その商品が味もよく、かつこだわり抜いたものであれば、なおさら持っていてうれしいだろう。今回は、そんな気持ちになれるアイテムをご紹介。
岡山県高梁市吹屋で作られる“赤い”柚子胡椒
ある集会のときに出された「柚子胡椒」がとてもおいしかったという理由で、生産者の佐藤さんと地元青年団が3年前から作り始めたのが「吹屋の紅だるま」。岡山県高梁市吹屋で作られている。九州地方発祥の特産品・柚子胡椒は緑色が一般的だが、それは青唐辛子が原料だから。
この商品は、赤い唐辛子を原料としているため赤い色をした柚子胡椒なのだ。
ちなみに唐辛子のことを「胡椒」と呼び、スパイスの胡椒は入っていない。そして生産者の佐藤さん曰く、おいしい柚子胡椒の見分け方としてはラベルの原材料を見ること。1.柚子皮、2.唐辛子、3.食塩の順番に表示されているものが風味が強く辛くない可能性が高いのだという。
はじめはピリッと、だんだんと柚子の風味が効いてくる。
うどんはもちろん鍋や餃子などの薬味として、何にでも少し入れるだけでいいアクセントになるだろう。
「岡山産」にこだわり生産
柚子と唐辛子は吹屋産、塩は岡山産のものを使用。皮を剥いた柚子、ヘタを取った唐辛子、塩をミキサーにかけると完成する。こう聞けば簡単だが、ミキサーにたどり着くまでのひとつひとつの作業がとんでもなく大変なのだ。
まず柚子の皮剥き。白い部分は苦味が出るので黄色い部分だけを手作業で剥くのだが、1コあたりわずか数グラムという果てしなさ。そして唐辛子のヘタ取りももちろん手作業。ひとつ取るだけでもヒリヒリするのに、こちらも果てしない量。火傷のような症状に陥ってしまうという危険性もある、大変な作業なのだ。
そしてパッケージデザインも、岡山産。このかわいらしいダルマのパッケージは、岡山で活躍するデザインユニットCOCHAEが制作している。
かつて岡山で作られていただるま
そもそも「柚子胡椒」なのに、なぜダルマなのだろうか。
それは、赤い柚子胡椒が入った丸い瓶の形が「ダルマに似ている」と言われたことがきっかけ。かつて岡山でだるまが作られていたということも重なり、縁起がさよく吹屋を繁栄に導くという願いを込めて「紅だるま」と名付けられた。
これだけの沢山の数を並べると、とても大きい存在感。「柚子胡椒を普通に売り出しても、きっと数多くの商品に埋もれてしまう」という思いから、インパクトのあるものをと考えていた生産者・佐藤さんの思い通りのものが仕上がった。
細かい部分までこだわり抜いたこの商品。ぜひ一度味わってみてはどうだろうか。
柚子胡椒 吹屋の紅だるま600円(税込)
原材料:柚子皮、唐辛子、食塩