日経平均2万円台乗せ後の株式相場はどうなるのか?
多くの皆さんが関心を寄せている筈ですが、強気の意見が多いのではないかと思います。2020年のオリンピックに向けた意識とアベノミクスの方向性が明確になっていることが強気の意見につながっているのかも知れません。
街中に足を運んでも外食レストランはそこそこお客さんで一杯だし、景気は上向いている?と感じる人が多いのかも知れません。もしかしたら景気が上向いているという実感がまだない人もいるのかも知れませんが、株高は消費にも少なからずプラスに働くものと見られます。
年金資金を用いた株高施策、いわゆる官製相場に外国人が追随した相場をネガティブに言う必要はありませんが、もうすぐ年金資金も底をつくとの指摘もあり ます。それに代わるのが10月に上場が控えている日本郵政グループのゆう貯マネー。既にゆう貯銀行の預入限度が1000万円から3000万円まで引き上げ られようとしています。官製相場はなおも続く可能性があります。
指数の上昇が収益価値をベースにしたものではなく、流動性重視がベースになっているのではないかと見られます。米国は既に金融相場から業績相場に移行し はじめているのかも知れませんが、日本はまだ金融相場の中にあると見られます。10年物国債の金利は0.4%台で銀行の定期預金金利は更に低い状況下で結 局は株式などのリスク商品に関心が向く状況下で、株価の上昇トレンドが続き、いつの間にか日経平均は2万円台に乗せているということになっている訳です。
そうした中でのギリシャ問題での波乱は久々に慎重に考えるタイミングをもたらしているぐらいに考えておきたいと思います。
さて、冒頭のタイトル。
株式市場では各上場企業に株価がつき、その株価に発行済み株式を掛け算して計算された時価総額が結果としてランキングされていることは皆さんもご存じの 通り。こうした局面で日本の株式市場に上場する企業もいつの間にか時価総額が膨らんでいることに気がつかれているかと思います。
日本最大の時価総額企業はトヨタ(7203)で現在の時価総額は28兆円。上位10社の時価総額合計は108兆円。全時価総額617兆円の17.5%は10社の時価総額となっています。
世界ではあのアップルが世界最大の時価総額となっています。また、米国企業が上位を占めている状況ですが、株式市場では将来性も加味した評価の下で時価総額競争が繰り広げられていると言えます。
かつて日本でもITバブル時代に上場を果たして人気を集めた企業はたくさんあり、折しもスタートしたベンチャー市場、東証マザーズにはたくさんのIT系企業が押し寄せて賑わいを見せたということを思い出しておられるものと思います。
その典型的な事例が世界一の時価総額企業を目指したライブドアでした。
あのホリエモンが創業したベンチャー企業ですが、時間とともにライブドアのことが忘れ去られようとしていますが、本日は改めて思い出して頂こうと思います。
ライブドアは学生ベンチャーの走りでもあり、IT系企業として東大卒の堀江貴文氏(後にあのドラえもんにも似た体型からホリエモンと称された)によって創業されました。持前のITの知識をひっさげて最初に始めたのはWEB制作ビジネスでした。
私も八丁堀界隈にあるイベント会場で開かれたセミナーでの若かりし頃の髪の長いホリエモンの話を聞きに行ったことがあります。
今から思えばWEB制作ではそれほどの価値はなかったのですが、上場直後の時価総額はいきなり500億円台がついてしまいました。この時代は将来への期待が株価の形成の基本となっていましたので、この程度はあっても不思議ではなかったかと思います。
ところがその後すぐに業績が思ったほど伸びず、時価総額は43億円にまで低迷したそうです。私もその当時、億の近道にライブドアの話を書いたかと思いますが、上場時からいぶかしく思った口です。
(編集部注:「分割に喝!(勝つ!)」2004/04/12号など)
http://okuchika.net/?eid=5746
その結果、一切ライブドアとのご縁はなかったのですが、メディアでのその後のホリエモンの活躍を目の当りにしたことは皆さんと同じです。
ライブドアはWEB制作会社からM&A指向により、株高を醸成し一時は8000億円台という時価総額水準にまで至りましたが、その後は粉飾決算が発覚し てホリエモンが逮捕されるという事態が生じてしまいました。これで資産を亡くした投資家がたくさんいらっしゃったかと思います。
ホリエモンは今でもメディアに登場し、多くの若者に起業家になるよう勧めていますが、その当時のライブドアがまともな企業として地道にビジネスを継続していたならどうなっていたでしょう?
ライブドアが市場からいなくなっても今や株式市場には時価総額1兆円以上の企業が128社もあります。
その予備軍ともなりそうな企業も数多くあります。私のざっくりした計算では妥当な時価総額は予想経常利益の10倍程度だと考えています。それでいくとト ヨタは30兆円の時価総額が妥当となりますが、今回発行の種類株を加味すれば今期の業績見通しではほぼ妥当なところかと見られます。
設立間もない新興市場に上場する企業が1兆円以上にも時価総額が膨らむには、いくつもの困難な状況が想定されますが、グローバル指向で1000億円もの経常利益が見込めるぐらいの収益力がついてくるのであれば可能性が見えてきます。
目指すところが世界一の時価総額だという企業はなかなかあれ以来、出てきませんが、そろそろそうした元気のある企業が登場しても良さそうです。
(炎)
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