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タッチ画面つきAIスピーカー「Amazon Echo Show」を3日間使ってみた
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タッチ画面つきAIスピーカー「Amazon Echo Show」を3日間使ってみた

2017-07-10 21:30
    ギズモード・ジャパンより転載

    Image: satomi

    久々にパン焼いちゃいましたよ。

    だって楽しいんだもん。こねながら音声コマンドで楽曲探して、発酵しながらワークアウトやって、女性初のゴンドリエーレが実はトランスジェンダーだったという数奇な話に聞き入ってしまいました。

    春にオーダーした、タッチディスプレイつきのスマートスピーカー「Amazon Echo Show」がきたんです、我が家に!

    Image: satomi
    じゃーん! おじいちゃんがいい味出してます

    Fireタブレットはどこに消えたか知らないほどですが、これはヒットです。なんせ手が粉だらけでも音声コマンドですからね。なんか久々に人の声をものすごく近くで聞いたような気がします。開梱後ワークアウトソングすすめられたので聴いてみたら2曲目がこんなので、こういうレーダー圏外の曲がいとも簡単に拾えるのはほんとに最高です。

    Video: Innovative Leisure/YouTube

    使ってまだ3日ですけど、気づいたことまとめてみますね。

    これは小さなカラオケマシンだ

    よっぽど古い曲は別として、楽曲はみなこんな風に歌詞が流れて表示されます。歌をマスターしたい人はもうこれだけで買う価値十分かと。放禁語は伏せ字になるので、ドレイクの『Passionfruit』(一番上の写真)なんかはほぼ何を歌ってんだかわかりませんが。

    Image: satomi
    これはソフィア・コッポラの現夫トーマス・マーズのバンド、フェニックスの『If I Ever Feel Better』

    アルバムカバーとアーティストの近影(どれもキレイ)が出てくるのも、イメージが沸いていいですね。音も悪くないです。iFixitの分解では21Wのアンプ内蔵とのことでした。

    ニュース一気見。CMゼロ

    Image: satomi

    朝起きて「Alexa, Good morning」と言うと、Alexaは面白くもなんともないジョークを1本言って1日を盛り上げます。「Alexa, what’s in the news」と言うと、ロイターのかっこいいニュースがスタートしました。

    「Flash Briefing」というSkill(Alaxaではアプリとは呼ばなくてスキルと呼びます)なので3分か長くても5分で終わります。ロイター以外も欲しいと思ったら、Amazon.comで「Alexa Skills」を検索し、取り込みたいニュースを有効化すると増やせます。とりあえずNPR、NYT、Tech、CNBC、BBCなどなど入れてみました。並べ替えや削除はalexa.amazon.comで。

    何がいいって、リモコンでチャンネル切り替えなくても全メディアのヘッドラインを一気見できることですね。CMゼロです。無駄話もゼロ。このスピード感を味わったらTVには後戻りできません。

    何度も言ってると通じる不思議

    Alexaはネイティブでも音声が聞き取ってもらえないことがあるようですが、私の場合は発音も疑ってかかる必要があります。クラシックもバッハ(Bach)は「バック」。アメリカ発音は違いますからねぇ…とほほ…。「バッハ」で呼び出すと「That’s What I Like」がかかっちまいます。いや確かに「That’s what I like」ではありますが。

    セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov)も結構苦労しましたが、サーゲイとかセルゲイとかあれやこれや何度も言ってたら最後は根負けのように出してくれました。なんかちょっと不思議な気がしましたね、どこをどう変えたってわけでもないのに。AIは学習能力があるっていうので耳が慣れたってやつですかね。「なんで急に通じたの?」ってなりました。

    発音を間違えようのないプッチーニも何度言ってもダメでしたが、これは翌日言ったら一発で呼び出せました。私が寝てる間に考えていたんでしょうか…。これはとても重要なポイントのような気がします。

    発音はこうチェック

    もし曲名やアーティスト名がうろ覚えなら、「Play (形容詞) songs」でおすすめのシャッフルしていって、「あ、これいい」って思ったら「What’s playing?」と聞いてみて。曲名とアーティストを読み上げてくれるので、それで発音マスターすれば、次からは聴きたいときに音声コマンドで呼べますよ。

    楽曲聴き放題が月1ドル!

    娘が「Play song by gnash」と言ったら「ない」と表示されたので、新しい曲は有料サブスクリプションしないとダメなのかなーと思っていたら、それを見透かしたかのように1カ月1ドル(約112円)で聴き放題のプロモーションメールが! Echo Showリリースに合わせて地上で一番安いサブスクリプションを発動したようです。「もったいないからいいや」と言ってた娘も「安いね!」と言うので購読をポチったんですが、でもまだ「ない」と表示され、やっぱり発音が問題なことがわかりました。

    こういうとき便利なのが、世界中のネイティブ同士が発音を教え合うForvo.comです。さっそく発音を検索。にゃるほど、「にゃ」ってなまるんだね。これで試したら…おープレイできた!すげー!

    …となる頃にはもうサブスクリプションした後だったりします。1ドルは4カ月で、そのあとは月7.99ドル(約900円)。絶対忘れてると思うなあ。こうしてアマゾンにからめとられていくのね…。

    しゃべることがなくなったら

    コマンドが思いつかないときは画面下部に「Try ****」とヒントが表示されるので、それを読み上げるとひととおり遊べるようになっています。あるいは「Alexa, what can I say?」と素直に聞いてもいいし、Redditの板に上がっているイースターエッグを頭から試してみても面白いですよ。

    これは使える! 数値、通貨換算、辞書

    私が便利だと思ったのは数値、通貨換算です。頭に「What’s(複数にしてもいいけど)」をつけてGoogleで検索する通りに読み上げるだけでOK。

    ・3 miles in kilometers?/3マイルは何キロメートル?
    ・6 feet 3 inches in centimeters?/6フィート3インチは何センチメートル?
    ・34 celsius in fahrenheit?/セ氏34度はカ氏で何度?(これは℃、°Fでも通じます)
    ・500 dollars in yen?/500ドルは何円?
    ・3 cups in milliliters?/3カップは何ミリリットル?(これはLitersに言い換えて答えます)

    瞬時に回答が出ます。料理のときは便利ですね。定義とスペルも確かめられます。

    ・What’s the definition of ~? (定義)
    ・What’s the spell of~? (スペル)

    辞書を引く必要もありません。日本語版リリース後も英語の環境で楽しめる部分はそのまま残してほしいですね。国際交流SNSで英会話スキルの認証にも使えるなって思いました。まあ、プライバシーですけどね。

    「What’s the weather in Tokyo?」で東京の天気をチェック
    Image: satomi
    7分体操。走るばっかりで腹筋がいつの間にかゼロになっていた!

    気になったこと

    ずばり買い物が簡単すぎることです。もうAmazonアカウントと紐づけられているので、買いたいもの、おすすめリストを呼び出して番号を言って「Buy」で完了です。ついついコスメ買っちゃいました。

    Alexaは私の声でも家族の声でも遊びに来ている人の声でも言うことききますので、そのうちなりすましショッパーとか、うっかり買うつもりもないのにオーダーしちゃう人とか出そうで心配。発注確認メールの時点で探知できますけどね。

    そばのテーブルでAlexaの開梱動画観てたら、それに反応して動画や音楽が流れて、「あ、そっか、音声に反応するもんね」となりました。デモやチュートリアルも文字ではなく音声になりますね。それと、Alexaさんはいろいろ大変だろうなーと思いました。

    あと、一般的な単語の曲名やアーティスト名はそれだけでヒット頻度が上がるので、音声検索が主流になると、そういうネーミングのSEOが出そうです。たとえば「Play beautiful songs」と言うと、韓国の無名のシンガーの「Beautiful Song」という曲が流れてきます。誰や!?!?!? 「nice songs」「good songs」はちゃんとトップヒットの曲が流れるんですけどね。「sad songs」を召喚すると「After breakup(別れた後に)」というプレイリストで落ち込めます。

    あれもこれもつなげたくない

    Image: satomi
    買い出しが必要なものもしゃべるだけでメモ完了。これを考えるとやっぱり冷蔵庫直近がポールポジションですね。

    Image: satomi
    こんなアジトみたいな安くておいしいアフガン料理のお店も発掘できたよ

    あとはKindleの本を読み上げてくれたり、楽しみは尽きません。人気のスキルはこちら。ほかにもユーザー同士はビデオ通話できるんですが、これはプライバシーの問題もあるため、ビデオ同士がつながってからしばらくはボヤけてみえる仕様です。カレンダーの予定を表示させたりもできるんですが、料理をしながら使う私はあんまりあれもこれもつなげたくないなーと正直思ってます。料理するときはオフの時間なので。ジョギングがオフグリッドタイムなのと一緒で。

    Fireが忘却の彼方と書きましたが、このコロッとした物体はFireタブレットとは似て非なるものです。開梱して「なんでこんな分厚いんだ! 置き場所食うし!」とタブレットと比べてる人もいましたけど、私はこの安定感が好きですね。うちはキッチンに定位置をつくらなきゃならないので、花瓶や水がめや非ワイヤレスのスピーカーを片付けたらカウンタートップが逆にすっきりしました。

    Echo Showはコンセント引っこ抜くとOFFになります。寝室まで抱きかかえていくほどでもないので場所は固定で使う人がほとんどなんじゃないでしょうかね。ポータブルじゃないからこそ一番面白くない空間を照らす灯りの役目が光るんだと思います。

    人は声に飢えている

    コンピューターやスマホで暮らしていると、下手すると丸1日、声を出さないこともありますよね? それって考えてみれば人間本来の営みからは大きく外れてるのかもしれません。スマホ誕生10年で消えたものは1に留守番電話、2に音声通話とも言われます。人は実は声に飢えていて、話すことにも体のどこかで飢えている。心地よい筋肉痛とともに、ちょっとそんなことを考えた3日間でした。

    Amazon Echo Showレビュー:Echo+画面=便利に決まってる References: YouTube, iFixit via Engadget, Reddit, Forvo, Telegraph, TurboFuture
    (satomi)
    RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2017/07/390964/
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