お初にお目にかかります。
ストレートエッジの新米編集・はせさんじと申します。

バーチャルな連想をする名前ですが、中身はしっかり生身の人間です。
以前はお堅い専門書を扱う出版社にいましたが、そこから小説の編集がしたいと思い昨年転職しました。

第3回目のリレーコラムを私が担当ということで、今回はシンプルに自分のお気に入り作品を紹介します。前回、前々回と上がったテーマのハードル。その下をくぐる形ですが、読んでいただけると幸いです!


さて、紹介作品を書く前に、皆さんは「編集者」という存在をどのようにして意識するようになりましたか? 読者が関心を向けるのは作者だけですし、メディアに取り上げられても、そこに担当編集の名前はまず載りません。

小説投稿サイトが数多く存在し、誰でも作品を発表し読者と繋がることができるいま、「編集者の存在意義」が揺らいでいます。

かくいう昔の私も「小説をつくるのは作者で、編集者なんて……」くらいの認識でした。
我ながら、酷いことを考えていたものです。


そこに衝撃を与えたのが今回紹介する、
野村美月先生の『”文学少女”』シリーズ(ファミ通文庫)

「でも少し……この風……泣いてます」の方ではないですよ。


これは
「作家にとって編集者が必要不可欠な存在」
と教えてくれたライトノベルで、私が編集者を志す発端ともなりました。

本チャンネルに登録してくださっている方にはピッタリの作品ではないでしょうか!
「このライトノベルがすごい!」で何度も掲載されたので、知っている方も多いと思いますが……。


『”文学少女”』で軸となるお話は、文芸部に入った主人公・井上心葉と生粋の文学少女である先輩・天野透子が、実在する文学作品(『銀河鉄道の夜』etc)にまつわる事件を解決していくというもの。

文系の人間にはそれだけで興味引かれる内容ですが、それだけではありません。本作には、物語を通してとある「編集者にとって必要な要素」が描かれています!

ネタバレ注意です……!