「japan」は「漆(うるし)」塗りの漆器のこと。世界的な日本食ブームとともに、日本の美しい食器の数々も注目を集めている。その中でも、伝統の業が光る漆器は特別な存在だ。
そうはいうものの漆器は高価で、日常使いには不向き? なんて声があるのも事実。しかし、想像してもらいたい。「本物」が仲間入りしたあなたの毎日の食卓を。
今回紹介するのは、日常使いにこだわった漆塗り茶碗「hitowan」。
クラウドファンディングサイトのMakuakeで資金調達中。すでに目標金額の2倍を超え、じわりじわりと注目を集めている。
素材は、国産の桜の木・漆の天然素材。会津若松の職人の手により丁寧に仕上げられている。
木地師の職人の経験により養われた目と技で木材を選定・形成。塗師の職人が革と同じように使うほどに変化していく美しさを「育ててほしい」という気持ち込めて完成した伝統の一品だ。
伝統的な漆器の美しさに、現代的な魅力を吹き込んだのが、デザイナーの中島ナオさんだ。
口の傾きを斜めにし、盛り付けた時に包まれているような視覚的な美しさをプラス。
高台(こうだい)と呼ばれる底につけられた円環状の台部に切り込みを入れたことで、洗った後に高台に水がたまる問題を解消。乾きが早くなることで、水に弱い漆塗りにもやさしいデザインとなっている。
中島さん自身、約2年半前にがんの闘病生活を経験。抗がん剤治療の副作用で苦しい日々を送る中、癒しのひとときを感じさせてくれたのが、「hitowan」でお味噌汁を食べるときだった。
やわらかな質感と軽さがしびれる手を癒し、味覚障害・違和感を感じる口にやさしい口当たりが救いを感じさせてくれたという。
すべて手作業のため、仕上がるまで最低でも3か月。今注文すると、手元に届くのは7月。かかる手間やその時間に、手仕事の大変さが感じられる。
毎日使うものだからこそ、器も「本物」にこだわってみよう。
hitowan [makuake]