• このエントリーをはてなブックマークに追加
フタを開けたまま販売する、発酵途中のお酒「フェダーヴァイザー」とは?
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

フタを開けたまま販売する、発酵途中のお酒「フェダーヴァイザー」とは?

2017-08-31 21:00
    朝は秋の匂いを感じはじめる今日この頃、ヨーロッパには今年もフェダーヴァイザーの季節がやってきた。

    日本にでは味わえないお酒、フェダーヴァイザーを一言で表すとしたら、“ワインになる前の姿”。収穫されたばかりのぶどうの果汁が、“発酵中”のお酒。酵母が残っている状態だ。4%のアルコール濃度になると、フェダーヴァイザーと呼ばれ、1年のうち2ヶ月弱だけ楽しめる貴重なお酒である。

    貴重なお酒なんて書くと玄人向けに聞こえるけれど、実は、お酒が苦手な人にこそオススメしたい。

    ぶどうの収穫時期によって、出現時期も変わるし、まさに発酵中の生きたお酒だから、2ヶ月の間に味もアルコール度数もかなり変わってくるのだ。

    出始め時期のものは、まるで口一杯にぶどうをほおばったようにフルーティー。スパークリングワインよりも強い炭酸がとてもさっぱりして、まだまだ暑い季節に持ってこい。

    対して、終わり時期に飲むフェダーヴァイザーはフルーティーの中に、渋みも出てきてだんだん辛口に。ワインの貫禄を少し感じられる。4%だったアルコール度数もこの頃には11%に。

    (フェダーヴァイザーとは「白い羽」という意味で、酵母が羽のように見えることからこう呼ばれているが、ワインと同じように赤とロゼもある)

    ところで、発酵中のお酒だからこその面白さは、その取り扱いと、貴重なワケにある。

    ラベルを見てみると……

    赤く囲まれて、「横にしないこと」と書いてある。

    瓶の蓋にまで、念入りに。

    実はこのボトル、スーパーなどで売っている時も、蓋がちゃんとしまっていないのだ。発酵中のため、密閉してしまうと破裂してしまう恐れがあるから。

    それはつまり、購入したフェダーヴァイザーを日本へ持ち込むことなど不可能というわけだ。まさに、“発酵中”というキーワードが、この時期にだけ、ここヨーロッパだけ、の特別感を生み出している。

    この時期にドイツを訪れる人には、大きな自然の中で玉ねぎケーキを食べて、フェダーヴァイザーを飲みながら感じる秋の訪れをぜひ経験していただきたい。

    ただドイツのスーパーはベルトコンベア式のレジが多いので、フェダーヴァイザーに関しては、順番が来るまで手に持っていることを忘れずに。そして、飲みやすくてぐんぐん飲めてしまうので、知らない酔っぱらってしまわないように気をつけて!

    RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2017/08/396265/
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。