日本各地で行なわれる個性豊かなまつりも夏の風物詩のひとつ。8月7日前後には、七夕まつりを開催される地域も多い。

東京の阿佐ヶ谷で昭和29年から続く「阿佐谷七夕まつり」は今年で64回目。

趣向を凝らした伝統のハリボテが、訪れる人を楽しませてくれることだろう。

64年続く阿佐ヶ谷の夏の風物詩

第一回の様子

「第ー回阿佐谷七夕まつり」が開催されたのは、未だ戦後の混乱がつづく最中。暑い盛りの8月、阿佐谷の街に何とか人を集めることはできないかと始まった。

毎年このようにハリボテを手づくりしている

初回からつづく商店主手づくりのハリボテが商店街に飾られ、期間中限定の露店や各店独自のセール企画、連携イベントなどで盛り上がる。

その年の流行とアイディアが詰まったハリボテ

ハリボテとは、ざる・かごに紙を貼って色を塗った張り子のこと。阿佐谷七夕まつりでは、その年や時代を象徴するようなハリボテがこのお祭りを盛り上げてきた。

年配の人にとっては懐かしい話題とともに、その一部を紹介する。

<昭和29年(第1回)>

今も営業をつづける婦人服店が製作したハリボテ。当時ミスコンがあったのかどうかは定かではないが、「MISS ASAGAYA」と書いてある。

<昭和37年>

モチーフは宗谷という船。戦時中は海軍の特殊艦でもあったが、その後は南極観測船として大活躍。

昭和37年は最後となる第6次観測を終え、観閲式に参加した年だ。

<昭和55年>

今ではみんなが知る存在の「ペコちゃん」。不二家のマスコットキャラクターとして1950年頃から店頭に置かれるようになった。

昭和55年はキャラクターブームが始まった頃で、子供から大人までペコちゃん人気が拡大した。

<平成23年>

ぐっと現代に近づいて平成23年。スカイツリーが完成する前年。ブームにあやかって、キャラクターのソラカラちゃんのハリボテが登場した。

<平成28年>

去年の阿佐谷七夕まつりで区長賞を受賞したハリボテ。その時公開の映画「ターザンREBORN」をモチーフにしたと思われる。

こうして見ると時代と並走してきたことがよくわかる。ただの七夕まつりの枠に収まりきらない、独自の魅力にあふれた「阿佐谷七夕まつり」。

阿佐谷パールセンター商店街などを中心に8月4日(金)~8日(火)まで開催される。今年のハリボテを見物しに、ぜひ足を運んでみてはどうだろう。

阿佐谷七夕まつり
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