも面白いと思います。例えばここ最近の下落は一部のファンドの売りだけではなく、年金の代行返上に伴う換金売りも影響していますから、 正常な投資判断による売りではなく政策的な都合による売却も含まれています。
     また、昨年春頃はバイオ関連の銘柄が囃されましたが、技術力や市場環境が云々と言うより、まずは金が付き易いタイミングだった、政権交代で追い風が吹くはず・・・などなど、市場は金の匂いにとても敏感だと言う事なのだと思います。

     それにしてもと、小職が好きな大手商社株は勿論の事、3%近い利回りがある利益回復中の自動車最大手トヨタが売られ、若干の減益予想とはいえ日本を代表 するメガバンクのPBRが1倍割れしたり、増益確実な自動車部品銘柄がPER一桁でPBR0.5~0.6倍なんて銘柄ゴロゴロしてるのが信じられません。 これら万年割安株なぞ、私に金があれば「5割以上買い付けて経営陣総入れ替え!」と言いたいところです。
     ヤフーも「イー・アクセス買収」のニュースで売られていますが、それ程売られる理由なのかなぁ~?と思います。ソフトバンクは実質子会社であるヤフーに LCC(割安電話)をやらせてグループからの顧客流出を止める一方、ソフトバンク自身はキャッシュ捻出も出来ました。何よりヤフーは営業利益率50%を誇 るキャッシュリッチ企業ですから、グループ内での相乗効果を思量すれば、このニュースで売られたソフトバンクやヤフー株は割安に感じます。アリババも近く 上場しますからまだまだニュースには事欠きませんし。

    (街のコンサルタント)

    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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