物やサービスを求めて不特定多数のユーザーや消費者が市場に群がります。そうした市場で活躍するプレーヤーの多くが株式市場に上場を果たして、投資家から資金を集め、利益を追求します。
個人と同様に企業には歴史があり、社歴を重ねる中で利益を内部蓄積していきます。内部蓄積された資金や資産は株主のものですが、利益の増加に寄与しない遊休資金や遊休資産を抱えたままの企業は、ROEを高める努力や利益を生むための適切な投資を行う必要があります。
企業が儲けるには既存事業の拡大と新規事業への投資、M&A投資、その他金融資産への投資などが考えられます。モノへの投資もあればヒトへの投資などがあり、それらを新たな経営資源に入れながら、利益成長を達成することが必要です。
日本の株式市場に上場する2000社近い企業がPBRが1倍以下となっており、多くが解散価値を割っている状態です。また、その多くは有利子負債が多く、流動性に欠けている状況です。通常の個人投資家が投資しても大して面白くないので大半は放置され続けています。
また大半が経営が保守的で成長指向に乏しい状態が見られます。
例えば日本の株式市場で低PBR銘柄の最上位企業は遠藤製作所(7841・時価303円・PBR0.2倍)です。
ゴルフクラブの製造のほかステンレス極薄管、自動車鍛造部品が収益源となっています。前期はゴルフクラブが赤字に転落。今期も業績の足を引っ張る見通し で、大幅な赤字が見込まれます。結果として株価が低落しましたが、実質現預金27億円に対して実質時価総額が26.5億円となってほぼ株価面では下値水準 に届いています。
ただ今期の業績が赤字転落となる見通しで、反転上昇にはまだまだ時間がかかるかも知れません。
もし、事業構造改革の推進で先行投資が必要で赤字となる見通しであれば、今後の展開には注目すべきです。
PBRが単純に低いからと言って必ずしも投資してリターンが上がるとは考えない方が良いかと思います。PER面、今後の事業発展性、業績の成長性などを吟味してみて、何らかの可能性を感じることがなければ投資によるリターンは上がらないと考えておいた方が良いでしょう。
唯一、成長性がなくても自社株買いの余地や増配などの余地があれば一定の水準まで株価は上昇することが考えられます。
そうした意味で比較的キャッシュが潤沢で先行投資が進みつつある大成温調(1904)、テノックス(1905)、サイネックス(2376)、KG情報 (2408)、平田機工(6258)、三相電機(6518)、KSK(9687)、コンセック(9895)などの低PBRバリュー株の動向に注目しておき たいと思います。
(炎)
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