やまだくみこ
3人子持ちの整理収納アドバイザー。こどもがいてもスッキリ簡単に片づくお部屋作りを日々模索。お片づけからはじまったシンプルライフを楽しみながら、世のおかたづけ親子バトルをなくすために活動中……
勝手に捨てない! こどもの選ぶ力を伸ばすおもちゃの仕分け方
まず大切なのは、どんなおもちゃでも親が勝手にコッソリと捨てないこと。なぜなら、勝手に捨てられてしまうと、今後も勝手に捨てられることを恐れ、さらにモノを手放すことのできない子になってしまうから。きちんとこどもと一緒に向き合って、納得したうえで手放してもらおう。
ポイントは要るか要らないか聞かないこと。代わりに、最近遊んでるか、遊んでいないかで聞いてあげると、こどもは答えやすい。
手放すときは「捨てる」と言わずに、「これは誰に譲ってあげようか」「新しいお友だちのところにあげようか」など、捨てる以外の方法で話してあげるといいだろう。大人もそうだが、「捨てる」というのは罪悪感が残るものだからだ。
また、こどもが「要らない」といったおもちゃを、親が「高かったのに」「祖父母に最近買ってもらったばかりなのに」と自分の判断で残してしまわないことも大切。
こどもの判断はときに残酷だが、本当に必要なもの、大切なものを選ぶ力は持っている。自分で決めたことは後悔もしないもの。「これはとっておいて」と親が促すことは、こどもが「お母さんが悲しむから」という理由で、本当は不要なものを持ち続けることになる。これからのモノの持ち方を身に着けさせるためにも、ぜひこどもの判断を尊重してあげよう。
こどもが自分で片づけられるしくみにしよう
おもちゃの収納を考えるとき、必ずこども目線になることが大切。例えば、「りかちゃんハウス」などのように、決まった入れ方をしなくてはならないおもちゃは片づけるのにとても時間がかかる。
そうなると一人では片づけられない、片づけるのが面倒くさい、結果遊ばないおもちゃになるという悪循環に陥ることも。せっかく持っているおもちゃを最大限生かすためにも、片づけられる収納のしくみを作ってあげよう。
戻しやすい高さに
思った以上にこどもの目線は低いもの。重いものは安全面からも床から一番近い位置に、立った時に腰高にくる高さに一番よく使うものを入れると出し入れしやすい。これは大人も同じなのでキッチンなどの収納で応用してみてほしい。
まだ字が読めないこどもには写真や絵のラベルが効果的。多少大きくなってくると、ひらがなで表記することで、字を覚えるきっかけになることもある。
さらに字が書けるようになると自分でラベルを書きたがることもあるはず。こどもがお片づけをしたい気持ちは大切にしてあげたい。
よく遊ぶ場所に収納するいつもリビングで遊ぶのに、おもちゃはこども部屋に収納している、という家がある。こどもはそのたびに、こども部屋からリビングにおもちゃを運び、遊び終わったらこども部屋に戻さなければならない。
これでは大人も毎回元に戻すのが一苦労。おもちゃはいつも遊ぶ場所に収納してあげよう。
でもリビングにおもちゃがあふれるのが耐えられない場合は、色の氾濫をおさえるために、既存の派手なケースから白などの統一した箱に入れ替えたり、透けて見えにくい収納用品を使ったり、来客時だけ目隠しの布をかけたりすると、スッキリとみせることができる。
おもちゃの持ち方、片づけ方は、こどもにとってモノの持ち方やお片づけを学ぶはじめの一歩。声のかけ方や収納の工夫次第で、今後のお片づけの能力をぐんと伸ばしてあげることができる。
この年末新しいおもちゃがやってきた際には、ぜひ子供と一緒におもちゃの見直しをして、スッキリとしたお片づけのできる新年を迎えたい。